朝5時半、ふっかふかの布団から外に出ると凍えるように寒い。
後で気温を見ると4度くらいまで冷え込んでいたみたいですね。
小走りで露天風呂へ。
体が冷えたときに温泉に入った時の、じわじわと体の内側に熱が染み込んでくる感じが大好きです。
露天風呂から夜が明けていくのをのんびりと眺めていました。
それまで、真っ暗で河も石も森も全てが同化していたのが、じょじょに輪郭を帯びてきて生命が吹き込まれていきます。
あまりに綺麗だったので、のぼせてしまいました。


いつもよりも豪華な朝食を食べて、スタッフの皆様に感謝の言葉を言い、最後のランに出ました。
かなり冷え込むものの、空が高く、絶好の旅日よりです。


玖珠川と共に下ります。
ここら辺からはどこも見覚えのある道ばかりで、とても安心しますね。
日田市を越えると、福岡県朝倉市に入りました。
ゆっくりとゆっくりと噛み締めるようにペダルと踏みます。

途中、朝倉の三連水車を見たり、甘木のキリンビールのコスモス園などに寄りますが、何か風景が身に入ってきません。
最後の寂しさなどさまざまな感情が入り乱れているせいでしょうか。


だんだん家が近づいてきます。
ほんの1週間近く前に寄ったので、懐かしい感じはしませんが、前とは心持がまったく違います。

大宰府市に着いたときに、天満宮によって、旅の無事をお礼参りに行こうとふと思いました。
大宰府天満宮は七五三も相まって大変な混みようでした。
博多弁がそこここで聞かれると自分の街に帰ってきたような気もしましたが、何か違和感を感じます。
なぜなのかはよく分かりません。
ただ、そのように感じたのです。


そして、家に着きました。
感想は、、まだはっきり分かりません。
何日かして消化していきます。


では。


走行距離 88.6km
累積距離 8122.0km
出費 98円
累積出費 119091円

久しぶりの暖かい布団で気持ち良く寝ていたので、ゆっくりと味わいたかったですが、5時に起床。
なぜなら湯布院の朝霧が見たかったためです。
確実に見れるかどうかは分からないですが、まあ、とにかく行ってみましょう。


6時にまだ周りも暗いうちから出発。
県道11号線にて湯布院を目指します。


この道は何度か通ったことがあるため、どれだけ急な勾配かは嫌って程知っております。
ただ、この道を選んだのはなんとなく最後にきつい峠を越えたいという俺のM心のためです。
急な勾配の道をゆっくりとゆっくりと進みます。
タイヤの溝の部分が確認できる程ゆっくりと。
これまで何度も何度も峠越えをしてきて、その度、つらいきつい思いをしてきました。
アクセルを強く踏むだけで簡単に坂を進んでいく車やバイクに何度悪態をついたことか分かりません。
それでも越えるしか先に進むことは出来ません。
そして、先に進むだけでなく、誰がくれるかは分かりませんが、ささやかな時には盛大なご褒美をくれたりします。
今日も、紅葉が始まりかけた由布岳という素晴らしいご褒美がありました。
感謝、感謝。
由布岳
紅葉が少し始まった由布岳です。

一瞬クリムトの絵でも見ているかのようになりました。



2時間とちょっと登った後にようやく湯布院に到着。
物凄い寒い。。
朝も早かったので、店もほとんど開いていなかったので街中を散策。
湯布院は何度も来た事があり、色々な青臭い思い出が詰まったところなので、自転車を漕ぎながら何かこそばゆい思いがしてきます。
店が開きだしたので、お店を冷やかしながら見ていると、どうも、苦しみながら峠を越えていたのを何人かの方に見られていたらしく、何度か声をかけてくれました。


さて、思い出に浸った後に、今日の目的地である天ヶ瀬温泉に向けて出発。
湯布院を過ぎると水分峠が待っているのですが、湯布院自体が標高が高いところにあるので、すぐに峠越え。
後は、ひたすらくだるのみなので、周りの風景をじっくりと見ながら、進んでいきます。


15時ごろには天ヶ瀬温泉に到着。
まずは、本日お世話になる民宿あだちにチェックイン。
すぐさまに温泉に飛び込む。
目の前には玖珠川が見える露天風呂に大満足です。

そして、天ヶ瀬温泉街を散歩します。
天ヶ瀬温泉街は特に何がある訳ではなく、ただ、綺麗な河がとうとうと流れ、その河沿いに旅館や民宿が立ち並ぶのみです。
シーズンではないためであろうか、観光客もまばらで、とても静かです。
その中を、ぼんやりとカメラを持ってふらつきます。
心地いいただそれだけです。

天ヶ瀬温泉

天ヶ瀬温泉です。

玖珠川沿いにひっそりと存在しています。



明日は、いよいよ終結の日です。
どのような思いで福岡の地にたどり着くか、今から楽しみです。


では。


本日の感謝:
由布岳で一緒にカメラを撮ったおじちゃん、湯布院で声援をくれた沢山の方々、民宿おくだのスタッフの皆様


走行距離 74.6km
累積距離 8033.4km(8000Km越え!!)
出費 7405円
累積出費 118993円

11月になりましたね。
皆様風邪などひかれていませんでしょうか?


6時に起床。
まだ夜が明けていなかったので、ぼんやりと川を眺める。
ゆっくりと流れる川を眺めていると、だんだん眠気がしてくる、、が、気合を入れなおして出発。


今日は別府までしか移動しないので、大体20Km程度しか距離は無い。
ということで、あっという間に本日の目的地に到着。

別府は目の前には海、後ろを振り向くと山、街中は古い飲み屋街と温泉と熱海に似た感じの温泉街です。

本日は別府のゲストハウスにお世話になるので、別府をブラブラするのは置いておいて、近くの鉄輪温泉(かんなわおんせん)に行ってみることに。

大きな山が近くにあるということで、海岸から少し内陸の方に向かうとすぐに恐ろしいほどの登り坂が始まります。
まあ、時間もたっぷりあるので、のんびりと登っていると、鉄輪温泉に到着。
あたりは硫黄の香りが立ち込め、見渡すとあちらからもこちらからも用水路からも煙が立ち込めています。
せっかくなので、地獄巡りでもしようかと思ったのですが、意外と高い(全てまわると2000円)のでパス。
硫黄の香りと温泉街の雰囲気だけを楽しんで、鉄輪温泉を後にしました。

鉄輪

鉄輪温泉です。

そこかしこから煙が出ています、温泉って感じです。


一路、別府へ。
まずはゲストハウスにチェックイン。
ドミトリーだったので、2段ベッドの2階を占拠してから早速お風呂へ向かうことへしました。
ゲストハウスの方に尋ねると、近くの竹瓦温泉がいいとの情報を得たので行ってみました。
飲み屋街を抜け、ソープ街(ある意味お風呂ですが、、)も抜けたところに突然、古めかしい建物が。
中に入ってみると、貸切状態!
4日ぶりの風呂、足をぐーんと伸ばしてしばし浮かんだり、大声で熱唱したり貸切温泉を満喫しました。
(今考えると番頭さんに聞かれてたんだろうなぁ)
竹瓦温泉
竹瓦温泉の脱衣所からの光景です。

貸切だったので、勢い余って撮っちゃいました。

なんとも古めかしい良い温泉でした。

別府の町をぶーらぶらしていると、古くからの温泉街の雰囲気が心地よい。
人気はほとんどないのですが、その土地の生活感が直接伝わってきます。
旅に出るとはこういう感じだったよなぁー、と最後にしてみて思い出した感じがします。


明日は一つ峠を越えて天ヶ瀬温泉に向かいます。
最後ということで、贅沢して飯付の民宿に泊まっちゃいます。
んー、温泉三昧。


では。


本日の感謝:
鉄輪温泉で迷っていたら助けてくれたおばあちゃん、色々と別府に関して教えてくれたゲストハウスの方々


走行距離 42.3km
累積距離 7958.8km
出費 1905円
累積出費 111588円


6時に起床。
昨日同じところにテントを張った衣川さんは、グレートジャーニー2(俺の自転車の一つグレードがいいやつ)でテントはモンベルのムーンライト2型(俺のテントの一つグレードがいいやつ)で少し劣等感。
お互いの住所やらを交換して、お互い同じ道でしたが、俺が先に出発。
1と2

ドロップハンドルの方が衣川さんのグレートジャーニー2です。

衣川さんに感化されてロードバイクが欲しいです。

326号線を大分市方面に進む。
結構な坂道を予想して気合を入れていたのですが、谷あいの綺麗に舗装された道を快適に進む。
大分と宮崎

326号線の途中の風景です。

俺は谷沿いの道が一番好きです。


途中、何個か集落があり、7時前後だったので小学生達とすれ違うのですが、見ず知らずしかもこんなに薄汚い俺におはよう御座いますと挨拶をするのですね。
これまで旅をしてきて、このような山間の集落や田舎の方でこうして小学生に挨拶された経験があるのですが、まだまだこれだけ純粋な少年少女が日本にはるのだと凄くうれしくなります。


気合を入れて出発したのに、思いがけず綺麗な風景の道を進めたので、苦にならず大分県に突入(33都道府県目)。
途中、道の駅で九重に行かれるご夫婦と立ち話。
奥さんからみかんを頂き、ありがたく食べました。
ここ3日間でかなりのみかんを食べ気がするなぁ。
ビタミンC過多気味。


その後10号線に入ると、ここも舗装された綺麗な道でスイスイと大分市まで入ることが出来ました。
ここまでで大体90Km。
別府まで進むことも出来たのですが、別府は明日のお楽しみにしておいて、今日は大分市内で野宿することに。実は、明日明後日の宿は既に考えていたので、テントを張っての野宿は今日が恐らく最後になりそう。
大分市内と言うことで、まあ、景色がいいところは期待出来ないにしろ、少しはいい野宿場所を探したい。

と言うことで、市内から数Km東へ移動し、大野川の河川敷まで移動。
川面に写る夕日を眺めていると、当分、野宿することがないことに対して何となく寂しいような思いがしてきます。


明日は別府のゲストハウスに泊まり、別府鉄輪温泉をぐるっと回り、明後日は湯布院から水分峠(最後の大きな峠)を越え天ヶ瀬温泉まで行き、そして、最終日に福岡を目指したいと思います。


では。


本日の感謝:
自転車のことをいろいろと教えてくれた衣川さん、元気な挨拶をしてくれた小学生たち、みかんをくれたご夫婦

走行距離 101.8km
累積距離 7916.5km
出費 492円
累積出費 109683円

4時半頃突然テントが明るくなったのに気がついて目がさめる。
警察かなと思いビクビクテントの中にいたらスルーしてくれました。
後で見てみると、警備会社の人だったみたいです。
だから、都市部近くの公園はいやです。


そのせいで目がさめてしまったので、外は真っ暗だがテントを撤収して、海の音を聞いてぼんやりしていました。
暇になってきたので、真っ暗の中出発。

今日は、宮崎平野部を走るので、楽だとは思っていましたが、想像以上に楽で、しかも、海の側を走ると思いきやちょっと内陸部を走るのでほとんど海を見ることもなく。。
そして、ほとんど観光するところがないときた。。


10号線を走っていると、前から大きな自転車が、、おー、秋田の大潟のキャンプ場で知り合ったチャリダーさんだー。
自転車で阿蘇まで行ってきたとのことで、まったくよくやるなぁ。
セブンで30分ほど話した後にまたどこかでと言い残しお互い別々の道へ。
再会に感謝。


それ以外は今日はほとんど面白いこともなく。
・よくいぬに吠えられた。
・道の駅『日向』でみかんの試食をいっぱいさせてくれた
・スーパーで試食していたら、食べ過ぎと怒られた
(試食し過ぎですね。。)


そんなこんなで、日向市、延岡市を越えて100Kmほど走って道の駅『北川はゆま』へ到着。
のんびりしていると、チャリダーさんが。
衣川さんも日本一周チャリダーさんで沖縄帰りとのこと。
かなり話もはずんで2時間近く話した後に同じ場所に野宿することに。
旅のきっかけとか、今後の話を聞いていると年下なのにしっかりしているなぁと感心。
俺ももうすぐ旅は一旦終結するので、次の目標を明確にしておかないといけないなと思う宮崎最後の日でした。

明日には大分入り。
これからは温泉三昧の予定です。
では。


本日の感謝:
偶然の再会のチャリダーさん、京都からのライダーさん、みかんを沢山試食させてくれた道の駅のおばちゃん、道案内をしてくれたお姉さん、旅の話を楽しく聞かせてくれた衣川さん


走行距離 105.8km
累積距離 7814.7km
出費 1128円
累積出費 109191円