こんにちは。

 

いよいよ『佐々木、イン、マイマイン』レビュー、最終回です。

今回もネタバレありです。

 

 

 

 

 

 

まずは僕の理解があっているかの確認からさせてください笑

佐々木の父親の死に関して、その死因は詳しく描かれていませんが、

これは病気(がん)による死でしょうか。

悠二が稽古に励む舞台「ロング・グッドバイ」と佐々木との思い出が重なるように

物語が進んでいきますが、この舞台で主人公の父親は病死しています。

舞台でこの話に入ったところで、佐々木の父の死に関する回想が始まった気がします。

ここはぴったり重なっているのでしょうか。

素朴な疑問でした。

 

 

最後のレビューなので、僕がこの映画で一番惹かれたところ、

藤原季節さんの演技についてもう少しだけ語りたいと思います。

 

本編中、一番「この演技すごい!」と思ったのは赤ん坊を抱いて涙を流すシーンなのですが、

葬式の日に線路沿いを駆けるシーンでも圧倒されました。

「ロング・グッドバイ」のセリフを叫びながらがむしゃらに駆けるなんて、

普通だったらクサすぎて笑ってしまいそうなものですが、

藤原さんが演じると驚くほど自然で、そしてとびきりかっこいい。

あの魅せ方は他の役者さんの演技でも僕はまだ見たことがないです。

 

 

そして鑑賞後に知った驚きの事実。

死んだ佐々木の横に座ってタバコを吸うシーン、あれ、アドリブらしいですよ

ポスタービジュアルにも使われている印象的なシーンで、

初めてそのシーンを観たときも、「なんと素晴らしい!」と思いましたが、

あれがアドリブだったなんて。藤原さんのその感性、すご。

 

このシーン、タバコを吸いながら一言静かに「佐々木。」とつぶやくのも良いですよね。

まだ佐々木の死を受け入れられず、試しに名前を呼んで確認してみた。

観ているこちらも、佐々木のことだから「実は生きてます!なに悲しい顔してんのさ!」って

起きるんじゃないかと思っちゃいます。

その疑念を抱いたままの最後のシーン。

「本当は死んでいないんじゃないか」という疑念と言うか希望と言うか、その気持ちが、

霊柩車から飛び出してきた「動いている佐々木」を見て

「ああ、やっぱり本当に死んでしまったんだ」という確信に変わるというのも不思議ですね。

 

 

 

監督の手腕や役者さんの演技、何から何まで素晴らしい『佐々木、イン、マイマイン』。

僕の中で邦画ナンバーワン作品です。

より多くの人に観てもらいたい、心の底からそう思います。

 

(C)映画「佐々木、イン、マイマイン」