アルジェリアの凄惨な事件は最悪の結末になってしまいました…
異国で尊い命を奪われた方々に、心からご冥福をお祈りします。
アフリカは天然ガスや石油に限らず地球資源の宝庫
それは宝石にとっても言えるでしょう。
現在も掃討作戦中のマリ共和国でも
1994年には特有の美しいガーネットが見つかり話題になりました。
グロッシュラーとアンドラダイトの混合種で
美しい煌めきとファイア(分散光)を持つライムグリーンの
稀少で美麗なファンシーカラーガーネットでした。
そして有名なのがタンザニア・メレラニ鉱山の【タンザナイト】
日本でも人気が高く、価格の乱高下も激しい話題の宝石です。
昨年10月に原石を買付けに行ったバイヤーから最新情報を伺いました。
現在鉱山はA~Dの4つのブロックに分かれていて
A/B/Dは小規模で非公式なもの
最大規模のC鉱区は政府公認の企業が運営し
設備もダイヤモンド鉱山のアイデアを参考にした新しいもの。
当然セキュリティーも万全で、工程途中では原石に触れることも不可能とか。
鉱山内部は横穴が掘られ、空気や水などのライフラインも確保されていて
現地の鉱夫達は地上にいるより、水と食料がある分地下鉱山の方が快適とのこと。
現在は地下900mくらいまで掘り進めて、土嚢のような袋に詰めたものを
手作業で地上に上げています。
政府は国内雇用促進のため、原石で1g以上のものは
そのまま海外へ輸出する事を禁止しているそうです。
必ず併設の研磨工場にてラフカットを施してからの取引が原則。
でも最終仕上げは、タイやインドで行っている現状を見ると
強引に国内雇用を創出している状況も伺えます。
1g以下の原石はそのまま取引可能~小さい石を研磨する技術が無く
全部無くなるまで削ってしまうから…とか(笑)
宝石が国内の雇用を生むのは素晴らしいことだと思いますが
前述の非公式鉱山では、個々の利益優先のため
原石の大きさに関わらず、ナイロビ経由でそのまま輸出されているのも事実とか。
(違法ですので見つかれば当然逮捕されます)
タンザナイトはピーク時と比べてもかなり価格が下がっています。
正規ルート以外の物や還流品も市場に出回っていて
同様の品質でも価格は倍以上違うものもあります。
綺麗なものが安く買えるのはうれしい事ですが
その宝石にある背景やストーリーを少し考えるのも必要なことかな。
安いのには必ず理由があります。
涙でけがれた宝石は美しくても価値は無いと思います。
アフリカは世界的にも失業率が高く、地球資源による雇用も重要なのです。
宝石は地球がくれた宝物、それに携わる現地の人々に感謝しながら
宝石の持つ美しさと秘められたパワーを楽しみましょう。
争いのない平和な世界を願って…