相変わらず 症状は変わらず 眠らせてほしいと投与が始まってからは コンコンと眠り続けた。

これだけ良く眠れたら、目覚めたら良くなってるはず…

期待は見事に裏切られ 病状は変わらなかった。

変わる変わる様子を見に来た医師がポツリと言った「幻覚症状が出てる時は発作は大人しくしてるんだね」確かに、発作は出ていない。

幻覚症状があるので、暴れたりしたら これで拘束させてもらいます。(腰までベルトのある両肩シートベルトのような拘束バンド、これを柵の高いベットの外側に座らせた状態で拘束するという)他の患者さんに危害を加えるような事があると、取り返しつかないので…

同意書を渡されてサインした。

世間は年末…31日の深夜 ハッと目覚めると
高い柵を乗り越えようと足を掛けてる娘
ダメ!危ない!!
と立ち上がったが間に合わず
2人で倒れて 私はガツンと頭を打った。
部屋を飛び出ようとする娘の背中の服を掴んで
また2人で倒れた込んだ
(ダメだ!他の患者さんにに飛びかかってしまう)

娘を必死に掴んで、ナースコールも押せない私は
「すみません!!誰か助けて下さい!!!」と大声を出した。

もっと大声で「誰かー!!」「誰か来て下さーい!!」

やっと当直の看護師が来て
男性看護師も呼んでくれて 娘を抑えてくれた

もぅ これ使わせてもらいますね。

「お願いします…」

動きを拘束された娘はパニックになり 余計暴れてしまう。呂律が回らなくて 何を言っているか分からない…しばらくして落ち着かせてやっと落ち着いた。
眠り出した娘を見ながら
私も座りながらウトウトしてしまった
そんな中 鼻を突く臭いが漂ってきた…
ハッと我に返り
あぁ… やってしまったか…
眠りながら 娘がしてしまった

(ここから汚い話しでスミマセン)

しかも ゆるい方で大量に…どうしたものか?
ナースコールを押した 
さっきの騒ぎで
凄い臭いの部屋に
数人駆けつけてきてくれて 「違うんです、この臭い」…と説明した。
ビニール手袋とゴミ袋を数枚渡されて看護師さんは出ていった。
この部屋には簡易トイレしか無い、どうしよう…
流せない。とにかく脱がせて 床にこぼさないように必死だった。

ビニール袋に脱がせた衣類と汚物、部屋に臭いが充満して、良く考えたらトイレで洗うわけにも行かず、捨てられず、汚物を処理できないか聞くと地下に有料の洗濯機があると言う。なんとか着替えさせた娘を見ていて下さいと頼んで

コレを、どうにかしなければと小銭とソレ持って洗濯機のある地下にどうにか辿りついた。

年末の31日深夜 真っ暗で非常口の緑のライトがボワっと浮かびあがっているだけ、暖房もついていない真っ暗闇 寒くて震えた。
何処かに電気がないか 手探りで壁つたいいに歩いた。あった!付けたら…そこは 霊安室 の前だった。
ゾッ。一瞬恐い気がしたけれど

コレをなんとかしなければ…
見える所にあるスイッチを押し、なるべく明るくした
あ、すぐソコは外なんだ、寒いわけだ。
上着も着ないで来てしまった。寒すぎて歯がガチガチしてきた。

やっとコイン洗濯機を見つけて いざ洗おうと思ったけれど、汚物まみれの洗濯なんかしたら、他の患者さんが使えなくなってしまう。ダメだ。
どうしよ。ズボンや下着から汚物を取り除ければ、衣類は捨てられるのに…
目に止まったのが、洗濯機の横にあったモップ洗いの深い流し。
モップをどけて 蛇口をひねり 衣類に大量に付いてる汚物を流した。もぅ、そうするしかなかった。

もうすぐ元旦
私は何をやってるのだろう…
時計を見たら3時45分だった。