発電ユニット一基が停止したロストフ原子力発電所。

 

 

ロシア南部最大の原子力発電所のうちの一基が「不明の原因」による故障により稼働を停止したとこが伝えられています。

 

この発電所は、ロシア南部の 2000万人以上の人々に電力を供給している巨大な発電所ですが、公式な見解では、「夏の暑さによる電力の異常な消費量」によるものだと述べられています。

 

まあしかし、電力の消費量については、ある程度予測できるものだと思うのですが…。

 

なお、この発電所だけではなく、ロシア南部では最近、停電が何度も発生しており、それはクラスノダール地方という場所に集中しています。

 

クラスノダールは、ウクライナに隣接する地域です。

 

クラスノダール地方

Google Map

 

報道では、ウクライナが関与しているとはまったく述べられていないですが、現在のウクライナの戦争は、お互いのインフラへの攻撃が非常に激しくなっていまして、ウクライナのほうも、今年前半に、ロシアの攻撃により非常に多くの発電能力を失っており、以下のように報じられています。

 

ロシアの攻撃の結果、ウクライナは今年、2024年初めの発電能力の半分を失ったとエコノミスト紙が報じた。残るのはほとんどが原子力発電所だが、ロシアはそこを攻撃してはいない。

 

キエフの街路には発電機の騒音が戻り、ウクライナの各都市で停電が発生している。

 

ウクライナの技術者たちは、廃止されたソ連式発電所の設備を求めてヨーロッパを探し回っているが、たとえ既存の発電所を部分的に修復することができたとしても、依然としてロシアにとって格好の標的であることは誰もが理解している。

 

その結果、ウクライナ当局は新たな原子力発電所の建設を計画しており、現地ではガス火力の小型発電所も建設されているが、冬までにウクライナの現在の電力不足を克服するのに十分な量の発電所を建設することは不可能だろう。

 

RT

 

あと 4ヵ月もすれば、ロシアにもウクライナにも、暖房が必須の季節がやってきます。

 

ロシアの発電所の稼働停止についての報道です。

 

 


【ロシア南部最大の原子力発電所で大規模な故障が発生】

Major Failure Occurs At Largest NPP In Southern Russia
charter97.org 2024/07/16

 

ロシア南部のロストフ原子力発電所にある4基の発電ユニットのうち1基が故障のため停止したと、ロシアエネルギー省と国営原子力企業ロスアトムが 7月16日に発表した。

 

 

国営企業ロスアトム社のロストフ原子力発電所(NPP)で大きな故障が発生した。

タービン発電機の故障により、自動化システムが発電所の 1つを停止したとロスアトム社の広報部が、ロシア RIA通信に伝えた。ロスアトム社は、放射線環境は正常であると保証した。

 

しかし、この原子力発電所の故障により、クラスノダールや黒海沿岸の人口密集地域を含むロシア南部で電力供給が途絶え、広範囲で停電が発生している。

 

エネルギー省の発表によると、この地域では 1.5GWの消費制限が導入された。これはエネルギーシステムの安定性を維持するために行われたと同省は明らかにした。復旧作業が進行中。17時までに、制限量は 500メガワット削減された。

 

統一通信局によると、クラスノダールでは 100以上の変電所が故障し、7月16日にはおよそ 100本の道路が停電した

 

主な停電はプリクバンスキー地区とザパドニー地区で発生した。市内では路面電車とトロリーバスが運行を停止。クバンスキー・ノーボスチ通信によると、約 150の信号機が機能していない。携帯電話とインターネットは使えない状態だ。アナパ、ゲレンジク、ノヴォロシースク、マイコプの住民も停電を報告している。

 

ロストフ原子力発電所はヴォルゴドンスク近郊に位置し、4つの発電所から構成されている。この発電所はロシア南部最大の発電所で、その発電量は 4,071メガワットとなる。

 

この施設はロシア国内で発電量トップ 3に数えられ、ロストフ地域の発電量の約 75%を供給し、他の南ロシア地域の送電網に接続されており、人口 2,600万人以上の南部地域と北コーカサス地方に電力を供給している。

 

この原子力発電所の 3番目の発電所は 6月22日に定期メンテナンスのために停止された。発電所 2号機と 4号機は 1,700メガワットで通常通り稼働している。

 

過去 2週間、クラスノダール地方では大規模な停電が観測されている。最大の事故は 7月9日に発生し、クバンの住民 32万5000人が停電に見舞われた。エネルギー省は、原因は「夏の気温のピークによる季節的な消費量の増加」であると主張した。

 

蒸し暑さから逃れるため、人々は一斉にエアコンや扇風機をつけたが、電力網はそのような負荷に耐えられなかった。

 

このため、当局はノヴォロシースクを含む多くの人口密集地域で計画停電を導入した。クラスノダール地方に加え、7月6日にはロストフ州でも同様の措置が取られた。

 

 

 

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