今宵もあなたを 不思議な世界へご招待します
零から産まれた文字と言葉の連なりが一つの世界になるとき、あなたの胸に映るものは、、、もしかしたら怪異への入り口なのかもしれません
それではこの人の話をどうぞ
「その瞳に映るもの」
東京都在住 会社員Eさんより
私は自分の目で見たものしか信じない、、、確かにそう言っていた
その時までは、、、
私の借りたアパートは駅から3分、、実際は5分ほどかかるのだが誤差の範囲
日当たりもよく部屋も小奇麗でわりと格安で借りることができた
でも引っ越しをしてから何かが引っ掛かる
なんだろう、、、
常に人の視線を感じる
最初は、、、ただの気のせいだと思っていた
部屋を借りて最初の金曜日
テレビを見ていると背後に気配がする
いや
視線を感じる
何かいる気がする
恐る恐る振り返ると
視界の隅に、、、何かが、、、
怖くなり振り返ることができない
ふと前を見ると窓ガラス、、、夜の窓ガラスは鏡のように部屋を写す
そこに映っていたものは、、、、
何のことはない普通、ごく普通の部屋の様子
とくに不審なものもない
当たり前の光景だ
安心して振り返ると
別に何もなかった
「なんだ気のせいかー」
と
視線を上げて
気絶した、、、
翌朝
自分が見たものが信じられず、それでも部屋に一人でいるのが怖くなったので友達のM子に部屋に泊まりに来てほしいとお願いする
「土曜日だしいいよ、お酒でも飲もうか?いいワインが手に入ったのよw」
二つ返事で泊りに来てくれたM子を部屋に招き、用意したおつまみと一緒にM子持参のワイン、その他もろもろのお酒で盛り上がる
気分が楽になって昨日のことを話すと
「なになにー寂しくなって変なものでも見ちゃったのー」
「今夜は一緒だから安心しなさいって」
と、上機嫌で慰めてくれる
M子が来てくれてほんとによかった
お酒も進み、いつのまにか寝てしまっていたのだが
「ちょっと、ちょっと起きてよ ! !」
からだを ゆさゆさ ゆすられる
「いいから起きなさいよ ! お願いだから !」
目を覚ますと完全に酔いからさめて青ざめたM子がいる
天井付近を震える指でさすM子
「あ、、、あれ、、、、あれはなによ、、、、、」
見上げるとそこには、、、
それが、、、
ただ、、、、
二つのそれだけがそこにあり、、、、
こちらを睨みつけていた
「きゃーーーーーーーーーーーーー」
二人とも意識を失い、翌朝M子の勧めで部屋を引き払い別のアパートを不動産屋に紹介させた(M子怒りのおかげでほとんどお金をかけずに引っ越しもできた)
ただあれが何だったのか、、、未だにわからない
終わり
いかがでしたが
自分が見たものしか信じない
とはいえ、信じられないモノを見てしまったらあなたならどうします?
彼女たちが見たもの、、、まだ件のアパートの一室に
棲んでいるのかも知れませんね
そろそろ時間のようですね
今宵はここまでにしておきましょう
またお会いしましょうね
それではあなたに素晴らしい夜が訪れますように、、、
この物語はフィクションです、登場人物団体などすべて架空のものです
あなたがそれを信じなければ、、、