ぱじゃま | 内気なゆう の ブログ
「おねえちゃ~ん!」

「く~おじちゃ~ん!」

「2人ともどこなの~?」

「なによ こしぶ…」

「おっきな声出して…」
「煩いわね!」
「近所迷惑じゃない!」

「あ おねえちゃん…」
「く~おじちゃんは?」

「知らないよ!」

「朝から…」
「顔見てないし…」

「どこかその辺…」
「徘徊してるんじゃないの?」

「こしぶ…」
「く~に何の用事なの?」

「別に用事じゃないよ!」

「2人の姿が見えないから…」
「ちょっと心配で…」

「こしぶちゃん…」

「ボクここにいるけど!」

「あ く~おじちゃん!」

「何だ…」
「2人ともいたんだね…」

「うん…」
「いたけど…」

「いればいいの!」

「ちょっと…」
「なによ…」
「その偉そうな言い方!」

「そうだよ」
「何も用事ないんだったら…」

「そんなおっきな声で…」
「呼ばないでよね!」

「こしぶちゃんて…」
「体は小さいけど…」
「声は人より大きいんだから!」

「そうだよ こしぶ!」

「それに…」

「いつまでパジャマ着てるの?」
「とっくにお昼過ぎたよ!」

「これパジャマじゃないもん!」
「ぷんぷん!」

「最新のファッションだよ!」

「知らないなんて…」
「2人とも時代遅れだよ!」

「そうかな…」

「どう見たって…」

「寝起きのパジャマ姿にしか…」

「そうだよ こしぶ!」

「早く着替えなさい!」

「ところで…く~ちゃん…」

「今まで…」
「どこに行ってたの?」

「近所を…」
「徘徊してたの?」

「おしぶ…」
「ぼく惚け老人じゃないんだし…」
「徘徊なんてしてないよ!」

「そうだよ!」

「く~おじちゃんが…」
「徘徊するわけないじゃん!」

「確かに…」
「まだ惚けの症状は…」
「出てないみたいね!」

「く~ちゃん…」
「1+1は?」

「5!」

「大変だ!」
「やっぱり始まってた!」

「大変大変!」
「どこか良い施設探さないと!」

「おしぶ…」
「冗談に決まってるじゃないか!」

「1+1=2」
「わざと惚けたのさ!」

「そんなの分かってました!」

「く~のつまらないボケに…」
「乗ってあげたのよ!」

「おしぶ…」

「つまらないだけ…」
「余計だよ!」

「だって…」
「つまらないんだもん!」

「はいはい…」
「そうですよ…」
「全てぼくが悪いんです!」

渥美清 「遠くへ行きたい」


