3月のダイヤ改正から,JR東日本の「普通列車グリーン車」のグリーン料金が改定された.

 これまで50kmを境にした2区分だった距離区分を,100kmでも区切る3区分にして,平日と土休日で分けていた料金は「統一」された.
 概ね,平日については若干の値下げ,土休日は結構な値上げとなったが,100km超についてはともに「かなりの値上げ」と感じる.


 ただしこれは,例えば「JREポイント」で交換できる「Suicaグリーン券」が一律600ポイントのままなので,これを使うなら変わらないことにはなる.これまで時々キャンペーンで「400ポイント」にディスカウントされることがあったが,今回の改定でどうなるのかは,今のところ不明である.

 また,従来は「事前料金」と「車内料金」という区分があったが,これは廃止となり,代わって「Suicaグリーン料金」と「通常料金」に再編された.
 つまり,これまでの「事前料金」相当で利用するには「Suica必須」ということになり,所謂「きっぷ」で利用しようとすると,従前の「車内料金」と同じように扱われる,ということになる.
 逆に言えば,何らかの事情でSuicaを利用しないのなら,事前に券売機でグリーン券を購入しないで乗ってしまったほうが「混んでるから普通車でいいや」という余地もできる,ということ.完全に満席ならば「不使用証明」で「無手数料払戻」にはなるのだが,「ほぼ満席」の場合は1席でも空席があれば適用されないため「もう紙の切符を買う人はいなくなるのでは」と思っている.

 この結果,割安な「Suicaグリーン料金」を適用しても,最安の50kmまででも750円になってしまった.
 前述のとおり,平日は780円から若干「値下げ」にはなっているものの,土休日は580円からの「値上げ」である.170円の値上げとは言え,率にすると3割近い.
 長男と毎月恒例の「帰省」で吉祥寺に行く際にはよく利用していたのだが,580円だから気軽に使えていたのに,750円となると2人往復で3K円となるから,ちょっと躊躇する.しかもそんなに空いている訳でもない.

 50kmという距離が絶妙で,戸塚からだと新宿・池袋も東京・上野も圏内だ.赤羽は圏外だが,尾久・三河島・錦糸町までが含まれるので,かなり重宝した.
 これが大船だと,新宿・池袋や上野,錦糸町が圏外となり,渋谷や馬喰町までしか収まらなくなってしまう.
 尤も今後,中央快速線に「普通列車グリーン車」が導入される予定で,これが「通し料金」で利用できるようになれば,吉祥寺までの利用で「51km以上100km以内」の1,000円となるのを受け入れるかどうか,というところ.

 そのためという訳ではなく,最近はたまたま日程の関係で,吉祥寺まで自家用1号車で往復することが多くなったので,今後はこちらが定着するかも知れない.

 しかし,ここで目先を変えてみる.

 この吉祥寺からの帰りなどに,時々使ったことがあるのが「小田急ロマンスカー」.
 これ,特急料金なので,長男が小学生の間は「1.5人分」で利用できたこともあって,愛用していたこともある.しかし,中学進学後は「一人前」になってしまうし,値上げも重なったので,最近はちょっと疎遠になっている.
 ロマンスカーに乗るとすると,新宿-藤沢間なので,特急料金は700円(チケットレス料金)になってしまった.それでもJRの「普通列車グリーン車」よりは安い.新宿-藤沢は,JRでは50kmを超えるので,藤沢の住人だったら尚更だ.
 ほぼ,このためだけに「e-Romancecar」会員になっていて,更に「小田急OPカード」まで持っているのだが,これ以外で小田急(系列も含む)を使うことは,ほとんどない.

 しかし,ここで「特急」というキーワードに注目.

 これまでも「成田エクスプレス」は,別段NRT(成田空港)を利用する訳でなくとも,乗ったことが少なくない.
 かつての「湘南ライナー」が特急「湘南」になっても,戸塚には停車しない(特急「踊り子」も停まらない)ものの,何故か「成田エクスプレス」は停車する.更に,最近では千葉にも停まるようになった.
 これが「えきねっと」の「チケットレストクだ値」だと,830円で東京・品川と横浜~大船の利用ができたので,平日の場合には,普通列車グリーン車との差額は50円しかなく,それでいて「指定席」なので,空席状況を確認して「空いているところ」を「狙い撃ち」もできた.

 更に,このダイヤ改正から特急料金が見直され,全体的に値下げとなっただけでなく,「チケットレス割引」100円が適用されると,50kmまでは660円になった.
 つまり「普通列車グリーン車」よりも安いのだ.
 これは100kmまでの場合も920円,150kmまで1,480円と,いずれも「普通列車グリーン車」より安価に設定されている.東京-大船間で「成田エクスプレス」が普通列車を追い抜くことはないが,総武線区間内では普通にあるので,千葉方面からの帰りは「安くて速い」まるで牛丼屋のような「空港特急」が爆誕したことになる(ただし150kmを超えると,普通列車グリーン車の上限1,550円を上回る2,140円以上になるが,成田空港-大船間でも125.7kmなので該当しない).

 ということで,「普通列車グリーン車」の代わりを「成田エクスプレス」に,ということは充分検討に値すると思う.
 何より,乗ろうと思う列車が乗車駅に来る前に空席状況が判るのが,最大の利点だろう.