こんにちは。

 

前回はこの映画の「笑い」について書きました。

今回は「性別」について、とりわけ「男女の差」について語ろうと思います。

 

ビリーがバレエを習うことに、父親は反対しています。その理由は「男だから」。

「男はバレエなんかしない」

「男はサッカーやボクシング、レスリングをする」

父が並べる口上を訝しげに聞くビリー。

理解できない!」と感情を爆発させて家を飛び出す!

ここでかかるのがT.Rexの「Children of Revolution」。

まさに革命児、男がなんだ女がなんだと決めつける古めかしい考えを

塗り替えてやろう、革命の始まりだ!

 

性別に関するイギリス映画の定番といえば、「ホモ」。

ビリーが親友のマイケルの家を訪ねると、彼は姉のドレスを着てお出迎え。

困惑しながらも家に入ると、マイケルは他のドレスをあさったり、

口紅を塗ったり、しまいには「お前も着るか?」なんてビリーに聞いてくる始末。

ビリーは「着ないよ。正気か?」と答えつつも、別にマイケルを遠ざけるでもない。

「ん?なんだろう、初めて見るタイプの人だなあ」くらいに受け止める。

この純粋さが優しいのです。

 

「ホモ」はイギリス映画にほんとによく出てくる。

宗教的な歴史が背景にはあると思うのですが、

これを題材に壮大な愛の物語を描いたのが『モーリス』。

これを見れば、何となくでも彼らへの理解を深めることができるのではないでしょうか。

 

私は今の社会にはびこる差別は、

違いを理解し、受け入れることで徐々に無くなっていくと思っています

学生時代に友人からゲイであることをカミングアウトされたことがあるのですが、

だからと言って疎遠になるわけではなく、彼の恋愛対象は男性で、

僕の恋愛対象は女性であるというだけ。それ以上でもそれ以下でもないです。

今でも彼とは仲が良いし、恋愛の相談も受けます。

 

そりゃ筋力や身長体重は男女で違うので、

そういう点で差が生じることは仕方ないと思います。

重い荷物を持ち上げるときは華奢な女性よりも

筋力のある男性が持ち上げた方が都合が良い。

でもそれも平均的な差であって、その場に筋力のある人がいれば、

それは男女どちらでも構わないわけで。

 

 

マイケルに対するビリーの態度のような、子供の純真さこそ、

今後無駄な差別がなくなる社会を実現するために必要なのではないでしょうか。

大人たちも、子供から学ぶことがたくさんありますね。