随分、間が開いてしまいましたが
以前⇒「ホテルの発祥は?」 を書きました。
今日は、その2を書いておきます。
リッツから遅れること13年後
、アメリカではエルズワース・M・スタットラーが生まれました。
近代ホテル経営のパイオニアと言われています。
この人も13歳の時、米国ウエストバージニア州ホイーリングの
マックルワーハウスのベルボーイとなって初めてこの世界に入ったのです。
彼はリッツの精神である 『お客様は常に正しい』 を学んで
生涯の経営哲学としたのですが
近代ホテルの基礎は
スタットラーの創造によるところが非常に大きいと言われています。
後に「スタットラー式配管法」と呼ばれる、全室バス・トイレ付きの実現
全室電話付き、大きな姿見も備えたり、入口ドアの横に照明のスイッチを付けて
それまでの不便を解消した。
今考えればなんでもない当然のこととしてサービスを受けているそのほとんどが
彼の発想であったといいます。
デトロイトにホテルを建てるとき、彼はヘンリー・フォードと出会い、意気投合します。
それまで、特権階級のものであった自動車を大衆化したフォードの経営方針と
スタットラーの「大衆への奉仕」は一致し
ともに従業員の福祉を大切にした点でも、相通ずるところがあったようです。
その後6つのホテルを建てチェーン化しましたが
それらのホテルもそれぞれに個性を持たせながら、標準化していった点などは、
今日のホテル経営の基本としても素晴らしいものでありました。
彼の死後、夫人のアリスが事業の発展を行い、11件のホテルチェーンにしたのですが
1954年には、コンラッド・ヒルトンに全て売却し
今日スタットラーの名を冠にしたホテルが存在していないのは少し残念な気がします。
しかし彼のモットーは、「人生は奉仕である。向上する人とは、周囲の人たちに
他の人よりわずかでも、より心のこもった奉仕のできる人である」
この言葉が
現在でもコーネル大学ホテル経営学部のスタットラーホールのレリーフに
彫られているそうです。
本日は以上です。