委員長のオススメゲーム-未設定

零の館へようこそ、管理人のゼロ・ファルスです




自分の目で見たものしか信じない



確かにそういった人が多いと思います



自分の目で見える範囲が世界のすべて、、、果たしてそうでしょうか




それではこの人の話を聞いてください










視線の先





委員長のオススメゲーム

フリーターRさんより



あれは去年の夏でした




某ファミリーレストランで夏の短期アルバイトをしていた時のことです







私がアルバイトをしていたそのお店にはお昼に毎日一人の御老人がいらしていました



お爺さんが店内に入ると店長が必ず接客をしていつも決まった場所に案内するのです


窓際の奥の二人席、、、そこがいつも指定席のようになっていました



ある日私は少し気になることができたのです



それはお爺さんがいつも一人でいらっしゃるのに店長が用意するシルバーは二人分、、、



お爺さんはいつも二人分のお冷を用意して椅子に座り、ソファー席に向かい


楽しそうに食事をするのです



まるでそこに誰かがいるかのように、、、





ある日店長にそのことを聞いてみました



「あー、実は自分もまだ赴任して半年なんだが前任の店長より個人的にお願いされたことがあってな、、、あのお爺さんが来たらあの席に案内することとシルバーを二人分用意してくれと、、最初はなんだかわからなかったがもしかするとあの向かいの席には亡くなった奥さんでも来ているのかもしれないなと」



それで店長もお客様が喜んでくれるのならとそのまま続けているらしい



私は少し怖くなったが店長に


「今度から私の手が空かないときは君にもお願いしていいかな」







それから私は週に3回ほどあのお爺さんをあの席に案内するようになった



見ているとお爺さんはほんとにうれしそうに向かいの席に微笑みかけて食事をしている




なんだか自分の少し嬉しい気持ちになって怖いという感じがしなくなった








そして、アルバイト最後の日




お爺さんをいつもの席に案内してふとソファーを見ると、、、




そこには、、、、






小さな女の子がいた、、、、、気がした








「そうか、奥さんではなくて娘さんかお孫さんだったのか、、、」







なぜか胸が締め付けられる思いがして






厨房で泣き出した私に店長が理由を聞いて






「そうか、そうだったのかもな」






自分には見ることができないが何となく理解したと、、、これからもこの接客は続けると言ってくれた





私のお爺さんへの最後の接客



レジでお釣りを渡し「ありがとうございました」精一杯の笑顔でこたえると



「いつもありがとうね」



初めて私にかけられた言葉




胸がジンとしました















あのお爺さんは今日もあのお店にあの女の子と楽しいひと時を過ごしてくれているといいなとそう思います








終わりです











いかがでしたか




彼女はもしかしたら非常に貴重な体験をしたのかもしれません




心をこめて接したことでその人の世界を少しだけ見ることができたのかもしれませんね






自分が見ることができるものそれがその人の世界というのなら





もしかしたら、あなたの見えているものがほかの人には、、、







全く別のものに見えているのかもしれません








そろそろ時間のようですね




今宵はここまでにしましょう





それではあなたに素晴らしい夜が訪れますように




















この物語はフィクションです個人名、団体などは実在するものとは一切関係ありません





あなたがそれを信じなければ、、、