てがみ座の『風紋〜青のはて2017〜』を観に行きました。
長田さんの作品の好きなところの1つ。
歴史の表舞台ではなく、裏の舞台に光を当てる。
今回は国交断絶後も朝鮮半島に取り残された日本人の妻達の物語。
印象に残った点を3点記載します。
(1)祖国民であるアイデンティティ
文化政策により、勝利した国の文化を敗戦国へ強制。
物語ではその光景が描かれていました。
文化とはその国民の国としてのアイデンティティの形成に大きく関わっていると思っています。
昨今、文化って、情操教育とか言って、国は推進する一面もあると思うのですが、
なんかうまく言えないのですが、もっと根深く、幅開く、色々な物事に関わっていると感じています。
今回は朝鮮とは日本とはという問いが投げかけられました。
本公演をみて、文化を大切にしたい。自分自身のアイデンティティ、
関わる方々のアイデンティティを大切にしたいと思いました。
(2)記録に残らなくても誰かの記憶に残りたい
取り残された日本人妻達の言った言葉。
戸籍など記録がなく、日本国として救いの手を差し伸べることができないという状況。
国に見放され、自暴自棄になり、それでもなお、願うこと。
記録に残らなくても誰かの記憶に残りたい。
私は宮本常一が書いた『忘れられた日本人』が好きで度々読み返すのですが、
『名もなきヒト』、歴史の影に隠れた方々の物語がとても大切だと考えています。
てがみ座の長田さんは今回のお芝居でも『名もなきヒト』に焦点を当てている点が、
とても良いな〜と思いました。
結末としてはハッピーエンドではないですが、歴史の背景にこんなに素晴らしい方々が
生きていたという事実があるということ知ること自体が大切なことだと思っています。
(3)歴史を学ぶ
てがみ座の作品全般に関係することですが、
本作品を見ることをきっかけに歴史を学ぶことができるということ。
お芝居を見ている最中は曖昧な感じでも見ていても、
本ブログを書く際に色々と歴史的な背景を確認しながら書いています。
何事も受け身で見ることなく、前向きに見ることを大切にしています。
以上。