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ミュージカル、や演劇と映画のストーリーの表現方法をフュージョンさせ、舞台やセットの中で役者が演じている周りに生み出される様子や、登場人物がどう次の設定へ持って行かれるかが新しい感覚の映画アンナ・カレーニナはトルストイの最高傑作を原作にした作品だ。
アンナは結婚しておよそ9年間の結婚生活の中で一児をもうけた母であり、政府高官カレーニンの妻でもある。旦那と息子を置いて、兄の元を訪ねるべくモスクワへ向った彼女だが、ヴォロンスキー若き兵役将校との出会いをきっかけに彼と恋に落ちてしまうのだった。
アンナは初め自制心によって彼女自身の気持ちを押さえ込もうとするのだが、
その気持ちもまた押さえ込むことはできず、まるで止まる事を知らない列車のように彼女の
気持ちは加速し続けるのであった。
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19世紀末のロシアでは不倫は犯罪であり、離婚をした女性は再婚することが出来ない。けれども恋は彼女を盲目にし、一度は幸福を味わうものの同時に彼女の下した決断は彼女自身を苦しめるものへと変貌していく。
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↑キティとコンスタンティン

そんな彼女の物語と平行に進んで行くのが、すれ違いのあるキティとコンスタンティンの恋、アンナの兄、スティーバの浮気など他の登場人物達の恋や愛の物語も語られる。
話の細詳までは原作ように語られるわけでもなく、誰が誰かなどと最初から説明されるわけではないため、より理解を深めたいという人は原作を読んだり、粗筋や背景を少し知った上で見た方が楽しめるだろう。
華やかな衣装や豪華なキャストによる素晴らしい演技や振り付け、演出もまた素晴らしいのでぜひ一度見ることを勧めたい映画だ。
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↑この時の映像美といったら!ため息ものです。
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↑ダンスなどで度々出てくる振り付けも素敵。



アンナの夫のカレーニンも彼女のことを愛しているけれども、彼女にはそれが見えないからなのか、燃えるような恋からしか愛を感じることが出来なくなっているかなとも思った。
アンナ以外の登場人物の考え方やアンナ自身の身に起る変化が興味深いのと舞台を利用した演出はもちろん、鏡や列車のイメージの使われ方も注目すると面白いと思う。

私はアンナが彼女の家のベットで[ too late]と言って(「もう遅いわ」かな日本語訳だったら?)
そこからヴォロンスキーとのベットシーンへの移る所がいいと思う!
そのベットシーンというのも踊りみたいに振り付けされているものらしく、そういう所やふたりが抱き合うシーンが美しいなと思いました。