いま女子野球界は、プロ野球の球団が女子チームを設立するなど盛り上がりを見せています。しかしここに至るまで、女子選手が野球を続けていくには様々な困難がありました。
かつて「美しすぎるプロ野球選手」と呼ばれた女性、さらにはソフトボール・東京五輪金メダリストが、その苦悩を語ってくれました。
■女子は甲子園に行けない、プロになれない
いま追いかけているのは「白球」ではなく「黄色いボール」です。
(東京五輪ソフトボール金メダリスト 原田のどか選手)
「野球をしていた当時は、女子はプロ野球選手にもなれない。甲子園にも行けない…」
岡山県総社市出身、いまは愛知でソフトボールの実業団チームに所属する原田のどか選手(31)です。原田選手はおととしの東京五輪・ソフトボール種目の金メダル獲得に貢献するなど、華々しい球歴の持ち主です。
今年、社会人14年目のベテラン選手。持ち前の明るい性格で移籍したばかりのチームでもすでにムードメーカー的存在...そんな原田選手ですが、実はソフトボールではなく「野球を続けたかった」という過去がありました。
(東京五輪ソフトボール金メダリスト 原田のどか選手)
「ずっと野球をやるつもりで、ソフトボールの『ソ』の字もなかったんですけど、ソフトボールはオリンピックがあって光が当たる場所でやれているし、そこで活躍する方が率直に楽しそうだなと思ったので」
■少年野球チームで「女子だから試合に出られない」ことも
原田選手が最初に出会ったのは「野球」でした。小学3年生の時、兄を追って総社市の少年野球チームに入団。チームでは珍しい女子選手でした。「女子だから」という理由で試合に出られないこともありました。
(東京五輪ソフトボール金メダリスト 原田のどか選手)
「軟式野球部に入るのもまれだったし、クラブチームに入っていたんですけど、それも私一人だけだったので。当時『女子が野球をすることがスタンダードだったか』と言われたら、そうではなかったと思います」