携帯電話番号のプリフィックスとしての「040」は,これまで2回登場していて,このカテゴリの中では「030」に続く「古株」であり,その後「030」とともに現在に至るまで「再利用」されずに「欠番」のままである.

 最初に「040」が使用されたのは,それまで「030」に続けて自動車・携帯電話の所在する場所の「都道府県番号」を入力する方式だったものを,160km以上離れているかどうかで「030」と「040」を切替える方式に変更した時からである.

 


 「030」の項でも触れたとおり,この変更は電電公社⇒NTT(ドコモ)以外の事業者が参入したタイミング(1988年)で行われている.
 その後,この160km内外での切替が不要となる1996年8月まで継続した.その間8年ほど使用されたということになる.

 なお,これ以前の1985年(奇しくも電電公社が民営化されてNTTになった年の)12月から,従前の「030」が逼迫して「040-都道府県番号2桁-加入者番号5桁」という指定が可能になったという記事を見付けた.
 ただし,実際にそのようなケースを目にした訳ではないし,1988年の「160km内外での切替方式」となる時に,それ以前に「040」と指定された番号の扱いがどうなったのか不明であるため,ここでは割愛する.


 1988年から1996年までの「040」については,本来「030」として附番されている電話番号の一部を「置き換える」だけのことであり,たとえ「040-##-*****」という番号に架電していたとしても,その相手方の本来の番号は「030-##-*****」であることに変わりはなかった.
 その意味で言えば,「040」で始まる携帯電話番号という表現は,ちょっと違うかな,と感じる.

 本来の意味で「040」から始まる携帯電話番号が使われたのは,「2代目」の「040」が新たな携帯電話番号として指定された1997年10月から,ということになろう.
 ただし,1999年1月からは「11桁化」によって「090-4」へと置き換えられたため,実際に「040」番号の携帯電話として使われた期間は1年余しかない,ということになる.

 過去に遡り,当家の携帯電話回線で「040(2代目)」として契約されたものがないか調べてみたが,流石に残念ながら見付からなかった.あくまでも「030」時代に「一時的に」「040(初代)」として架電しないと繋がらない,というケースが存在したのみのようである.
 なお,2008年から2017年にかけてXYLの回線として「090-4」番号の契約が,かなり長い期間存在した.2017年に「迷惑電話」の被害に遭って「番号変更」することになったため「080-5」となった.また,これにより筆者以外の家族が使用するau回線は全て「080-5」と揃った(そもそも「080-5」は全てauに割当ではある)が,契約時期はバラバラなので偶然である.

 携帯電話番号の中では「歴史」を持っているにもかかわらず,現在は他用途も含めて使用(指定)されていないためか,ちょっと影の薄い番号でもあると思う.