国府津始発10時27分発の5535Mは,沼津から来る2536Mの折り返しらしい.その2536Mの国府津着は,10時21分.
思ったより気温が上がらず,風も強いため,薄着で来てしまった長男は寒そう.何しろ体脂肪率4~5%とかの痩身(決してアスリート体型ではない)なので,厳しそうだ.筆者は寒さには頗る強いので,羽織っていた長袖シャツを貸す(筆者は半袖Tシャツ一枚で大丈夫)ことにしたが,大き過ぎて「風(を受ける面積が広いの)で(長男が)飛んで行ってしまうのでは」と心配になる強風.
御殿場線内は無人駅が多いので,車掌が集札・精算業務に時間を取られ,列車が遅延することが少なくない.そのためか,2536Mは,3分ほど遅れて到着した.
やって来たのは313系3両編成.残念ながら,全てロングシートだった.
御殿場線で使用される313系電車の中には,クロスシートのものも少なからずある筈なのだが,こればかりは仕方ない.次の電車を待ったところで,どんな車両が来るかはわからない.
車内はそこそこ混んでおり,半分ほどの客は立っている状態.途中,松田で乗客の大半が入れ替わったが,混雑は緩和されるどころか,より酷くなった.連休で「山」に出かけるらしき高齢者層の姿が多く見受けられる.

天気はいいので,車窓からは,富士山がよく見える.更に,御殿場に向かうにつれ,距離も近付くので大きく見えるようになる.
途中の谷峨で,6分停車する.
実は,この時刻に対応する上り列車は時刻表上に現れない.
実際には,ここには臨時の特急「ふじさん32号」(御殿場⇒[小田急線経由]⇒新宿)が設定されている.不定期運行の臨時特急で,小田急の時刻表でも「運転日はお問い合わせください」となっているが,どうやらこの日は運転日だったらしい.
程なく,反対側のホームを見慣れた小田急60000形ロマンスカー・MSEが通過.最近,ロマンスカーにはまっている長男が興奮する.
御殿場で,直後の接続列車である2627Mに乗り継ごうとすれば,乗換時間は3分しかないのだが,やはり車掌の集札・精算業務が時間を要しているらしく,徐々に遅延が大きくなっていく.
定刻からの延発は5分を超え,車内では乗換時間を心配する声が聞こえ始めた.が,どうやら電車ではなく,御殿場からのバスの時刻を気にしている人が多そうだ.
この程度の遅延なら,沼津行の2627Mは接続を取ってくれるだろうが,JRとは無関係のバスでは微妙かも.
御殿場に着いたのは,11時30分になろうかという頃.11時30分発のバスがあるらしく,慌ただしく下車する客が多い.
ホームの反対側に停車していた2627Mは,同じく313系のロングシート車だが,大半の客が改札に向かったため,思っていたよりもかなり空いている.
1本遅らせてもいいか,と話していた長男と相談し,そのまま乗り継ぐことに.
御殿場から裾野にかけては,最も富士山に近付くため,普通に座っていても富士山がよく見える.
数分の延着となった5535Mの接続を取った2627Mは,少し遅れを回復し,定刻の12時04分から2分ほど遅れて沼津に到着した.
これで長男は,60.5kmの御殿場線を「完乗」.ずっと気になっていた路線だったようで,御満悦である.
持参していたのは,首都圏を中心に収録している時刻表のため,熱海・沼津間の列車は,全てが載っている訳ではない.
そのため,乗り継げる次の列車は,12時21分発の1444M・熱海行のように見えるのだが,実際には12時13分発の238M・三島行がある.列車番号の桁数が少ないため,ある程度長い距離を走ってくる列車かと思いきや,何と沼津始発.つまり,三島までの1駅間しか運転しない列車なのだった.
またまた313系ロングシートで,ちょっと変わり映えしなさ過ぎるが,そのような運転形態のためか,車内はガラガラ.距離も短いので,長男は先頭の運転席後方の窓の所に立ったまま.普通に座っていても,そんな状態なので,前方展望はよく見えるのだが.
僅か5分で「終点」の三島に到着する.
このまま「復路」に入っていくのなら,三島ではなく,JR東日本エリアになる熱海まで行く列車に乗るべきなのだが,丁度あったとはいえ,三島行に乗ったのには理由がある.
実は,御殿場線の車中で,時刻表を見ながら考えたのは,当初の予定よりもかなり早いペースで順調に乗り継いで来られているので,少し「寄り道」できないか,ということ.
そこで思い付いたのが,伊豆箱根鉄道駿豆線.三島から修善寺まで19.8kmの路線だ.
昨年に長男と,同じ伊豆箱根鉄道の「大雄山線」には乗っているのだが(長男は初乗りだが,筆者は既乗),駿豆線は未乗の筈.というか,筆者も実は,駿豆線に乗った「記録」がない.何となく乗っているような気もしているが,記録がない(JRは民営化以前の国鉄時代からの流れで詳しく記録が残っているが,民鉄は特に昭和時代などかなりいい加減になっている)以上,この際だから「きっちり乗っておこう」という気がした.
駿豆線は,日中もほぼ15分ヘッドで運転されており,往復してもそんなに時間はかからない.
しかも,12時半前に三島まで来たから,修善寺で「昼食」など含めて少々時間を取れば,直通の「踊り子」号でそのまま帰れるのではないか,という算段も浮かんでくる.
同じような車両で単純に往復するよりも,復路は特急という選択肢は,なかなか妙案だと思った.始発の修善寺からなら,5両中2両の自由席でも問題はなさそうだ.






