腕がハンパなくプルプルしている。動かしたいのに全く動かない。
「あと970回残っていますよ!」
腕立て伏せって1000回もできるんですか!?
私の目がそう訴えていたのだろう。霧島先輩は他の部員達を指差して「田中さん以外はもう終わっています」と言った。
サバイバル部はやはり騎士団所属のヴァンパイアだけで構成されたいた。全員女子で先輩ばかり。
しかもその先輩達は格付け超上位の皆様でした。それぞれ個性的で、別に悔しくないけど当たり前のように美少女揃い。さすが超上位陣は違うね。
いっそのこと「美女子サバイバル部」に部名変更したらどうですか?
あ、私が入ったから美女子は無理か…。
自分が通う学校にヴァンパイアが5人もいた事実はもちろん驚きだけど、思いっきり超上位独占されてるのにもビックリ…。頑張れ人間!
そいじゃあ、腕力の回復を待つ間に2年生の3人を身長順に紹介します。
二階堂マリナさんはベリーショートヘアに左下がりアシメ前髪が特徴のボーイッシュなミニマムパンクガール。私よりも頭1つ小さいです。ブラックハイライト系のメイクが色白の肌にメッチャ似合ってます。てか、肌がヤバ綺麗!
二階堂レイナさんはマリナさんの双子の妹で、2つお団子ヘアに右下がりアシメ前髪。マリナさんよりちょっとだけ背が高いレゲエガール。ゴールドアクセが映える色黒さん。ヘソピって痛くないんすかね?
井伊知子さんはふわふわ不思議系のグラマラスボディさん。はち切れる寸前と思われる乳の持ち主です。ツインテールは絶対狙っていると思う。なぜか1人だけピンクのジャージを着てます。学校指定のジャージってネイビーじゃないっけ?
「み、皆さんは…黒毛…種…ですよね?」
話しながら、なんとか31回目の腕立て伏せを消化した。霧島先輩は「ふむ、それもそうですね」と、腕立て伏せの回数を100回にオマケしてくれた。オマケしてもらった気がしないけど…。
あと69回やる間に3年生を紹介します。
部長の霧島リカさんは説明不要の完璧美少女。群れ系アイドルが全員束になっても敵わない。街を歩くと通りすぎた車が事故る、との都市伝説を生み出した女。水泳の授業がなくなったのは彼女の水着姿見たさに10万人押し寄せたから、と言う強烈な都市伝説も持っている。
副部長の神河リオンさんは口数の少ないミステリアスさんで、長身・スレンダーのモデル系ハイスペックガール。日本人離れした顔立ちに緩くウェーブするショートヘアがヤバ似合ってる!確かご両親のどちらかがブルガリア人だったと思う。だけど、誰よりも早く腕立て1000回を終わらせた謎多き女。
「お”わ”っだー!も、もぅ無理です。今日は帰ります。お疲れ様でしたー!…うわっ!うわわ!」
腕がパンパンなのでシャクトリムシのようにズルズルと逃げようとしたら、霧島先輩に服を掴まれて軽々と持ち上げられてしまった。
クールビューティ恐るべし!新しい都市伝説誕生の予感。
「まだ何もしていないでしょう。」
先輩はそのまま私を顔の高さまで持ち上げると、呆れ顔で覗き込んできた。
「これから田中さんのテストをします。リオン、相手をしてあげて!」
「承知した…。」
出ました!ハイスペック神河さん!外見ですでに負けている。
指名された神河さんは、ガチバトルするつもりなんじゃないかと心配になる速度でパンチやキックの素振りを始めた。
へー、女の子が「軽く」手足を動かしても、ゴォ!って風切り音がするものなんですねー。