先日、大学病院の先生から電話があった。

 

次の外来予定の変更かな?と思いきや・・・

ついに飲み薬が発売されるとのこと!

しかも、私も服用可能なタイプらしい。

(飲み薬は、効果のある遺伝子タイプとそうでないタイプが

あるそう)

 

飲み薬で酵素補充ができるのなら、こんなに嬉しいことはない。

もし万が一、子どもたちがファブリー病だった場合、

点滴で補充することに高い高いハードルがあったから。

今の子どもたちに、それは無理じゃないかと思っていたから。

 

久しぶりに嬉しかった!こんなに嬉しいことがあるのかと、

自分でも自分の感情に驚いたほど。

 

 

でも、別の病院の遺伝カウンセリングを受けて、

今はまた重い重い息苦しさが心の中を占めている。

 

今までの遺伝カウンセリングは、かかりつけの大学病院で受けていた。

そして、男の子は10歳ぐらいが検査・治療開始の目安ですよと言われ

つづけ、刻一刻と「そのとき」が近づいている状態。

 

でも、どうせ検査・治療をするのなら、子どもの気持ちに少し

でも寄り添ってくれるところを選んでやりたい。

精神的な苦痛(検査や治療に対する恐怖)を、少しでも抑え

られるところにしてやりたい。

 

そんな病院はどこか近くにないだろうか?

機械的に検査を進めるのではなく、子どもの恐怖心を

わがままととらえるのではなく、無理やり「痛くない痛くない!」

と上から抑えつけるのではなく、「痛かったね。よく頑張ったね。

涙が浮かんでたのに、泣くのを我慢してえらかったぞ。」と

労わってくれるかかりつけの歯医者さんような病院。

 

そういう思いで、別の病院の遺伝カウンセリングを受けに行った。

 

その病院は、慢性的な疾患を抱える子どものための病院で、

待合ロビーは天井から光が差し込み、壁には子ども向けの

大きな装飾がされている。

小さな子どもが遊べるキッズスペースがあり、ボランティアの

人が遊んでくれているそんなところだった。

 

「もう子どもたちも小学生で、こんな小さい子どもの向けの

設備には目もくれないかもなあ。」

付き添ってくれたダンナとそう言いながら、でも他の大きな

病院の小児科よりこども目線だよねとぐるりと周りを見渡した。

 

カウンセリングでは、家族歴や私のこれまでの症状、子ども

たちの様子などを細かく書いたものを見せた。

それを見た先生が、

「耳鳴りがしたり、膝が痛いと言ったり、上の子は頭痛もしたり、

下の子は腹痛がしたりというのは、ファブリー病にある症状だね。」

と小さい声で話し始めた。

 

「検査や酵素補充はうちでもできるから、

来週にでも検査しようか。」

と思わぬ展開になった。

 

ダンナと私は検査のお願いをしに行ったのではないので、

突然の検査宣言にあたふたした。

 

とりあえず、大学病院に何も相談なしで来ているので、

一度大学病院で話をしてから・・・と少し先延ばし

にしてもらった。

(大学病院とその先生は既知の仲なので、

心配は無用とのこと)

 

もう少し先かな・・・と思っていた検査。

急な展開で、目の前に差し迫ってきた。

 

飲み薬になれば、心はすっきり晴れ渡るものだと

思っていたけれど、現実にはそう甘くないらしい。