シリーズ泡盛学習の第3回目。
1回目で酒全体について、2回目で(泡盛もその仲間の一員である)焼酎について概観したが、いよいよ本記事から泡盛の説明に入っていきたい。
(1)泡盛の定義(←「酒税の保全及び酒類業組合に関する法律施行規則」第11条の5)
米麹(黒麹菌を用いたものに限る)及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を、単式蒸留機により蒸留した酒。
(2)泡盛の基本的な作られ方(←詳しくは次回やります!)
・原料米を蒸した上に黒麹菌を生育させ(米麹)、これに酵母と水を合わせて仕込み、発酵させる。
・発酵過程では、原料米に含まれるでんぷんが黒麹菌の作用により糖に変化し(糖化)、さらに糖は酵母の作用によりアルコールに変化する(アルコール発酵)。
・これを蒸留して原酒を得る。原酒は濾過、割水、貯蔵などの処理を施され製品となる。
(3)泡盛の主な特徴
・アルコール度数:45度以下。
(45度を超えるものは酒税法上「原料用アルコール」として高い税率が課せられる。)
・全麹仕込み
(因みに、「全麹仕込み」の商品は珍しく、その他は八丁味噌くらいしか見当たらない。八丁味噌は、全部大豆で丸麹をつくり、それだけで味噌を仕込むもの。)
・沖縄県のみで生産。
(県内で製品・瓶詰めされたものが、「琉球泡盛」として地理的表示で保護)
(4)黒麹菌
・役割:原料である穀物のでんぷんを糖質に変える。
・3つの特徴
①クエン酸を大量に生成するため、他の麹菌と較べて、PHを下げる効用を有し、醪を強い酸性に保ち、雑菌による腐敗を抑えることができる。(温暖で多湿な沖縄の気候風土に最も適した麹菌とされている。)
②独特の風味。
③アミラーゼ(でんぷん分解酵素)を多く分泌。でんぷんの消化力(糖化力)が強い。
(今日、那覇市役所の前を通ったら、玄関前のシーサーがマスクをしてました。)
