学習シリーズ7回目の本日は、古酒について。
本ブログを読まれている方であれば、いまさら言う必要ないかもしれませんけど、沖縄では「くーす」と呼びます。(「こしゅ」とはあまり言いません。)
(1)定義
・3年以上熟成されたもの。
・「全量を3年以上貯蔵したもの又は仕次ぎ(以下3参照)したものでなければ古酒と表示してはならない。貯蔵年数を表示する場合は、年度未満は切り捨てるものとする。」(『泡盛の表示に関する公正競争規約』に規定されている定義)
(2)特徴
・泡盛の風味の特徴は複雑で独特な香りとコクのある味と言われるが、古酒にすることによって香りの独特さを和らげ、甘い香りと芳醇さが増し、味に丸みと深みが増す。
・昔、尚順男爵(1873-1945)という人が、古酒の香りのことを以下のように表現したことが有名。
「古酒には色々の香りが出るものだが、その標準の香気は3種しかない。第1は白梅香(はくばいこう)かざ(鬢付油の匂い)。第2はトーフナビーかざ(熟れたほおずきの匂い)。第3はウーヒージャーかざ(雄山羊の匂い)。」
(3)仕次ぎ
・古い酒に比較的新しい酒を次々と注ぎ足す手法のこと。古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら、酒を劣化させないようにする。さらに、眠っていた古い酒を活性化させ、熟成を促す効果もあると言う人もいる。
(4)甕質(古酒熟成に適当な甕の条件)
①上薬をかけない清潔な荒焼(「あらやち」と呼ぶ)の甕。南蛮甕が有名。
②金属成分・ミネラル(鉄、マンガン、マグネシウム、カリウムなど)が多く含まれていること。
→アルカリ金属の溶出におるPH上昇、金属成分を中心とした不揮発成分がアルコール-水の相互作用を促進する。
③強く焼き締まり(キーンという金属音やチョコレート色)、気密性が高く、漏れがないこと。
④甕首の長さが4-5㎝の円筒状のもの。
