世界肝炎デー(7月28日 記念日)
2010年(平成22年)5月の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の総会において7月28日を「世界肝炎デー」に制定。
英語表記は「World Hepatitis Day:WHD」。
2004年(平成16年)にヨーロッパと中東の患者のグループが10月1日を「国際C型肝炎啓発デー」としたのが始まりで、2007年(平成19年)まで実施された。2008年(平成20年)に世界肝炎同盟(World Hepatitis Alliance:WHA)が5月19日を「世界肝炎デー」に制定した。
その後、2010年(平成22年)にWHOはウイルス性肝炎(B型肝炎・C型肝炎)の世界的認識を高め、予防・検査・治療を促進すること、患者・感染者に対する差別・偏見を解消することを目的として7月28日を「世界肝炎デー」と定め、肝炎に関する啓発活動などの実施を提唱した。毎年テーマが決められ、この日を中心としてポスター展示や講演会などのイベントなどが実施される。
7月28日の日付は、B型肝炎ウイルス(HBV)を発見し、後にその診断法とワクチンを開発したアメリカの医学者バルーク・ブランバーグ(Baruch Blumberg、1925~2011年)の誕生日に由来する。ブランバーグは「感染症の原因と感染拡大についての新しいメカニズムの発見」により1976年(昭和51年)にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
日本では、肝炎対策基本指針に基づき肝炎対策の総合的な推進を図ることとしている。あらゆる世代の国民が、肝炎の予防・治療に関する正しい知識を持つために情報提供や普及啓発が行われる。また、肝炎患者などが不当な差別を受けることなく、社会において安心して暮らせる環境づくりを目指している。
肝炎は治療せずに放置すると、肝硬変や肝臓癌、肝不全といった合併症を引き起こす。世界中で毎年150万人もの人がB型肝炎もしくはC型肝炎が原因で死亡しており、その数はエイズによって引き起こされる死亡者数より多いとも言われている。