早朝の新聞配達

日中の郵政バイク


許されるのだ。

あの独特のサウンドだけは。


しかしだ、

マフラーなんぞ変えたカブなど


見えないけど

白い目が方々から注がれているに違いない



3棟先、おおよそ300mを

ボクはエンジンをかけずに引いて行く、いや走って行く。

そこまでゆけば

団地とはいえ

生活圏内から逃れられるからだ。

そこでセルを回し暖気するのだ。

実は少し上り坂。

多少堪える。

しかし、だ

帰りはそれが優位になる。

坂を登って、そこからの件の下り坂になる。

4速までギアを上げて

団地の間の自分の棟の間の道に滑り込むのだ。。

アクセルはボボボボっというくらい。

ふかすよりかは全然マシだ。

階段の前で停めて毎回荷物を往復して下ろすのだ。

あとは駐輪場まで引っ張って行くのみ。

こんな気苦労も実は

向かいの棟の3階に

母の知人が住んでいて

しかも仕事でカブに乗っているので

マフラーを変えていることがバレているのだ。

だから、部屋の出入りも全部把握されて

母にも伝わっているようだ。

それが嫌で

限りなく音が聞こえない場所で

セルを回すのだ。

ボクの病気の性質上

かなりの悪環境だが

ここは割り切っている。

その家の車がないときは近目でセルを回すし

車があれば

その分遠くまで。

今、カブはクランクケースカバーのボルトを治す以外

大きなチューンは計画がない。

外装もピカピカだ。

故、ボロボロのモリワキ。

もう一度、外してのリカバリーは考えられない。

むしろ、部屋にはないけど『床の間』に上げて労を労ってやりたいのだ。

代わりのマフラーが少々値が張るので

気合を入れてお金を貯めないといけない。

吸気系をいじってないので

ノーマルマフラーに戻すのもありだが

今更感も否めない

すでに、『うるさいカブ』とレッテルが貼られているならば

大いに利用すればいい。

団地はそういう生き物だ。

そして手を入れたカブもまたそうやって生きていかねばならないのだ。