ツイてない人  Ryo | J-SLASHのたかがRock'n Roll

ツイてない人  Ryo

じつは先月、とある飲み会に参加してきました。
その時の話を少し。。。


その日は、新橋にある「バドワイザー・カーニバル」と言うお店で飲み会でした。
そのお店は、バドガールのオネィサンがボディコン&もうちょっとでパンツが見えそうなバドワイザーのゴキゲンな衣装で、腰をフリフリ「生グレー!」などと歌い、生グレープを絞りつつカクテルを作ってくれるたりビールを持ってきてくれるんです。


そして仕事に疲れたサラリーマン達が大盛り上がりで一緒に「生グレー!」などと歌うわけです。
皆さん、デレデレとした顔でとても嬉しそうだ!


オレもか?
まぁ、そんな事はどうでもいいのだが。。。



で、そのお店には「ショー・タイム」があって、売れない外人シンガー(黒人のオッサン)が歌うわけです。
しかし、バンドなんて無い。
MDにカラオケを入れてきて、それに合わせて歌うわけです。
ありえないくらいショボイ設備です。


・・・がっ、死ぬほど上手い!!
声は全身から響いている。いや、「出まくっている」と言うレベルである。
昔ともだちに誘われて見た、「チャカ・カーンと一緒に(デュエット?)歌っていたギャビンって黒人シンガー」以来の、とんでもないレベルだ。
しかもステージの運びも本物のプロだ!!

本当に素晴らしいシンガーでした。。。


口で言っても分かってもらえないと思うが、こう言えば分かるでしょう・・・。
「スティービー・ワンダーやマライア・キャリーとどっちが上手ですか?」 と質問されても、オレには答えようがないレベルです。
実際には「差」はあるのかも知れないが、オレには説明がつかない程の高いクオリティーです。


勿論、日本人にあのレベルで歌えるアーティストを見たことは、だたの一度もありません。
外人・・・、いや黒人にしか出せない声のレベルです。



ここで「葛藤」が生まれるわけです。



彼には「もう、どうしたらいいんだ?」と言う感情があるのではないでしょうか?


アメリカのアーティスト連中は、とんでもないレベルです。
でも、彼もそのレベルの歌い手さんなんです。(またはそれに近いレベル)


そうなると、彼自身「自分のどこに売れない原因があるんだろうか? 何故オレは日本のこんな小さな店で歌っているんだ?」と言う疑問が浮かぶでしょう。


勿論、「人との出会い」ってのは売れる為には必要不可欠です。
ひょっとしたら、彼は「人との出会い」に鈍感な人で、素晴らしい出会いを無視してきたのかも知れません。


でも彼の実力は、それを差し引いても余りあるものでした。



結果・・・どうしようも無いと思います。
なぜなら、「たまたま運が悪くて 有力なレコード会社やスポンサーにめぐり会えなかっただけ」なのだろうから。。。


超売れっ子シンガーを抱える、とあるプロダクションの社長が言っていた「芸能界/音楽業界は90%以上は運なのです・・・」って言葉を思い出した。



そう言えば、前述の「ギャビン」も15人ほどしかいない客の前で歌っていたな。。。


彼らを見ていて「運が悪いなー。ツライだろうなー・・・。」などと思うわけです。



J-SLASH Ryo