The first floor in underground -4ページ目

逆ナン

長くクラブで働いてると、逆ナンされることがあるんだけど、ある時、変なやつがいたから紹介しよう。

水曜日の客で、20代後半の普通の女だった。

そいつは女一人でクラブにきてたのだ。

水曜は客なんかいないからずっとタイマンでバーで接客してた。

有名な保険会社で働いていて、そいつに下ネタを振ったら、オナニーばっかりしてると顔を真っ赤にして答えた。

ある日、元カレに俺を会わせたいからバイト終わってからついてきてって言われた。
ナンデ?
あれ?こいつヤバイなって思って、それから距離をとったんだ。

俺は明らかに避けてたんだけど、そいつは怯まなかった。

週末まで登場したのだ。

当時の週末、俺はフロントマンをやってて、入口のドアを開けたらそいつが現れて、ウワッて思ったけど、仕事だから仕方なく中に案内した。

お金を受け取って、ドリンクチケットを渡して次の客を案内しようとしたら、その女がビニール袋と手紙を渡してきた。

手紙には、
『今日仕事終わった後、会える?YES NO』
と、丸を書いて返信する書式。
また、ビニール袋の中身は銀紙に包まれた手づくりのおにぎりだった。

完全に意味がわからん。

すぐにタイムカード横のゴミ箱に捨てた。

変な女だった。

JーMAXウェイター久世耕介

容姿はロナウジーニョにそっくり。
強烈なインパクト!

最終的にはJのチーフになった。

彼は俺の後輩で二歳年上だった。

入社して彼と話して分かった事があった。
彼は、ビックマウスだということだ。

その内容を紹介しよう。
『久世ちゃんは今まで何人くらいとやったの?』
『え~、二、三百人くらいかなぁ。』

当時彼は24歳だったはず。
…まず、200人と300人では全然違うし、50人以上やってるやつは分かると思うけど、200人オーバーは不可能に近い。
もしやってたとしても、そいつはちょっとした有名人になってるはずた。
初めて久世に会ったときの感想は『コジキみたい。』だった。

もぅ一つ、ビックマウスの内容を紹介しよう。
『久世ちゃん、スポーツやってたの?』
『名電で野球やってたよ。ピッチャーやってて、甲子園に行ったよ。最終的にはドラフトにかかったからね!』

…体は細い。
てか、ドラフトかかったら、入団しよ!

まー、そういう虚言癖があったけど仕事自体は真面目にやってくれた。

Jの仕事はインカムを使うんだけど、フロアでは音楽が爆音で流れているため、全く聞き取れない。
あけさんがDJブースからインカムで指示を出す。
何言ってるか分からないから放置する。
またあけさん叫ぶ。
仕方ないからあけさんに直接聞きに行こうとしたら、久世が指示された事をしている。
衝撃だった。
彼の耳は爆音の中インカムを聞き取るのだ。
雑用とか他の仕事もがんばってたようにみえた。


しかしそんな彼にも問題があった。

仕事に対する姿勢がまわりのウェイターと違ったのだ。

みんなはバイトだし、楽しみたい。
久世は仕事だから真面目にやろうぜ。
という感じだった。

だから、周りからはちょっと浮いちゃって、いうことあまり聞かない事があったりした。

その状況について、役職者だった、ヒサドメさんと藤原と俺で話し合った。

『久世に役職を与えましょうよ。そしたらみんなも久世のいうことに従ってくれるんじゃないんですかね?』

俺は楽しみたいだけだったし、インカム聞こえねーし、業務を彼にやってもらえばバーに入れたから、俺は久世をゴリ押しした。

そして、久世は役職を与えられた。

そして、俺がいい加減に働いてても大丈夫な環境になり、楽しむ事に集中できた。

彼には俺にない冷酷さがあった。
酷いなーって思いながら、ありがとうって感じだった。
振り返ると当たり前の事を言ってただけだったような気がする。
みんな若かったし、バイトだったから、そんなんいわれても知らんわって感じだったけど、彼がいなかったらただの無法者の集まりと化してたとおもう。



追記

ひろきが彼の家に行った時、モップが動いたと思ったら久世の愛猫だったらしい。

そんなひろきが久世に言われた迷言。

『松井ー、またビューンって飛んじゃえば?!』

まさとについてよく久世が言ってた言葉。

『鈴木は仕事終わってから元気になるよなー。』

ウェイターから100回以上真似された久世の口癖。
『点呼ぉー』

また、彼は自転車でJまで通っていた。
一度だけマジェスタに乗ってきた。
次の日からまた自転車だった。

不思議な人だった。

JーMAXウェイター 登尾ヒロオミ

通称『のぼる』

俺が名付け親。
実は、ひろおみ。
ほとんどの人は知らない。

のぼるはゴールデンエイジで1番年下だ。

ある日、クラブでグデングデンに酔っ払ったJメンバーでらーめん横綱に行くことになった。

その日は雪が降りそうなぐらい寒い日だった。

車で横綱まで移動する途中でのぼるが飲みすぎで吐きそうだと言った。
清水口の駅付近での事だった。
車を停め、のぼるは路上でゲロを吐き、その場に倒れ込んだ。
なかなか立ち上がれない。

その様子をみて、俺は言った。

『みんな、とりあえず、横綱行こう。』

寒空の下、夜中の清水口にのぼるを残して、俺達はらーめん横綱に向かった。

らーめんを食べた。
酒飲んだあとは格別に旨い。

満足して帰る。

帰り道、清水口付近の道端で人が倒れてる。

のぼるだ!

大丈夫か?!
体が冷たい。
でも生きてる。
オッケー!

今となっては懐かしい思い出。

あと、のぼると言えば、ほっこりでの出来事は外せない。

Jメンバーでコンパしてたんだけど、そこにのぼるもいた。

俺達と飲むとき、のぼるは1番年下だから、少し控え目に過ごすタイプ。

その日もまさとのタケノコニョッキでみんなベロベロになった。
飲み過ぎでゆかが横たわってしまった。
のぼるがゆかを起こそうとして、後ろから抱き抱えるように一気に持ち上げた。



ポロン




なんと、ゆかのオッパイが居酒屋の一室で披露されたのだ!

あまりにいきなりの出来事で、
『オッパイでてるよ。』
と伝えるのが精一杯だった。

いきなりポロリだと興奮しないね。

その後、気分が悪くなったゆかをのぼるはトイレに連れて行って介抱した。

帰って来ると二人の様子がおかしい。
ゆかが怒ってて、のぼるが気まずそうだった。

なにがあったんだ?

話を聞くと…

トイレで介抱してるときに、ちんこだして
『しゃぶれ!』
って言ったらしい。

居酒屋のトイレで。
いつもは控え目なのに。

のぼるはそういうギャップを持つ男だ。