主に親族間の連絡用として使用しているKDDI(au)回線(090-35)は,諸般の事情により楽天モバイル版の「SH-RM18・AQUOS zero6」にnanoSIM(物理SIM)を挿して使用している.

 

 このauのSIMは,昨年3月の「3G停波」によって終焉を迎えた「auガラケー」から「同番号復活」で「4G/5G契約」として発行されたモノ.3Gガラケーからの(「ケータイ」契約ではない)移行なので,「スマホスタートプラン(当時)」の適用を受け,2K円/月そこそこ(初年は1K円弱)で3GBまで使える.

 

 

 次の機種変更まで適用,となっているのだが,ここで言う「機種変更」とは,auで機種変更手続きをする場合を指しており,自分で端末を用意してSIMを挿し替える場合は,契約の変更にはならないので,プランが終了しない限り(新規受付は終了しているが)そのままの条件で継続する筈だ.

 ただし,auのSIMには(他キャリアのスタッフに言わせると)変な「縛り」(あるいは「クセ」)があり,機種によってはマッチしないこともあるらしく,あくまでも「使える機種を自分で用意した場合」ということになろうか.

 

 なお,最近では各キャリアともAndroid端末用とiPhone用のSIMについて,ほぼ相互に使い回せるようになっているらしいが,古いSIMカードの場合には対応できていない可能性がある.

 docomoについては,かなり前から相互利用が可能ではあった(ただし4Gまで対応と5G対応ではカードも契約も違う)が,SoftBankでは比較的最近になって対応するようになったと聞いている.

 auが一番厄介で,色々と制約が付くらしいが,これも前述した「クセ」と同類だろう.

 

 さて,このKDDI回線のauSIMだが,3Gガラケーからの移行時に,KDDI的に手続されている端末は「SHG06・AQUOS wish」である.

 これは「端末は別に自分で用意するから……」とは言ったものの,某大手家電量販店(某電機)で「1円だから,とりあえずもらっておいてください」と渡されたモノ.

 「wish」も「zero6」もdocomo版は存在しない(「wish2(SH-51C)」と「wish3(SH-53D)」はある)のだが,「wish」にはSIMフリー版が存在し「SH-M20」という型番になる.一方「zero6」にはSIMフリー版はないのだが,楽天モバイル版の型番が「SH-RM18」であることから,仮にリリースされていれば「SH-M18」と名乗っていたであろう.なお,楽天モバイルでは「wish」のSIMフリー版を販売していた.

 

 実は,3G停波まで半年ほどとなった頃,その「後」をどうするか検討した時に候補に挙がったのがau版の「zero6」(SHG04)だった.

 比較的画面が大きく,筆者の「太い指+超・静電気体質」でも使えそうなのに,かなり軽い,というのが決め手になった.

 ところが,2021年10月上旬の発売だったのだが,年内には早々に店頭から姿を消してしまった.どうやら,予定の数を完売してしまったらしい.そのため,3G停波後に「巻き取り」対象として機種変更……というのは不可能になってしまった.

 しかし,前後してSoftBank版の「A102SH」と楽天モバイル版の「SH-RM18」が発売され,au版の「SHG04」では対応していなかった「ミリ波」とされる(一般的な「ミリ波」とは30~300GHzを言うので厳密には微妙だが)5Gの「n257バンド(28GHz帯)」にも対応するなど「上位互換機」になっていた.

 そこで,当時「毎月1GBまでなら完全無料!」と謳っていた楽天モバイルをeSIMで「副回線」として突っ込む前提で「SH-RM18」を購入し,これにauSIMを挿して「デュアルSIM運用」で使っていた.

 

 実際には「楽天モバイルは,ほぼ使い物にならない」ため,あまり意味がなかったのだが,無料ならいいや,と思ってそのままにしていたら,あっという間に「有料化」という楽天の「お家芸」とも言うべき「手のひら返し」を食らう.

 そもそも,楽天モバイルはKDDIローミングでエリア展開を補っているため,auとのデュアルSIMに「複線化」としてのメリットは殆どない.

 しかし,有料化されても3GB/月まで約1K円だから,データ量の補完にはなる可能性がある.端末も24回払で購入してしまったので,楽天モバイルとの縁は切れないから,そのうち「MNP弾」としても使えるかも知れないし,と維持していた.

 

 ところが,購入から1年半ほど経過した今年の夏くらいから,急激にバッテリーの持ちが悪くなり,朝,満充電にしていても,夕方帰宅する頃には,ほぼゼロ残量になっているという状況になった.更に秋口には,途中で充電しないと帰宅まで持たないようになり,モバイルバッテリーが手放せなくなってしまった.

 

 これはいかんなあ……と思い,一計を案じる.

 

 実は,この型式を気に入ったので,別の「各種実験用」としてSoftBank版の「A102SH」を端末のみ購入していた.こちらは別の某大手家電量販店(某カメラ)にあるSoftBankショップで一括払.

 そして,現在では特に使うことはなく「予備機」的に温存してあったのだ.

 

 これにSIMを挿し替えて使ってみよう,と思い,各種のアプリなどを移行.

 そして,いざSIMを挿し替えて,APN設定を……というところで固まってしまった.

 

 「このユーザーはアクセスポイント名設定を利用できません」

 

 ……何これ……!?

 

 これはハードル高そうだ.

 

 更に悪いことが判明する.

 元の楽天モバイル版「SH-RM18」を使用していたカバーから取り外して筐体をそのまま手にした時に,妙な「フィット感」を覚えた.

 

 「(これまで気付いていなかったけど)持ちやすいように,丸みを付けていたのか……」

 

と思ったが,実はとんでもないことになっていた.

 筐体の裏側が持ち上がり,側面のバンド部分との間に「隙間」ができているではないか.

 これは,バッテリーが「膨張」しているに違いない.

 そう言えば,カバーに入れている時にも,左側に微妙な隙間があるように感じていたのだが,スマートフォンをカバーにセットする時のために,ゴム製になっている部分が緩んできたのか,と「経年劣化」だろうと思い込んでいた.どうやら筐体が膨らんだことで,カバーも押し拡げられていたらしい.

 

 こりゃいかん.

 このまま使っていたら,いつか爆発するんじゃなかろうか.

 

 そう言えば,思い出したことがある.

 

 かつて2010年から2012年まで,SoftBankの3Gケータイを使っていたことがある.これがSHARP製の端末(840SH)だった.

 導入経緯は,NTTパーソナル時代からのPHS回線が,ドコモPHSの終了に伴う「巻き取り」でdocomoのケータイにしたものの,初期費用は割安でも維持費がかさむ(元々のdocomo回線もシティフォンが終了してmova化していた)ため,MNPでSoftBankへと転出させたもの.ただし,当時主流だった「2年縛り」を待ってdocomoへ再転入するとともにタブレット端末となって今に至る.

 

 このSoftBankケータイは,何度か触れたように,東日本大震災の際に「大活躍」している.

 発災直後に固定電話のみならず携帯電話も輻輳し,メールなども大幅な遅延を起こすなど,通信インフラがほぼ麻痺してしまった.そんな中,真っ先に家族と連絡が付いた時に使ったのはSoftBank回線からの発信だった.たまたま行きがかり上,その時docomo,au,SoftBankのケータイを1台ずつ持っている,という状態だったのだ.

 今思えば,現在ではよくある「デュアルSIMによる複線化」で通信障害に備える……みたいなことを10年以上前から「実践」していたようにも思う.考えてみれば,阪神淡路大震災の時にも,固定電話網が壊滅的な状態になる中,当時まだ普及が進んでいなかった(何しろ「買取制」開始から1年経っていない)携帯電話は,かなりスムースにつながった,ということから「ケータイは災害に強い」というイメージがあった時代だ.

 それでも,未曾有の大災害の中では,ほとんどの人が持つようになってしまった携帯電話では,固定電話と大差なかった,ということなのだろう.

 当時,SoftBankには「プラチナバンド」の割当がなく,「一番つながらないケータイ」というイメージがあったのだが,そのため他2キャリアと較べてシェアが伸び悩んでいたことが,このような異常事態では「強味」(利用者が少ないから輻輳に強い)として発現したということなのかも知れない.

 その後,「プラチナバンド」を獲得し,現在ではシェアでこそ三番手のままではあるものの,「筆者の体感」ではauより繋がる,と思えるほどまでに成長したSoftBankに対しては,今でも敬意を持っている(正直「楽天にSoftBankの爪の垢でも……」と思っている)のだが,利用サービスの中に「SoftBankだけNG」というものがちらほらあるため,あまりご縁がない.

 もう少し細かく言えば,トンネルや地下街ではauのほうがSoftBankよりも強いのだが,山間部や地方都市に行くとSoftBankのほうがauよりも強い,という印象である.田舎で「auだけ繋がらない」とか,地下で「SoftBankだけ入らない」は時々経験するのだが,「docomoだけ入らない」ということがないのは流石である.

 なお,東日本大震災の時には,他にWILLCOMのPHS回線とイー・モバイルの回線があったのだが,当時はいずれもデータ専用だったため,比較対象にはなっていない.

 

 このように「輝かしい経歴」を持つSoftBankケータイだが,MNPで「抜け殻」となってから「APL博物館(という名のジャンク箱)」で保管していたら,ある時その「840SH」が「パンパンに膨らんでいる……」ことに気が付いた.

 当時,携帯電話バッテリーの発火・爆発が問題として取り上げられていた時期でもあり,これもか,と思ったのだが,「現役」時代でなかったのは不幸中の幸いである.メーカーを見ると「やはり」と思う国の会社だったが(本体もB(中国)製である).

 

 そうなると,SHARP製の端末に使用されているバッテリーの異常は,これで二度目だ.そして筆者が体験したのは,この二例だけである.

 正直なところ「またかよ」と思うのだが,購入からすれば1年半ほどで異常を起こしていて,保証期間としては外れてしまう.一方で,今は「主流」の24回払だから,支払が終わっていないという,何とも微妙な時期.

 楽天モバイルでは「保障入ってないんですか?」と言われたが,経験上,落としたり水没させたりすることがまずないので,まさかSHARP製の端末が1年以上2年未満という微妙なタイミング(前述の「840SH」の場合ですら数年経過してから)で自然故障するとは思わなかった.

 こんなのでよく「48回払もできまっせ」と勧めてきたな>楽天モバイル.

 

 まあ,端末自体は気に入っていたので,有償でも(限度はあるけど)修理しようかとは思わなくもないのだが,楽天のショップに行っても「ここでは受け付けられない」としか言われない.

 

 正直,楽天とは元々「他者の商品・サービスを並べて売るだけ」の会社なんだろう.「楽天市場」にしろ「楽天トラベル」にしろ,そういうものだ.売るだけ売って「中味は提供している会社に相談しろ」なのだ.

 楽天モバイルも,MVNOとしての時期はそれでいいのかも知れない.しかし,MNOとなってからもその姿勢が変わっていないから,ここまで苦戦しているのではなかろうか.最早「プラチナバンド」がないから,というのは言い訳にしか聞こえない.

 勿論,筆者が楽天モバイルに対して常に抱いている「とにかく(会社でも自宅でも)繋がらない」という不満や不信感は,プラチナバンドがないから,という理由があることはわかる.しかし,それを補完するための「auローミング」を切り捨てたのは楽天モバイル自身の選択だし,プラチナバンド獲得前のSoftBankでも,ここまで繋がらないということはなかった.

 「楽天」と言えば,以前「社内公用語を英語にする」とかやっていたが,そういう「無理」をすることで「コミュニケーション能力」を失ってしまったのではないか,とまで穿って見てしまう.

 

 バッテリーは,まあ修理できるかも知れないし,データが取り出せないわけでもないから,どうにかするとして.

 

 問題は,普通のやり方では行き詰まってしまうAPN設定だ.

 これは次稿に続くことになる.