5863の雑記帳

5863の雑記帳

趣味とボヤキの雑記帳です。お気軽にお付き合いくださいませ・・・

大変ご無沙汰してます。毎度のことながらしばらくほったらかしてるうちに季節がすっかり進んでしまい、もはや夏に近づいてきてしまいました。


さて先日、渋谷のパルコ劇場へ吉田羊さん主演の舞台『リチャード三世』を見に行ってきました。吉田羊さんはドラマHEROの第二シリーズで主演の木村拓哉さんの同僚検事の役で登場して一躍脚光を浴びまして、その時以来大のお気に入りの女優さんになりました。今や押しも押されぬ実力派俳優のお一人に数えられるようになったその吉田羊さんの役者としてのキャリアは小さな舞台からだった…ということで彼女の主演舞台はいつか一度は間近で見てみたい…とずっと以前から思っておりまして、この度ついに実現に至った次第です。


お題目の『リチャード三世』はシェクスピアの作品で、自分が王様になるために身内や家来など周りで目障りになった人間を次々に死に追いやっていく…というかなり残酷なストーリーの演劇になります。タイトルにもなっている主人公のリチャード三世というヒトは数あるシェクスピア作品の中でも稀代の大悪党として名高く、そんな極悪非道なヒール役を吉田羊さんが舞台で演じるというのも今回が初めてのことだそうで、これもまた注目を集めておりました。ちなみに森新太郎さん演出×吉田羊さん主演のシェクスピア作品の舞台は今回がシリーズ三作目の完結編ということだったそうですよ。


お恥ずかしながら著名な俳優さんたちが出てくる舞台を見に行くこと自体ほぼ初めてのことだったのに加えて、お題目もいかにも敷居の高そうなシェクスピア作品ということで、事前にYouTube動画や文庫本でどんな話なのかある程度はイメージを掴んでおくべく、一応の予習もしておきました😅



とにかく〇〇公とか△△卿とか〇△妃などなど、ビギナーにはなかなか馴染みにくい登場人物がいろいろと出てきまして、しかも総勢58人にも及ぶ登場人物のうち、主人公のリチャード三世を除いた残りの57人を、主演の吉田羊さん以外の僅か9人の役者さんたちが分担して一人で何役も演じ分けるとのこと、はたして見ていて劇についていけるのか、いささかの不安を抱えてパルコ劇場へと向かったのでした…。



驚いたことに、指定されたのはなんと前から二列目というまさに舞台から目と鼻の先の席でした。観劇には慣れ親しんでいるムスメからは『たぶんビギナーズラック』と言われてしまいました。


実は前作の『ハムレットQ1』も見に行ってみようかな…と思ってはいたんですが、ムスメに聞いたら『暗い話'だよ』と言われて躊躇してしまいました。ところが後で羊さんご本人のインタビュー記事やインスタの投稿などを拝見して、やはり行けばよかった…と心底後悔していたので、次の機会は絶対に逃すまい…と心に誓っていたところ今年のはじめくらいだったでしょうか、そのご本人のインスタて新作の告知があり、そこで紹介されていた先行予約受付開始後すぐにチケットの申し込みをしたと思います。


渋谷のパルコも建て替えられてもう何年も経ってると思いますが、実は中に入ったのも今回が初めてでした。



エントランスに表示されていた案内板。先ほども書いた通り登場人物は58人もいるのに出てくる役者さんはこちらの10人だけ、吉田羊さんの両脇を固める篠井英介さんと渡辺いっけいさんがまた頼もしいですね。いったいどんな演劇になっているのかテンション爆上がりで8階のパルコ劇場を目指します…。


8階に上がると入り口の前にはすでに数十人のヒトが開場待ちの列を作っていましたが、タイミングよくすぐに開場となりました。ところが席への案内はここからさらに15分後とのこと、こういう舞台の案内ってこんな感じなんですね…。で、劇場のエントランスにはたくさんのお花が飾られて大変華やかな雰囲気に包まれておりました。



S&Bカレーに配車アプリGO、ポカリスエット…羊さんが出演されているおなじみのコマーシャルの企業から。


吉高由里子さんは一昨年の大河ドラマ『光る君へ』で共演。TBSで出演していたのは今年はじめに映画にもなっていた『ラストマン』、映画の本編にはあまり出てきませんでしたが、映画の本編に続く年末のスペシャルドラマでは激しいアクションシーンなども披露、満身創痍の活躍ぶりでした。


そして一際目を引いていたドリカムさんからのお花。カラオケでもドリカムのナンバーをよく歌われているそうで…。



窓の外には渋谷の街が眼下に。ナルホド、パルコの上からはこんなふうに見えるんですね…。


グッズの物販などはほとんどありませんが、プログラムだけは販売されていたので早速購入。お花や外の景色を眺めていたらほどなくして席への案内も始まりました。自席に座ってみると、舞台は本当に目の前、マジ近い‼️


劇の中身はネタバレになってしまいますので詳しくは申し上げませんが、原作はリチャード三世本人の長い独り言から始まります。なので上演開始早々、吉田羊さんが一人で舞台袖から出てきてこの長いセリフを語るのですが、リチャード三世は体が不自由で眉目秀麗とは程遠い人相でもあったので、杖をついて足を引きずり顔は真っ白、なんとも表現しがたいいでだちで、しかも日常会話ではあまり使わないような独特の堅苦しい長いセリフを実に流暢に語るという冒頭のこの非常に印象深い一挙手一投足で瞬く間に羊さんの熱演の虜に…。『さすが吉田羊さん、コレはスゴイや…』鳥肌が立ちそうな感覚でした。


ここから先は役者さんたちが代わるがわる矢継ぎ早に出てきてはリチャードと丁々発止のやり取りが繰り返されていくのですが、とにかく終始テンポの良い大変痛快な会話劇で、リチャードのやっていることは確かに極悪非道でサイテーなのに、俳優さんたちの熱演ぶりにすっかり世界に引き込まれてしまい、当初気に病んでいた、敷居の高そうなシェクスピアの小難しい作品とか、もうそんなことは遠い彼方へ忘れ去られて、気がつけばステージ上に展開する森新太郎さんの演出するシェクスピアの世界観に完全に没入しておりました。


しかしながら世の中は奇しくもアメリカの大統領がベネズエラやイランに戦争をふっかけてあっという間に世界秩序が掻き乱された…という不穏なご時世、そんな時にこういう演劇が上演されるのも何かの運命なんでしょうか、おのれの欲望のためだけに周りの人間を次々と陥れて王座に登り詰めるも結局最後は惨めに破滅の道を辿る…というリチャード三世の生き様、なんだか今や現実世界のあらゆる国やヒトに置き換えられてしまいそうに思えてなりません。


また吉田羊さんご本人は『リチャード三世がどんなに極悪非道なヒトであっても、私だけはリチャードの味方でいたい…』ととあるインタビュー記事で語っていたのをあらかじめ拝見しておりまして、極悪非道の大悪党のはずのリチャードが劇中でそこまでの悪人に見えなかったのは、おそらく吉田羊さんご本人がそんな気持ちで演じておられたためでもあったのかしらん…そんなことも少し思ってしまいました。逆にただの悪党に見えていたらそれはそれで少々ストレスを感じていたかもしれません。見ているヒトを不快にさせない絶妙な匙加減というかバランス感覚みたいなものが緻密に計算されていたとしたらそれはもはや驚異的としか言いようがありません。高度に洗練されたプロの役者さんの演技とはそういうものなんでしょうねえ…。


…という具合で20分の休憩を挟んだまる3時間の上演時間はあっという間に過ぎ、いろんなことを考えさせられながらも、なんとも心地のいい満足感と充実感に包まれながら、リチャード三世を十二分に堪能することができましたよ。カーテンコールで中央に立つ吉田羊さんの目にはうっすら涙も、いい舞台を見せていただき本当に感謝です。


いやはや、間近で見るホンモノの舞台というのはかくも素晴らしいものだったんですねえ、心揺さぶられるとはまさにこういう感覚なんでしょう。吉田羊さんの出演する舞台は言うに及ばず、これからはちょいとアンテナを張って興味の湧く舞台には進んで足を運んでみよう…と素直に思いました。



余韻に浸るべく、終わった後は西荻窪のちょいと洒落たお店に場所を移しまして、美味しいお酒とお料理を。素敵な舞台を思い返して物思いにふけるには相応しすぎる佇まいのお店でした😄



誠に思い出深きいい1日になりましたヨ。


まとまりのない長文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。