泡盛学習シリーズの8回目の今日(と次回9回目は)、泡盛を科学的に考察してみよう。
ということで、いつもより専門的で難しい内容になっています。。。![]()
(1)発酵
泡盛製造は並行複発酵、つまり、酵素による醪(もろみ)発酵過程で第1ステージと第2ステージが同時に進行する。
・第1ステージ
糖化。麹菌のもつ酵素(アミラーゼ)によって、デンプンが糖に変化する過程。
化学式:C₆H₁₀O₅(デンプン)+H₂O(水)→C₆H₁₂O₆(ブドウ糖)
・第2ステージ
アルコール発酵。酵母のもつ酵素(チマーゼ)によって、糖がアルコールに変化する過程。
化学式:C₆H₁₂O₆(ブドウ糖)→2C₂H₅OH(エタノール)+2CO₂(二酸化炭素)
(2)微生物
●分類 ・かび ←麹菌も、かびの1種
・酵母
・細菌
●泡盛製造のための微生物
・アワモリ菌・サイトイ菌(黒麹菌)
・泡盛1号酵母

(3)麹菌の役割
①デンプンを糖に変える。
②タンパク質をアミノ酸に分解し、酒の旨み成分をつくる。
③酵母菌に必要な栄養分をつくる。
④クエン酸をつくり雑菌の繁殖を抑える。
(4)酵母菌の役割
①糖分からアルコールをつくる。
②それぞれの酒に独特の香り、味の成分をつくる。
(5)成分 (→次回の泡盛学習9で説明します。)
(6)熟成
蒸留直後の酒は刺激的な匂いと荒々しい味を有するが、熟成中にこれらの欠点が除かれ、まろやかな風味に変化する(←古酒が美味しい理由
)
①熟成の化学的変化
甕上部におけるガス交換(呼吸)による熟成
→泡盛が空気を吸いながら香味成分を変化させ、芳醇な香気(熟成化合物バニリン)を作る。
②熟成の物理的変化
エタノール・水クラスターが形成され、味が丸くなる。