大手情報通信メーカーは、ハードでもソフトでも利益を稼ぐことが困難になり、システムを納めた後の保守メンテナンスが利益源として非常に重要になってきている。ただし、その費用は効果に見合っているかというと非常に疑問であり、割高感を抱いている顧客も多いようである。



実際にそれでは保守メンテナンスを行っている人間はだれかというと、5次、6次の下請け業者である。その人材に支払われた人件費の何倍もの数字を最終顧客が支払っているというのが実態のようである。

そうすると、素朴に思うのは、その利益の「存続性」である。常識的に考えれば、このようなことが続くというのはどう見てもおかしいような気がする。なぜ、そんな状態が維持できるのであろうか?

世の中おかしいな?と思っていたことは遅かれ早かれ、かならず崩壊する。ただ、その時期がいつか、ということが予測できないのが問題である。サブプライム問題も、みんなおかしいとおもっていたが、なかなか崩壊せずに、それに関わっていると儲かるので、おかしいなと思いつつも問題は長い期間持続してしまった。それがバブルを形成し、崩壊すると大きな問題を経済に与えている。

それでは、保守メンテナンスの割高な状態は維持されるのであろうか?仮に、5次、6次の下請けを行っていた業者が力をつけてきて、オープンなシステムであれば十分にメンテナンスができるということになったらどうだろうか?おそらくそうなればオープンなシステムの保守メンテナンスは、そのような業者が契約更改時に営業をかけてくると、切り替わっていくのではないだろうか?

そうなると、現状の割高な状態が維持されるのは、オープンなシステムではない、クローズドのシステムだけとなっていくだろう。すると、大手情報通信メーカーの現状の利益源は、大きく崩されていくことになる。

そのようなシナリオが起きようとしている。弊社が分析・アドバイスしているベンチャー企業は、まさに5次、6次の下請け業者であったが、千名以上のネットワークエンジニアを全国で抱え、レベル的にも高度化しているため、十分にオープンシステムをメンテナンスする実力をもっている。前線のメンテナンスは、ビル特有の配線の事情や、電力、ルーターの状況などをその都度分析して、現場での経験がものを言う世界である。この企業はそういった現場のノウハウを地道に蓄積しており、現場力の質と量で言えば、日本でも有数の実力を付けていったである。

やはり、おかしいな、と思っていたことは、遅かれ早かれ維持されることはないようである。


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