最近では,JRの「横須賀・総武快速線」もE235系(1000番台)が席巻してきて,一部(東京・千葉方の9~11号車)だけとはいえセミクロスシート車のあるE217系も風前の灯火となってきた感がある.
 出勤時は速達性も考慮して東海道線(上野東京ライン)系に乗ることがほとんどだが,帰りは比較的空いている横須賀線系(湘南新宿ライン・東北[トホホセ]・横須賀[スカセ]系)を利用することが多い.そのため「ちょっとつまらなくなったな」という気がしている.

 筆者も元々が「乗り鉄」系の人種なので,やはりロングシートではなくクロスシート派である(転換クロスシートまでは求めないが).
 むしろ湘南新宿ラインのE231/E233系のほうが「確実」でもある.E235系以外は,15連であれば,東北・高崎(・総武)線方の末尾2両(横須賀線だと10・11号車,それ以外は14・15号車)は確実にセミクロスシート車になるから,狙いは付けやすい.

 そんな折,出張で海老名に行くことになった.
 朝は一度出勤するが,終了後は直帰になる時間帯だ.

 京浜東北・根岸線からなので,横浜駅まではロングシート已む無しではある.
 しかし,そこからは「選択の余地」がありそうだ.

 横浜駅からは,9時47分発の快速・海老名行に乗ることにした.これであれば,海老名駅には10時25分に着く.
 先方には,11時までに入ればいいことになっており,駅からの徒歩を考慮しても充分に間に合う.
 所謂「タイパ」的に見た場合,横浜9時32分発の特急・海老名行という選択肢のほうが有利ではある.海老名着は10時03分,所要時間としては7分短い.

 相鉄線は,まずJR(埼京線系統),続いて東急(東横線・目黒線系統)への乗入を開始したことによって,運転系統に変化が生じている.
 従前は,横浜駅に出るしかなかったのだが,次第に東京方面への直通運転にウエイトが移って行った.そのしわ寄せが「本線」である筈の横浜方面に出始めていると感じる.

 元々,相鉄における最速達列車種別は「急行」だった.
 この「急行」は,横浜・二俣川間を無停車で走り抜けるが,その区間外では各駅停車である.
 現在では「急行」は消滅し,「通勤急行」なる列車種別が誕生しているが,こちらは横浜・西谷間が無停車.つまり,かつての「急行」から見れば,西谷と鶴ケ峰が停車駅として加わった形になる.

 JRや東急と直通運転を始める以前から「特急」も誕生した.
 現在では特急停車駅になっている西谷には,JRとの直通運転開始までは特急は勿論のこと「快速」さえ停車しなかった.
 「特急」は「急行」が全駅停車になる二俣川以遠についても,本線では大和・海老名のみ,いずみ野線ではいずみ野・湘南台のみに停車するだけとなったが,その後,西谷が停車駅として追加されている.

 やはり,JRや東急へ直通運転することにより,その「分岐点」となる西谷駅が,相鉄における最大の「結節点」という位置付けになり,従来の二俣川に取って代わる存在になったと言えよう.
 そして,横浜方面ではなく東京方面への系統が主流となり,東京方面には設定のなかった「急行」の消滅へと繋がった.
 「急行」を西谷にも停める,あるいは「結節点」機能を二俣川に設定する,という方向性だったならば,「急行」も残っていたかも知れない.
 「急行」と「快速」を比較すれば,横浜・二俣川間で星川と鶴ケ峰という2つの快速停車駅(後に西谷も)が増えるという違いがあるが,二俣川以遠は各駅停車なので大差ない.ところが「特急」と「快速」となると,相当に速達性に差が付いてしまう.

 個人的には,どうして「西谷」をこんなに重用するのか,とさえ思う.保土ケ谷区と旭区の区境で,清掃工場くらいしかないような場所,というイメージが強い.
 強いて言えば,すぐ上を東海道新幹線が通っているのだが,まさか新幹線駅を作るということもなかろう.新横浜駅が目と鼻の先なのだ.

 それはそうと,運転系統や運行本数,速達性の面ではJR・東急直通運転に後れを取っている横浜駅方面への列車ではあるが,車両運用面から見ると,違ったものがある.

 JR・東急直通運転については,JRは埼京線系統(武蔵小杉・池袋間は湘南新宿ラインと共用),東急は東横線・目黒線を経て,それぞれ東京メトロ副都心線から東武東上線,また都営三田線や東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線へと直通する.
 JR埼京線のE233系(7000番台10連)や東急の5050系(4000番台10連・東横線),3020系・5080系・3000系(各8連・目黒線)は乗入れてくるが,都営車や東京メトロ車・埼玉高速鉄道車の乗入はない.
 そして,いずれも標準的なロングシート車ばかりであるため,相鉄側もこれに合わせて,JRへは12000系10連,東横線へは20000系10連,目黒線へは21000系8連の乗入としており,全てロングシート車である.

 相鉄では10連の中に,8000系と9000系でセミクロスシート車の設定(5・8号車のみ)があるが,これは自社線内のみの運用であり,JRや東急に乗り入れることはない.
 東急にも一部,車端部にのみクロスシートがある9000系や7000系といった車両はあるが,9000系は大井町線,7000系も池上線と多摩川線での運用なので,基本的に自社線内完結の列車にしか充当されない.

 もしかしたら9時32分発の特急に間に合うかも,とは思ったのだが,あまり慌てても仕方ないし,朝遅めの「下り」列車とはいえギリギリだと座席の選択肢が少ないかも知れない.
 また,前述のとおり,現在の相鉄ではJRや東急への直通運転に重点をシフトしているため,「本線」を走る数少ない「特急」という点からも,混雑する可能性が否定できない.

 そこでやはり,9時47分発の快速に乗ることにした.

 結果的に,この快速には8000系の8712×10編成が充当されていた.
 後で色々と調べてみたのだが,この快速列車は「51」と呼ばれる行程(運用)に組み込まれているらしい.
 一方で9時32分発の特急については「63」行程になるのだが,この「63」は日中に充当編成の「入替」が起きることも少なくないようで,この日は午後からの運用こそ8000系の8711×10編成が充当されていたようだが,午前中は11000系の11001×10編成だったらしい.
 つまり,特急を選んでいたらロングシート車だったことになる.

 8000系や9000系が来るかも知れない,と8号車の停止位置で待っていたので,セミクロスシート車の「8136」に乗ることになった.
 この「8000系8100型」とでも呼ぶべき車両は,JRで言えば「モハ」に当たり,主制御器(VVVFインバータ制御)も搭載しているので,所謂「M」車で「奇数の型式番号」(例えば「モハE233」みたいな)となるもの.「相方」の「M’」車は「8200」番台を名乗っている.
 相鉄の8000系においては,10連の中に電動車ユニットが3対組み込まれており,2・5・8号車がこの主制御器のある「M」車で,2号車だけがロングシート車ではあるものの,車両番号では特に区別はされていない.ただし,各編成に3両ずつ組み込まれていることから「3で割って1余る」場合はロングシート車,それ以外がセミクロスシート車,という判別は可能である.

 運良くセミクロスシート車に乗れたので,海老名までの38分間を,ちょっとした「旅気分」を味わいながら,となった.


 特急だと31分で着いてしまうから,その意味でも「快速」くらいが丁度いいのかも知れない.普通(各駅停車)だと,西谷までがかったる過ぎる気がする.

 なお,9000系だったら,このクロスシートのモケットがレザー調にグレードアップされているのだが,贅沢を言っても始まらない.

 折角,普段なかなか行くことがない県央の海老名まで足を延ばしたので,駅周辺限定ではあるが,最近,何となく力を入れ始めた「セブンイレブンめぐり」もしておこう.

 まずは,小田急・相鉄の海老名駅とJR相模線の海老名駅の間にある「ビナガーデンズテラス」の奥にあるオフィス棟の2階部分に「【51746-0】セブンイレブン小田急ビナガーデンズオフィス店」があった.


 日程の都合上,昼食を抜くという判断で動いていたため,若干の空腹を覚えていたことと,たまたまアプリにクーポンがあったことからシュークリームを購入.

 屋外の連絡通路上に立っていた看板は,何か特殊な機構なのか,写真に撮ると全面が光っている訳ではなく「走査」しているかのようだ.

 この店舗,ビル内側にも入口がある.

 で,そちら側に店舗番号が掲出されていた.


 特に何か必要なものがある訳ではない時には,よく「ブラックサンダー」を1個購入するという手段に出る.単価36円,税込で38円なので「nanaco」のポイントすら付かないのだが,アプリ上の「お店巡り」では履歴として残る.
 気を付けなければならないのが,店舗番号も入っている「領収日附印」を目当てにして公共料金支払をする場合だ.実はこれだけでは「お店巡り」的にはノーカウントになってしまう「対象外」の一事例.
 また,何かを購入したとしても「対象外」になるものがあり,切手などを含む金券の類やタバコ,お土産,一部の新聞,チケット類,地域指定のごみ袋や粗大ごみ処理券などが挙げられている.
 この「お土産」の中に入ってしまうのか,例えば鉄道駅の構内にあった売店がFCとして「セブンイレブン化」したようなケースで,その鉄道会社のグッズ類も「対象外」のことが多い.
 ある時,その「お店巡り」の履歴を眺めていて,何度か利用したことがある筈の「【28516-1】セブンイレブン京急ST横浜中央改札店」が見当たらないことで,それに気付いた.そこでは京急のグッズ(「けいきゅん」系とか「すみっコぐらし」系とか……)しか買っていなかったようである.
 逆に,藤沢までロマンスカーで帰る際によく利用し,酒類やつまみに弁当なども購入していた,今はなき「【49193-7】セブンイレブン小田急新宿特急ホーム店」は,しっかりと履歴に出ているし,アプリ利用開始後,東京都内では初めての利用店舗だったらしく「都道府県制覇」にも履歴が残っている.
 一方で,最近までよく利用していたものの,アプリを利用する前に閉店してしまった「鎌倉関谷店」などは,最早「店舗番号」すら調べようがなく,履歴にも残らなかったのは残念だ.


 さて,連絡通路を渡って海老名駅(小田急・相鉄)へ.

 

 海老名駅から帰宅するとなると,一番手っ取り早いのは,相鉄で横浜駅まで戻り,東海道線(上野東京ライン)なり横須賀線(湘南新宿ライン)なりに乗り換えることになるかと思う.
 JR相模線で茅ヶ崎乗換,という選択肢もあろう.

 しかし,ここは折角なので,小田急で小田原まで出て,東海道線に乗換というルートを使ってみよう.
 一旦,小田急の改札を入ったところで,ふと思い立ってロマンスカーの検索をしてみた.ちなみに筆者は「ロマンスカー@クラブ」の会員(無料)なので(ほぼそのためだけ?に「小田急opカード」まで持っていたりする),登録不要の「e-Romancecar」よりは手っ取り早く予約・購入が可能である.
 すると16時38分発の「はこね77号」というのがある.
 使用車両は30000形の「EXE」だが,運転席直後の右側になる「1号車1A・B」が空いている.左側のC・D席だと,この時間帯以降は遮光のために運転室のカーテンが使用されているかも知れないが,基本的に右側は開放されたままのことがほとんどだから,70000形「GSE」の「展望席」ほどではないにせよ,それなりに前面展望は効く.

 取り敢えず「1A」を押さえたものの,まだ時間があり,このまま改札内にいてもすることがない.
 小田急の海老名駅の改札内には,上り(新宿方面)ホームにだけ「【48898-7】セブンイレブン海老名上りホーム店」がある.そこで「つまみ」になりそうなものを1点だけ購入し,友人改札で「ロマンスカー買ったけど時間があるので」と「入場取消」してもらった(よく考えるとセブンイレブンに行った時点で入場料は払わないといけないような気もするが).


 若干の時間調整をして,改札外の「【47537-1】セブンイレブン小田急マルシェ海老名店」で,本格的な飲食物調達.


 改札口の横で,何故か静岡県富士市の和菓子店が「出店」をしていたのだが,餅入りの最中が美味しそうだったので購入.1個220円らしいが「よりどり6個1,100円」(ちなみに単価は180~220円の品なので220円は最高値)だというので,5個分の金額で6個買えるから,と6個にした.


 期せずして,横浜・海老名間に続き,海老名・小田原間もクロスシート,しかも今度はリクライニング付の転換クロスシートになった.


 小田原からの東海道線も,少なくとも1・2号車と14・15号車(E233系と国府津[横コツ]所属のE231系は9・10号車も)はセミクロスシート車だから,横浜以降,全行程がクロスシートということになりそうだ.

 小田原でも「【48677-1】セブンイレブン小田急小田原上りホーム店」と「【49091-0】セブンイレブン小田急小田原店」に寄る.
 「小田急小田原店」は,土産物店である「小田原駅名産店」と併設されており,レジも共通のようだ.名産店がセブンイレブンのFC店舗化したのかも知れない.名産店的な品物は,まさに「土産物」になるだろうから,それだけでは「お店巡り」の履歴としては残らないのではなかろうか.
 海老名で買った「つまみ」系は,まだ半分ほどあるが,アルコール飲料が尽きたので,ここで買い増ししておく.「タバコ」は「対象外」だが,酒類は対象だ(何しろ「7&i」のプライベートブランドのサワー類とかハイボールもあるくらいだし).

 そんなことをしていたら,小田原始発の上野東京ライン・小金井行が17時34分だというので,慌ててホームへ.始発にもかかわらず,発車時刻が近いためかそれなりに混んでいた.
 小田原駅の東海道線ホームの階段は,かなり熱海方に偏った位置にある.なので,東京方の14・15号車まで行けば(目の前の電車は「宮ヤマ」小山所属のE231系なので9・10号車はロングシート車),それなりに空いているかも知れない.
 しかし,時間的に余裕がないこともあり,面倒くさくなってホームの「Suicaグリーン券売機」で50kmまでのグリーン券を購入,5号車の「サロE231」(多分「-1003」)1階席に収まった.

 こうして,今回の「海老名出張」に関しては,ほぼ全行程をクロスシートでという結果になった.
 普段あまり,距離のある「出張」とは縁がないので,たまの出張の時くらい「旅気分」を味わいたいと思ってしまう筆者的には,なかなかの「成果」だったかも知れない.