自社持っている経営資源がいったいどの程度競争優位性上重要なのかを考える上で、非常に有用な概念にVRIO分析がある。


V=Value(価値)


自社の持つ経営資源は顧客価値を生むために必要なものか?


R=Rareness(希少性)


自社の持つ経営資源は希少性があり、誰でもすぐに入手できるものではないか?


I=Imitability(模倣可能性)


自社の持つ経営資源は他社が短期的に真似することが困難かどうか?


O=Organization(組織)


自社の持つ経営資源を最大限に活かすことのできる組織作りができているかどうか?組織として根付いているかどうか?


自社の経営資源(マーケティング力、営業網、研究開発力、製造力)を上記の視点で、点検していくことが経営者にとって重要な課題である。


さらに、忘れてはならないのが、自社だけでなく、顧客に商品・サービスを提供する上で利用している取引業者についても上記をチェックしなければならないことである。


例えば、非常に希少価値のある原料をある一社に依存して商品を作っているとしよう。すると、その原料を提供する能力について取引業者はVRIO分析から見れば、非常に競争優位性が高いということになる。そうすると価値はその業者に吸い取られてしまい、高収益を確立することが困難であろう。


また、商社を利用して販売する場合も、要注意である。商社と最終顧客との人的つながりなどで取引関係が強固であれば、商社から取引をやめるといわれると、太刀打ちできない。従って、その場合、商社はVRIO分析上、極めて強い競争優位性を持つとことになる。その場合も利益は商社にすいとられてしまうので、やはり高収益を確立することが困難であろう。


社内だけでなく社外にも目をむけてVRIO分析を常におこなっていくことが、収益性を維持向上する上で欠かせない視点である。


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