旭化成建材 横浜マンション傾き事件、それとマイホームの耐震性の話 | MBCハウスで建てる鹿児島の家(ブログ)

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家の構造は自分なりにこだわりました。ハウスメーカー選び、家の仕様、家造りの際のトラブル、採用してよかった点、住んでみてからの感想などを正直に書きます。今後みなさんの家造りの参考になれば幸いです。


■ 旭化成建材 横浜マンション傾き事件とマイホームの耐震性の話



大手、旭化成までも
建築業界を揺るがす事件を起こしてしまいました
今回、横浜マンション傾き事件( パークシティLaLa横浜 ) はかなり大きく報道されていますが、実は、姉歯事件(耐震偽装)以降も、住友林業・積水ハウス・三井ホーム・ダイワハウス・日本ハウスHD(旧東日本ハウス)・タマホームなどで建築基準法違反や偽装などの事件が報道されてきました。

大手ハウスメーカーだから安心だということは無いと、つくづく感じます。

旭化成の事件は、 地盤が軟弱でマンションが傾いてしまったことから、たまたま発覚しましたが、 “通常であればこのくらい大丈夫”と、これまでの経験(2014年には累計6000件)からくる慢心が今回の手抜き工事に繋がったものと思います。


日本の住宅は大地震のたびに被害状況を研究し、その後、建築基準法を改正することを繰り返してきました。
その歴史を振り返ると1950年より建築基準法が制定され、耐震性に関しては1981年以降ようやく形となり、その後も耐震性向上の改正が繰り返されています。

つまり、耐震基準もそうですが、住宅の工法は日進月歩で進化しています。
その新しい手法なり、工法の進化に対して根拠から理解しているかどうか、根拠を知らなければ新しい工法の技術的な知識は身についていても、いつか肝心な部分の欠損により旭化成事件のようにマイナスに繋がってしまう可能性もあるのです。

家造りは建築士の設計に始まり、現場監督の管理の元、大工さんの作業によって建てられていきます。
その際、大工さんが新しい工法を根拠から理解しているかどうか、技術もそうですが、何よりもそれが重要だと思います。
現場で断熱材を施工する事も気密性を高めるために丁寧な施工をするのも大工さんです。
いくら素材・材料が良くても施工精度によってはまったく意味をなさないものとなります。

極端な話をすると、なぜ断熱材が必要なのか知らない職人さんが施工するのと、その断熱材の意図を理解している大工さんの施工を比べた場合、言うまでもなく、根拠を理解している大工さんの方が仕上がりが丁寧です。手抜きなどできなくなると思います。
そのためには会社レベルで定期的になぜその方法が良いのかを周知徹底させて欲しいと思うところです。


阪神大震災以降、木造の構造体に金物の取付が義務化されました。
当時ベテランで技術のある大工さんたちにとっては金物なんて無くてもそれ以上に頑丈に建ててきた方もたくさんいたと思います。
しかし、金物の義務化は決して住宅を強固にする目的ではないです。

その本当の意味を知らずに金物を付ける職人さんと、本当の意味「阪神大震災での倒壊は柱や梁などの接続部の引き抜けがあったため(特に土台と柱)、それらが抜けないようにする事と粘り目的の金物である」を理解していれば金物取り付けのミスも減ると思うのです。



私の家を担当してくださっている棟梁は、大工さんの中では若い方なのですが、MBC開発の匠の会に所属し、会社の信頼も厚い大ベテランです。私にとっては彼以上の棟梁はいないのではないかと感じています。彼に聞いたところ、MBC開発は必ず年に複数回勉強会があるとの話でした。そういった流れでグラスウール認定も取得されているようです。


私は現在マイホーム造りを進めていますが、ほとんどの方が私と同じようにマイホーム造りは初めてで、人生に1度だけの経験です。


大手である旭化成の事件の影響で私はまたチェックの大切さを感じているのですが、現場をチェックしようにも、初めてで、工法も多種多様、建築自体が分かりづらい、どこに注目して良いのかかわからないケースが多いと思います。
そういう経緯で、「大手ハウスメーカーだから施工もマニュアル化してあり安心。素材も他社にはない良い物を使っているだろう。」と、期待をして契約される方も多いと思います。

少なくとも、私はそう考えておりましたし、当初は大手ハウスメーカーに絞って選考していました。

マイホーム造りは、大手でも地元ビルダーでもコスト削減や時間短縮、施工の簡略化を理由とした“手抜き”はRC造・鉄骨造・木造と、工法に関わらず可能であるし、超有名な建築会社である旭化成の今回の事件によって、また証明されてしまいました。
横浜マンションの手抜き工事は、大きい事件に発展しましたが、他のハウスメーカー等も小さい手抜きは多々あるのではないかと感じざるをえません。


このような事例を防ぐためにも注文住宅で新築される方は大手ハウスメーカーだろうと小さな地元工務店だろうと関係なく現場に足を運ぶ事が大事だと思います。(チェックする、しないに関わらず現場に足を運ぶことは大切です。)


RC造・鉄骨造・木造の中で「構造の強さ」に関して手抜きがないかチェックしやすいのは鉄骨造・木造です。

もともと、私は“RC造神話”というか、鉄筋コンクリート住宅(RC造)こそ“最強で最高”と考えておりました。
確かに中性化に気をつけてしっかりした配筋に、適切なかぶり厚を確保したRC造であれば耐久性においては1番だと思います。家を建てる場所が川沿いや海沿いだった場合は、私も現場打ちのRC造にしていたかもしれませんが、私の土地は水害はほぼ起こりえない場所だった事と、家造りの勉強をするうちに快適性において、RC造はかなり工夫が必要である事を感じ、その点において有利な木造住宅で建てる決心をして今に至ります。



私の家は耐震等級3の設計ですが、地震大国日本で長持ちする家を考えた時に、何が大事なのでしょうか。
各ハウスメーカーに聞いても当然ながら良いことしか言いません。
鹿児島の建設会社の中には「我が社は柱が太いから地震に強いですよ。
(4寸)と、お客さんを勘違いさせるような説明をされる所もありました。
構造強度はX軸とY軸の二方向にバランスよく配置されたの量と強さで決まる。柱が4寸だろうとほぼ関係ない。)


耐震性で何が大事なのかは、阪神淡路大震災の時に、倒壊した家の原因を知ることで見えてくる事があります。



阪神淡路大震災で倒壊した住宅は
老朽化した家の倒壊もそうですが、新しい住宅でも倒壊しました。(2ヶ月程度の新築でも倒壊したケースもある)
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の資料によると

倒壊の原因は主に4つあるようです。

1.壁量不足
2.壁配置バランス
3.接合部の緊結不足
4.腐朽・シロアリ被害


1.壁量不足  2.配置バランス
は、設計段階で確認できるので、設計士の方に相談することで解決できます。


3.接合部の緊結不足
現在は、金物の設置が義務化されている状況なので大丈夫なのですが、問題はそれのチェックです。
また改めて書きたいと思います。


4.腐朽・シロアリ被害に関しては、さまざまな工法がありますがMBC開発の場合、現在標準仕様ではエコボロンです。エコボロンも長期的な効果も期待でき、良いと思いますが唯一、施工時の雨には注意が必要です。
私はマイトレックACQの加圧注入にしました。一階部分に関わる全ての木材が防腐・防蟻処理の加圧注入となっているので長期的な効果も期待できます。寸法安定剤も添加されているので木材の変形も少ないです。


倒壊の大きな原因がこの4つだったのであれば、これはすべて克服しなければなりません。


次回、マイホームの金物チェックに続きます。



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