現在,筆者が使用している携帯電話回線(休眠中を除く)は4回線.

 

 前稿でも触れたが,ルーツを辿ると,

 

1 日本移動通信(IDO) 1994年4月~

2 DDIポケット 1995年7月~

3 NTTドコモ 1997年5月~

4 NTTパーソナル 1997年10月~

 

である.今や,NTTドコモ以外は「昔の名前」になってしまったか.

 1と3は,当初「030」で始まる番号で,2と4は「050」から始まる番号だったが,4についてはNTTドコモに吸収された後,PHSサービスの終了に伴い携帯電話に移行して「090-7」で始まる番号に変更.1と3は,1999年の「11桁化」によって「090-3」に,2も「070-5」に変更となったが,2についてはY!mobileのPHSサービスの終了時に携帯電話に引き継がれ,そのままの番号で継続している.

 

 1と3は,携帯電話番号としては「最古参」と言える「030」改め「090-3」であり,特に1は,IDO⇒au関東で最も古い(なのでIDOでも「特番」の頭にもなっていた)「030-54」(現在は「090-354」)で始まる.

 2は,たまたまだが非常に憶えやすい番号で,元々「050-5AB-BBAB」が「070-55AB-BBAB」となったもの.

 4は,何の変哲もない番号で始まったのだが,PHSから携帯電話に移行する際に,希望番号が選べたので,下3桁が「ぞろ目」になっている.

 

 さて,筆者が最初に1の回線を契約したのは,それこそ携帯電話の売り切り制度が始まった当初.

 その頃は,携帯/自動車電話の番号は「030」から始まるものしかなかった.そして,この「030」番号に電話を掛ける際には,160km以上離れていると「040」に変えて掛けなければならなかった.これは,後に「030」が逼迫して「080」ができた当時も,「080」を「090」に変える方式が続いていたが,その次の「010」が登場するまでには解消された.

 更に遡ると,自動車電話くらいしかなかった頃には,「030」の次の2桁が「都道府県番号」になっていて,相手がどこの都道府県にいるかわかっていないと掛けられない,という仕組み.そのため,その頃から自動車電話などを使っていた人の中には,携帯/自動車電話番号を「030-XX-XXXXX」と表記する人もいたし,売り切り制が始まった当初の携帯電話の「外箱」などに,この「030-XX-XXXXX」方式で番号が書かれた「半黒ロム」があったりした.「半黒ロム」とは,契約情報は入っていないが,電話番号だけ入った携帯電話端末のことで,番号も入っていないものは「白ロム」,契約情報も入っている(通話可能な)ものは「黒ロム」と呼ばれる.

 

 「010」も逼迫し,「020」が登場,更に使用休止となっていた「040」も電話の「本番号」として使用開始となり,PHS用とされていた「050」「060」と,11桁化でPHSのプリフィックスとなる予定の「070」を飛ばして,「090」(初代)の割当も始まって,「0X0」を「090-X」(携帯電話)と「070-X」(PHS)に変更する11桁化が実施された.

 その後,11桁化された「090」も逼迫して,「080」が登場.それでも不足しそうになり,PHS用の「070」の一部も携帯電話番号として使用されることとなり,最終的にPHSサービスが終了したことによって,「070」も全て携帯電話番号ということになった.現在では「060」も携帯電話番号として指定されているようだ.

 

 古くから「030」や「050」を使っていた人間からすると,その番号帯が未だに使用されずに空いているのは色々と勘繰ってしまう.

 

 巷では,このような経緯から「090番号を使っているのはオッサンの証」という情報が流れていたりするが,アマチュア無線のコールサインと同様,電話番号にも「再割当」があるので,「JA1やJA6は超OM」という訳でもなくなっている現状と似ているかも知れない.尤も,「JA1」ならば再割当であっても,少なくとも十数年は経っているので(再割当は2003年から2004年にかけてのため),初心者でもないことは確かであるが.

 

 ということで,筆者の現状を改めて見ると,

 

1 日本移動通信(IDO) 1994年4月~ 「030-54」⇒au/KDDI 「090-354」 KYY-08(ガラケー) 【親族用】

2 DDIポケット 1995年7月~ 「050」⇒Y!mobile「070-5」 iPhone SE 【予備機/非常用】

3 NTTドコモ 1997年5月~ 「030」⇒「090-3」 iPhone SE 【一般用】

4 NTTパーソナル 1997年10月~ 「050」⇒NTTドコモ「070-5」⇒「090-7」⇒Softbank⇒NTTドコモ d-42A 【データ端末】

 

ということになる.

 

 携帯電話番号について言えば,どんどん長くなりそうなのでこの辺で切り上げるが,MNPが当たり前になった現在では難しいものの,かつてはキャリアごとに番号帯が割り当てられていたため,番号の頭数桁を見ればキャリアが判った.現在でも,新規はこのルールで附番されるし,MNPをしている人ばかりではないので,ある程度は判別できる可能性がある.