「10年前の私へ」



苦しく辛く、切羽詰まった生活に
働いても働いても
何も残らなかった毎日に
全てを投げ出したかった貴女を
私は知ってるよ。



信じてた人からの裏切りに
心が潰れそうになってた
そんな貴女を知ってるよ。



苦しい毎日を送ってた最中、
父親の死を目の当たりにし
人生が本気で終わったと思ってしまった
貴女を私は知ってるよ。




10年前の私は
ドン底から更にドン底へ
落ちてるはずが更に堕ちて

まわりに「ここまで落ちたら上がるだけだよ」と言われても
深すぎた穴からの脱出は
「上がるだけだよ」が容易ではなかった。


生きる、生きなきゃと
もがき、人には言えない事までも
手を染めて這いつくばってた
貴女を私は知ってるよ。



でも今だから言える。


あの本気で苦しかった経験があるから
今の私が居るの。


だから大丈夫。




10年前の私へ

今はね、
あの頃よりも心が少しばかりか
強くなったのよ。


失ってから暗闇ばかりの目の前が
今は明るくなってるの。




過去には戻れないけれど

10年前の私へ言える事はある。


生き続ける事の素晴らしさを
経験の糧が物語れる事を。


出来事に無駄などない事を。





生き続ける事の大変さは
みんな同じ。

貴女だけじゃないのよ。




勇気や自信がなくてもいいの。


優しい心を大切に出来る
10年前の私が経験した糧なのだから。