③-1ピーター・ボス政権  2017.6-12
『停滞』

2017年5月、5年ぶりにDFBポカールを制覇したドルトムント。しかし、シーズン開幕前からトゥヘルの解任、デンベレの退団、ロイスの長期離脱など不安材料が多いシーズンでした。
新シーズンに向けドルトムントは、アヤックスからピーター・ボスを招集します。
知将 トーマス・トゥヘルを手放したドルトムントは、2人の監督をリストアップします。
1人は、ルシアン・ファブレ(ニース🇫🇷)
もう1人は、ピーター・ボス(アヤックス🇳🇱)

ファブレは個人合意には至ったもの最終的には獲得できず、代わりにピーター・ボスを新監督に招集しました。ヨハン・クライフに影響を受けた攻撃的なサッカーを志す監督です。
(ファブレは2018/19シーズンからBVB指揮をとります)
またボスは元Jリーガーということで、日本からも注目を集めました。
移籍面は、デンベレギンターベンダーなどを手放し、サンチョザガドゥダフードといった有望な若手を獲得してシーズンに臨みました。

新体制で臨む2017/18シーズンのドルトムント。

ドルトムントは開幕7戦で6勝1分とスタートダッシュに成功します。

しかし勢い虚しく、第8節には前シーズン2位と躍進を遂げたライプツィヒに敗北。その日以降の公式戦12試合は3部相手にあげた1勝のみと、泥沼期に突入します。


中でも虚しいのは13節、ホームで好調シャルケを迎え撃つレヴィアダービー。前半のみで4点をとり4-0で折り返しますが、終わってみれば4-4のドロー。サポーターにとって1番大事な試合を情けない結果で終わってしまい、完全に心は離れていったと思います。

続くブレーメン戦にも負け、ピーター・ボスは解任されました。
直近8試合勝ちなし(3分5敗)、順位は8位での解任です。
さらに印象が悪かったのは、ホームゲームでの敗戦。ドルトムントというチームはご存知の通り、熱狂的なサポーターや2万5000人の黄色い壁などホームゲームでは圧倒的なアドバンテージがあり、ものすごく強いです。

さらに前監督のトゥヘルはブンデスリーガ2年間(34試合)でホームゲーム無敗と完璧な仕事をしていましたし、どうしても比較してしまいますよね。

そして後任には、ケルンで開幕から未勝利が続いて解任されたシュテーガー氏を招集し、建て直しをはかります。


③-2 シュテーガー政権 2017.12~2018.5

彼は2013年に当時2部にいたケルンの監督に就任し、低迷していた名門を4年間で見事建て直しました。1部復帰や2016/17シーズンに25年振りに欧州のコンペティションに出場させるなど、実績を残しました。
ドルトムントは2017年夏に彼と接触していましたが、シュテーガーのケルン愛に負けて獲得を見送ったそうです。

彼は崩れたチームの最適解を見つけるため奮闘し、香川真司も積極起用されました。
16節から指揮をとり、9勝4敗6分でシーズンを終えます。クラブレコードのリーグ戦8試合無敗(5勝3分)を打ち立てるなどCL権目掛けて戦いました。CL権争いは最後までもつれ、ドルトムントは最終節に負けたものの得失点差によりなんとか4位でフィニッシュしました。

(懐かしのドイツ三銃士  ゲッツェ、シュールレ、ロイス)

しかしシュテーガーはフロントからの信頼を勝ち取った訳ではありませんでした。第28節 バイエルンに6-0で大敗するなどパッとせず、本人からも契約延長の可能性の話は一切出てこずでした。
実際クラブ幹部もシュテーガーと契約延長するつもりはなく、夏に獲得を逃したニースのルシアン・ファブレを獲得する目処がたち、獲得に動いていたそうです。
本人の続投の意欲もそこまで無かったようですし。冬にオーバメヤンの放出など戦力的に苦しい中でもよく戦ってくれました。

そして次のシーズンに繋がる明るい話題に、ロイスの復活とサンチョのデビューがありました。

ロイスは約9ヶ月ぶりに復帰し、復帰戦でシーズン初ゴールをあげるなどCL権獲得に大きく貢献しました。
そして当時17歳で獲得したサンチョ。彼はチーム加入直後から怪我に苦しみましたが、第31節のレバークーゼン戦でブンデスリーガ初ゴールを含む1G2Aと躍動し、頭角を表し始めました。同時に18歳と27日での得点で、イングランド人選手としてブンデスリーガ史上最年少記録を打ち立てました。最終的にはこのシーズンを5G7Aで終えると、皆さんご存知の通り大ブレイクを遂げた次の18/19シーズンに勢いそのまま臨むこととなります。

あとは触れてなかった欧州のコンペティション。

CLはレアルとスパーズと同組になり呆気なく敗退しELに回ります。

(いちおうCLっぽい写真を載せないと、ロナウドさんポイッ)

ELでも現ドルトムント監督のマルコ・ローゼ率いるザルツブルクに完敗し、ベスト16で敗退となりました。当時ザルツブルクを率いて暴れていたローゼを前に為す術なく散りました。



まあとにかく紆余曲折ありつつもCL権をとってシーズンを終えれたため、万々歳なんじゃないでしょうか。ただリーグ戦は2年連続ライプツィヒに上回られました。2番手とも言い難い厳しい状況です。

日本も熱狂したロシアワールドカップを終え、新体制の元ドルトムントは再び歩んでいきます。(香川真司もシュテーガー体制のもと調子を上げていき、W杯で活躍しましたね😊)
 無事ニースから老将 ルシアン・ファブレを招集し、希望を持ちつつ次のシーズンを迎えます。


NEXT ファブレ政権 「18/19シーズン。再建」