英霊たちの応援歌/最後の早慶戦 ★★★ | エリア54

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2016年鑑賞 AREA 98本目

英霊たちの応援歌/最後の早慶戦

製  作 年:1979年日本
日本公開:1979年11月3日
上映時間:127分
公式サイト:
BS-7

昭和18年春、文部省は六大学野球連盟の解散を厳命する。この知らせに早慶両校の部員は「もう一度早慶戦をやりたい」と願う。早稲田実業からバッテリーを組んで来た三上哲男と秋山信吾(永島敏行)もその一人だ。数数の困難を乗り込え、試合は10月16日に開かれた。

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映画一言
~死に悩まない早慶特攻員

「日本のいちばん長い日」など戦争批判を続けてきた岡本喜八監督。
先日見た、やくざ野球「ダイナマイトどんどん!」でもある岡本喜八。

志願したり、徴兵された大学生達が特攻隊に組み入れられ、若者達は明るく陽気で、上官の精神注入棒のしごきにも耐えゼロ戦で飛び立っていく。
本作では死について悩むや悲壮感がほとんど見られない。

主人公の永島敏行は高校野球選手だった経歴があり、キャッチャー役を吹き替えなしで自らこなしていた。野球のシーンはほとんどない。早慶戦に絡んだ学生たちが戦争に駆り出されていく元気な様。


買いだめしていたボールを戦後になって見つけるエピソードを、もっとドラマチックにすれば感動も増したが、早慶戦も野球も描きが薄いのであまり活きなかったかな。 戦争終わったら早慶戦をやろう!というメッセージもなかった。。。

永島の機体が被弾して「どんまい!どんまい!ただのファイルチップ!」と野球台詞になる点は、ププっと笑ってしまうが、特攻を悲劇に描くというよりは、とにかく明るい若者像を描いていた。


特攻は敵艦隊突入に際し単独戦闘機、電信キー(モール信号)を右肘で押し付け、前もって決められた個別識別単独符号を発し、司令部はその個別電信を傍受しており、その信号が途切れた時点でパイロットは戦死と判断。
信号が長ければながいほど戦果が挙げられたという結果報告になる。

そんな大事なことを端折った『永遠の0(ゼロ)』に比べたら、
本作のほうが特攻について丁寧に向きあって描いていたかも。
電信室に響く、命の叫びに聴こえるモール信号音がなんとも虚しいシーンでした。 そんなシーンを見れただけも本作は良し

特攻の中には、ただ元気に明るく出撃した学生もいたかも知れない。
靖国神社の遊就館で展示されている英霊たちの顔をみるたびに、この命の積み重ねが今日の平和の礎になっていることが実感する。
自分も好きな野球を続けているが、戦争によって野球ができなくなった彼らの前世と思えば幸せでもある。

英霊たちに合掌。

デビュー当時の役所広司がいました。

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試合シーンはほとんどない。
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色っぽい大谷直子
(ベッキーに似てる?)
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ポスターアート
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最後の早慶戦

いい映画度AREA ★★★
オススメ鑑賞時間帯 10:00~24:00