本日はシリーズ第4回目。泡盛の原料について説明したい。
(1)米
泡盛に使われる主な品種(泡盛好適米)は、インディカ米(長粒米、タイ米)。その特徴は以下のとおり。
①低温での栽培に対して弱い。
②細長く硬質で固まらない(化学的に言えば、「アミロペクチンが低い」。)
→黒麹菌が広くまぶせて麹が作りやすい。
③水を吸いにくく、蒸してもポロポロして通風性があり、麹菌への酸素補給が簡単。
④エネルギー効率が高い(化学的に言えば、「アミロースが多い」。)
⑤泡盛に独特の風味を醸し出す。
(参考1)米の主な品種
①インディカ米(長粒米、タイ米):世界総生産の約80%←泡盛の主原料
②ジャポニカ米(短粒米、日本米):世界総生産の約15%
(参考2)米の成分
炭水化物(でんぷん)70-80%、たんぱく質10%弱
脂質、灰分、ビタミン少々
(参考3)でんぷんの成分による分類
・でんぷん:単糖類のブドウ糖(グルコース)が結合した多糖類
①アミロース:グルコースが直鎖状に結合したもの。
②アミロペクチン:グルコースが枝分かれ状に結合したもの。
・もち米→アミロペクチンのみ(100%)
うるち米→アミロースも含まれる(インディカ米30%、ジャポニカ米20%)
(2)水
麹とともに発酵させる仕込み水は総米重量の160-170%。硬水がよいとされる。
(硬水:主に花崗岩や石灰岩の層を通った水。沖縄の水の特徴。)
(3)黒麹菌 →前回(第3回)で説明済み。
(4)酵母
単細胞微生物。現在多くの酒造所で、泡なし変異体の「泡盛101号酵母」(平成元年、新里酒造により開発)が使用されている。
