前に新内閣で注目するのは法務大臣と書いたが、弁護士の千葉景子氏が任命された。

同氏は死刑廃止論者でしられている。

個人的には歓迎すべき人事だ。



しかしながら、世の中はそうでもないらしい。

大臣就任記者会見での、死刑執行は慎重にという発言に非難が集中しているようだ。テレビの政治バラエティーでも著名な評論家も批判していた。

批判している人たちに言いたい。「君らは昨年森前法務大臣によって死刑執行された飯塚事件についてどのように考えているのか??」。言うまでもないが、飯塚事件は冤罪が明らかになった足利事件と同様に、過去のDNA鑑定の正否が主な理由で有罪判決がでたもので、弁護側は再審の準備をしていたにもかかわらず、森大臣の指揮で死刑執行されたものである。

このような事態が生じている中での死刑執行は慎重にすべきであろう。千葉大臣は当然のことを言ったまでにすぎないと思う。



また、憲法で保障された思想・信条の自由は、法務大臣であっても保障されるべきであり、周り(特にマスコミ関係者)は、その点を配慮して発言すべきであると考える。



次に、法務大臣の指揮権発動につき、指揮権の意義を述べたが、それが鳩山総理や小沢幹事長に関する事件について指揮権発動をするかもしれないと喧伝されていることだ。某評論家は失言とまでいっていた。

しかしながら、千葉大臣の言っていることは憲法の解説書では当然にかかれていることにすぎない。逆に指揮権執行は行わないと明言することは、公務員の法令遵守義務に違反するものだろう。実質的にみても、指揮権は核兵器と同じで、検察の暴走を止める抑止効果が期待されるので、使用しないと明言することは良くないと考える。



千葉大臣には、捜査の全面可視化実現が期待されている。

司法の民主化に向かって、良心に従って、職務に専心してもらいたいと思う。