前回のブログでは,TS-520用のVFOを作成しました。借りものですが,TS-520V 10Wで運用してみて,ちょっとした不便な点があり,また,改良の余地があったので,改良しその内容を記載して再度アップします。

 

1.バンドおよびモード変更をロータリースイッチからプッシュスイッチに変更しました。
  旧設計では,ポート数が足りず,バンド信号を2進数にエンコードして取り込むなど,工夫しました。しかし,運用してみて,14MHzから7MHzにQSYした時,バンドは変更したものの,モードの変更をわすれて,表示周波数が意図したものとずれてしまい,内心焦りました。気が付いてモードもLSBに変更したことがありました。
 そこで,LSB,USBを自動で変更するには,物理的に接点が繋がった状態では変更できないので,プッシュスイッチでソフトウエアで変更することにしました。なぁ~んだ,苦労し細工した結果が欠陥とは言えずとも無駄だったことに気が付きました。

 

 2.バンドはアップ・ダウンスイッチでロータリー式に,モードは,1個のスイッチでロータリー式に設定します。バンド変更時,3.5および7MHzバンドは,LSBに,他のバンドはUSBに設定します。もちろん各バンドは手動でCWや逆のモードも設定できます。もちろん,この設定は表示周波数のみの対応で,TS-520に影響を与えません。(写真のダイヤル右に縦に3個のスイッチを配置しました。ロータリースイッチ2個が縦に並んでいたところに,スイッチ3個を配置するのには苦労しました。)

 

 

3. 回路図を示します。

  

  74HC148 2個と関連のパーツがなくなり少し,簡素になりました。

 

4.取り扱い

   前回ブログでは説明不足でした取り扱いをここに記載します。

4.1 接続

 TS-520との接続ケーブルを作成し使用します。TS-520側は付属の9ピンコネクタとVFO側8Pコネクタ,SMA同軸間を回路図に表したケーブルで接続します。

4.2 電源

 TS-520の電源SWをONにした状態で,VFOの電源SWをONにすると,VFOは外部VFOに接続されます。

4.3 運用バンド,モード

 TS-520側の設定に,VFO側をあわせます。あくまでも表示周波数を運用周波数に合わせるためです。

4.4 送受信

 TS-520のチューニングなど準備が終われば,送受信可能になります。送信中はVFO側で”TX”を表示します。

4.5 RIT

 VFOが側でRIT操作をしている場合,送信時はRITは解除されます。

4.6 STEP

 スイッチを押す毎に,10,100Hz,1k,10kHzと順次切り替わります。

4.6 Lock

 このスイッチを押すと,”LOCK”と表示し、ダイアヤル操作を無視します。

4.7 SAVE

 各バンドの運用周波数は内部メモリに記憶していますが、電源を切るとその内容はクリヤーされていまいます。SAVEでその内容尾を内蔵EEPROMの所定のエリアに保存します。また、電源SWをOFFにすると、その時点でのメモリ内容を同じエリアに上書き保存します。

4.8 LOAD

 各バンドの、電源OFFした時点、もしくはSave操作での保存された運用周波数を読み出して表示します。電源をONしたときも過去に保存された内容を読み出して表示します。

4.9 表示周波数の修正

  本装置のPLL周波数は定格上100PPM程度の偏差があるようです。また、TS-520のキャリヤー、ヘテロダイン周波数にも偏差があり、計算で求めた表示周波数は実際の送受信周波数と食い違いがでます。そこで、送受信周波数と表示周波数を、RIT機能を利用して合わせる機能をもたせました。

  • 相手局、もしくは正確なトランシーバにゼロインします。そのときの表示周波数を読みとります。
  • RITを!”ON”にします。
  • ダイヤルをまわして、ゼロインした実周波数との差を表示させます。
  • RITスイッチを”ピッ”とビープが鳴るまで長押しします。
  • 表示周波数にRITで設定された周波数が加減算されます。1KHz以上の偏差を修正するにはこの操作をくりかえします。
  • SAVEします。各バンドの周波数データと補正値は別のエリヤに保存し、表示する時点で補正して表示します。この補正値は別エリアに保存します。表示するときに加減算します。
     

5.部品リスト を作成しました。=2024/3/31=

 

6. スケッチ

 スケッチは、その3で記載された、URLを参照してください。

=2024/4/2 記 =