実は、私の焼酎歴はとても浅い。
本格的に飲み始めたのはつい最近だ。
それまでお店で焼酎を買うことはなかったし、居酒屋で注文することもほとんどなかった。
ではなぜ、そうなったのか。
泡盛マイスター試験の「勉強」がきっかけだった。
以前の記事で紹介したように、二次試験(実技)で焼酎のテイスティングが出題される。
芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、黒糖焼酎、蕎麦焼酎、琉球泡盛、清酒の7種類の利き酒である。これが結構難しい。
受験対策の講義のなかで、講師が、この7種類の利き酒は「点取り問題」だから確実に全問正解しないといけないと説明していて、私の周りの受講生もうんうんと頷いていたので、私は焦ったのである。
これまで焼酎をないがしろにしてきたツケが来たと思い、慌てて近くのスーパーに行って、芋焼酎「黒霧島」、麦焼酎「いいちこ」、米焼酎「しろ白岳」を買い込んだのだった。
なお、ほのかな黒糖の甘さとラム・レーズンのような香りをもつ黒糖焼酎、テキーラのような独特の苦い香りの蕎麦焼酎については、自信があったので買わなかった。
その日から毎日、焼酎の利き酒のトレーニング。特に、米焼酎と琉球泡盛の区別が難しい。
この2つは、米が原料で、麹菌の働きによって、単式蒸留で作られる蒸留酒なので、味が近いのも当たり前。
ただ飲み重ねていくうちに、琉球泡盛と較べて、米焼酎は、香りが弱く、酸味も弱い、また余韻もあっさりしていてすぐに香りが切れるという特徴があると感じるようになった。
トレーニングの甲斐もあって、実技試験本番でも、米焼酎、琉球泡盛は正答できたのである。一方で、簡単なはずの蕎麦焼酎を間違えてしまった。油断大敵!
余談だが、米焼酎「しろ白岳」とヘリオス酒造の泡盛「くら」とをこうやって並べると、ラベルの筆字がとても似ている気がする。気のせいか?
トレーニングとして毎日飲んでいたら、そのまま好きになってしまった。よくある話かもしれない。
こうして、泡盛を飲まない夜は、焼酎を飲むことが増えるのであった。

