JAZZ目線2【楽曲解説】番外編 工藤明 | JABBERLOOP OFFICIAL BLOG Powered by Ameba

JAZZ目線2【楽曲解説】番外編 工藤明

ニューアルバム『JAZZ目線2』


【メンバー楽曲解説】番外編


JABBERLOOPメンバー4人による楽曲解説をお送りして参りましたが、この人の解説を期待してた方も多いのでは?


共にJABBERLOOPサウンドを作り上げる大切な仲間


ドラマー【工藤明】による楽曲解説!


(JAZZ目線2、レコーディング風景)

サポートメンバーとしてドラムを叩かせてもらってます、工藤明です。

とっても恐縮ですが、今回番外編として僕もこの解説を「サポート目線」で書かせて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。


日頃色々な現場で演奏していると、自分は「ハイブリッド」なものが好きだなと思うことが多々あります。例えばアコースティックとエレクトリック、ドラムセットとパーカッションセット、そしてJABBERLOOPで言えば「ダンスミュージックとジャムセッションのハイブリッド」だと思っていつも楽しませてもらっています。

そんなJABBERLOOPの今作は、一緒にスタジオで一から曲を作った前作NEWと違ってカバーやリアレンジ中心のアルバムということで、既存の曲を違う角度から捉えて演奏するわけですから、その中で良くも悪くもバンドメンバーと同じ過去を共有していない自分がスパイスとして働けるには、「違う何かを組み合わせて一つのものにする」というアプローチがいつも以上に重要になってくるだろうと感じていました。


例えば、「本日モ晴天ナリ」はスカでありながら盛り上げたい所ではいつの間にか4つ打ちになるようにリズムパターンを変えたり、「Source Of Spring」はドラムンベースやジャングルというスタイルは意識しながらも、基本的には普通にジャムっているような感覚で演奏したりと、2つの要素を行き来するようなプレイを何となく心掛けていました。

また「Atmosphere Entry 」は、全体的にドライな音色になるように楽器をチョイス&チューニングし、メルテンさんの作曲当初のイメージということでブロウクンビーツを意識したリズムを演奏しましたが、僕はバンド初期から聴かれていた方にとっても馴染みがある「and infinite jazz...」に収録されているバージョンに、曲の後半で戻ってこれたら新旧融合みたいで面白いんじゃないかと勝手に思っていたので、ドラムソロ明けに「いわゆるクラブジャズ」な4つ打ち&スウィングに移行できるようにアプローチしてみました。

「TAKARAJIMA 」に関しては、もうこれは一番悩んだ曲で、僕は吹奏楽部経験者でもありT-SQUAREのコピーもしていたこともあったので(高校生の頃KORENOSのライブを観た後、則竹さんにアドバイスを乞いに行ったくらい)、どっちのバージョンも頭から離れない状態でしたが、リハの前にYOUTUBEで見たイビサか何処かのクラブの映像がなかなか良かったので、この感じをブレンドしたいと思い、レコーディングの直前にもその映像を見て気持ちのスイッチを入れてから演奏したことが記憶に残っています。


一曲一曲挙げていくとキリがないですね。

まあここまで色々と書きましたが、僕の敬愛するドラマーの一人、外山明さんが何年か前に雑誌のインタビューで「ドラム叩く時もご飯食べる時もおんなじで、結局最終的には好きな食べ方しちゃうんだよね」的なことをおっしゃっていて、僕はこの考え方がとっても好きで今でもよくこの言葉を反芻していまして、新曲「Will」は「こう叩け」という牽引力が凄まじい曲なのでもはや言わずもがなですが、基本的には全曲「始まっちゃったら好きなように」で演奏していたと思います。またJABBERLOOP自体も好きなようにプレイすることを良しとしてくれてそれを楽しんでいるバンドだと思うので、勢いのまま演奏できたんじゃないかと思います。


そんなことを感じながらの録音でした。

普段のリスナー目線はもちろんのこと、プレイヤー目線からも覗き込みながら楽しんでいただければと思います。

以上、工藤明でした!