てがみ座の『風紋〜青のはて2017〜』を観に行きました。

 

http://tegamiza.net/take19/

 

長田さんの作品の好きなところの1つ。

 

歴史の表舞台ではなく、裏の舞台に光を当てる。

 

今回は国交断絶後も朝鮮半島に取り残された日本人の妻達の物語。

 

印象に残った点を3点記載します。

 

(1)祖国民であるアイデンティティ

 

 文化政策により、勝利した国の文化を敗戦国へ強制。

 

 物語ではその光景が描かれていました。

 

 文化とはその国民の国としてのアイデンティティの形成に大きく関わっていると思っています。

 

 昨今、文化って、情操教育とか言って、国は推進する一面もあると思うのですが、

 なんかうまく言えないのですが、もっと根深く、幅開く、色々な物事に関わっていると感じています。

 

 今回は朝鮮とは日本とはという問いが投げかけられました。

 

 本公演をみて、文化を大切にしたい。自分自身のアイデンティティ、

 関わる方々のアイデンティティを大切にしたいと思いました。

 

(2)記録に残らなくても誰かの記憶に残りたい

 

 取り残された日本人妻達の言った言葉。

 

 戸籍など記録がなく、日本国として救いの手を差し伸べることができないという状況。
 

 国に見放され、自暴自棄になり、それでもなお、願うこと。

 

 記録に残らなくても誰かの記憶に残りたい。

 

 私は宮本常一が書いた『忘れられた日本人』が好きで度々読み返すのですが、

 『名もなきヒト』、歴史の影に隠れた方々の物語がとても大切だと考えています。

 

 てがみ座の長田さんは今回のお芝居でも『名もなきヒト』に焦点を当てている点が、

 とても良いな〜と思いました。

 結末としてはハッピーエンドではないですが、歴史の背景にこんなに素晴らしい方々が

 生きていたという事実があるということ知ること自体が大切なことだと思っています。

 

(3)歴史を学ぶ

 

 てがみ座の作品全般に関係することですが、

 本作品を見ることをきっかけに歴史を学ぶことができるということ。

 お芝居を見ている最中は曖昧な感じでも見ていても、

 本ブログを書く際に色々と歴史的な背景を確認しながら書いています。

 何事も受け身で見ることなく、前向きに見ることを大切にしています。

 

以上。

昨日、青組の『グランパと赤い塔』を観に行きました。

 

http://aogumi.org/top.html

 

青組の作品の好きなところの1つ。

 

通常、家族について描かれていること。

 

青組のお芝居ではいろいろな関係が描かれています。
その中でも家族の描き方、すごい良いなといつも感じています。

 

本お芝居は11月27日(月)まで公開しています。

もしよろしければ足を運んでみてください。

 

印象に残った点を3点記載します。

 

(1)家族の関係性

 

 家族。法律上の家族ではなく、

 もっと広義な意味での家族関係が描かれています。

 受け入れた書生の方も含んだ家族。

 

 青組のお芝居の俳優さん達は本当に家族みたいだと思います。

 

 だからこそ、お芝居も暖かさを感じられるんだなと。

 

 家族って良いなと思えるお芝居です。

  

(2)見えないけど見えるもの

 

 お芝居中に何度も繰り返される言葉

 『何が見える』

 

 この言葉がとても印象に残っています。

 

 物理的に見えるものだけではなく、

 その人自身が心でみる何か。

 

 目に見えないけど、そこにあるその先にある何か。

 

 一人一人の可能性を信じる言葉。

 

 言葉1つで勇気をもらえます。

 

 言葉の力を大切にしたいと思いました。

 

(3)俳優一人一人のその人らしさを大切にする

 

 以前、作・演出の吉田小夏さんのワークショップに参加した際、

 テクニカル&アーティカルに関しての話を聞きました。

 ※過去に私が記載したブログを抜粋

 

 お芝居を見るたびに思います。

 アーティカルなポイントを大切にしている。

 

 個々人をよく見ている。

 

 今回の配役もその人らしさが出ていて良かった。

 

------【過去ブログ抜粋】-------------------------------------------------------------------------------------

テクニカル&アーティカル
 演劇の指導をする上で
 テクニカルとアーティカル
 どちらの面で指導しているか注意しているとのこと。
 指導というより今回に至っては、みんなで注意して行きましょうね
 ということなんだと思います。
 ・テクニカル
  練習&指導によって向上していくもの。
  1人称、2人称、3人称を意識して『イメージの共有』をしていくことが大切。
  この『イメージの共有』って特に集団で作品を作るときには大切なことなんだ
  と思いました。ヒトってわかりあえないことから、コミュニケーションを通じ、
  共有できるポイントを探っていき、関係性を深めていくのかなと思います。
  また、関係性ということもとても大切なキーワードと思いました。
  1人称は自分との関係性を考えるという事。
  2人称は自分と相手との関係性。
  3人称は自分と彼ら・彼女らとの関係性。
  どんどん関係性が遠くになっていくイメージですね。
  どれが良い悪いとかではなく、どれが簡単、難しいというわけでもない。
  この1~3人称を意識することが大切な事なのかなと思いました。

 ・アーティカル
  もって生まれてきたもの。これまでの人生の中で培ってきたもの。
  上記のテクニカル面とは違い、ある意味、その人の個性といってもいいかも。
  例えば、背の高低、声の高低などそれをうまく集団の中でどう活かすのか?
  そういったことを考えながら指導をしていくことが大切。
      また、参加者同士で気づき合うということも大切なことなのかなと。 

 

昨日、てがみ座の『風紋〜青のはて2017〜』を観に行きました。

 

http://tegamiza.net/take18/

 

長田さんの作品の好きなところの1つ。

 

通常、光の当たらないところに光を当てる。

 

今回の作品は作家としての宮沢賢治ではなく、

一人の人間としての宮沢賢治を描いていました。

 

本お芝居は11月19日(日)まで公開しています。

宮沢賢治の意外な一面を見ることができるかもしれません^^

 

印象に残った点を3点記載します。

 

(1)賢治と妹トシの想い

 

 『人を好きになること』の

 まっすぐな気持ちと後ろめたい気持ち

 両方が描かれていたと思います。

 その気持ちの間で葛藤する姿、とても人間らしい姿。

 賢治もトシも聖人のように描かれている書物を観ますが、

 この作品で描かれているのは二人は違いました。

 

 二人を観ていて、心がきゅーっと締め付けられました。

 

 この二人に限らず、この物語は愛の物語だなと思いました。

 人は一人では生きていけない。

 関係性の中で行きているのだなと改めて感じることができました。

 

 「毒もみのすきな署長さん」の作品を思い出しました。

  好きなものは好き。

  正しい正しくないとは関係なしに信念を持った言葉は

  人の心を動かすものです。

 

(2)ここにいる

 

 「ここにいる」こんな言葉が自分の中に浮かんできました。

 

 見えないけどいる。ここにいる。

 

 賢治の作品は「生と死」に触れるものがあると思います。

 

 このお芝居の中でも語られていること。

 

 亡くなった人を想う気持ち。

 亡くなった人を忘れることができない。

 ここにとどまっても良いのではないか思いました。

 

 私はこのお芝居の観ながら亡くなった父のことを思い出していました。

 父は私が妻と入籍したその晩に亡くなりました。

 この嬉しさと悲しさを一度に感じた日、

 この複雑な気持ちはどうにかできるものではなく、

 この複雑なまま受け止めるのが良いのではないかと思いました。

 解決とか癒えるとかではなく、そのままの、自然な気持ちを、自分の中に。

 

 亡くなった人に対して今、何かをしてあげることはできなくても

 今、隣にいる人には何かをしてあげることはできる。

 妻を大切に、家族を大切に、関わる人を大切にしたいと思いました。

 

(3)願う

 

 平和を願う、幸せを願う。

 

 お芝居では弱々しい賢治の姿が描かれていました。

 

 しかし、弱々しいけど、優しさを持った人。

 

 賢治は世界さらには銀河を観ている。

 

 すべての幸せを、平和を願う気持ちをすごいと思いました。

 

 私にできること。

 自分と関わる人の幸せと平和を願いながら

 日々、人と関わっていきたいと思います。

 

以上。