ここ1-2ケ月で弁護士や司法書士の債務整理をめぐる不祥事がいくつか報道された。


1 司法書士による脱税

2 弁護士がほとんどの業務を事務職員にまかせきりにして海外旅行などにいっていた非弁活動

3 受任はしたが、何もせずほうっておいた職務懈怠


報道された以外にも、金融会社への過払いがなく儲からない仕事はうけないというものもあるらしい。


一般の弁護士も司法書士も職業倫理は高い。それにもかかわらずこのような不祥事がでてくるのはなぜなのだろうか。


やはり、過払い金バブルといわれる現状がさせたのだろう

債務整理ビジネスは、広告が解禁され、判例がほとんどの事例でグレー金利の返還を認めたことからバブル化した。そして、過払い金返還で成功報酬で多額の報酬がえられるようになった。

事件そのものは、単純かつ定型的で大量に処理しさえすればだまって報酬がえられる。

依頼者である債務者も、弁護士や司法書士の介入があれば、いわゆるヤミ金や非合法団体関係を除けば、日々悩まされている金融業者からの督促が止まる。督促さえ止まれば、後の処理を依頼した弁護士や司法書士に文句をいうことはないだろう。


その意味で、債務整理はマーケティングをうまくやり、多数の事件さえ受けられれば、問題がほとんどおこらずに多額の収入が得られる優秀なビジネスモデルだろう。

そして、結果として感覚が麻痺して違法・不当な業務処理に走らせたのではないだろうか。


しかしながら、一般の企業のビジネスでは、大量処理を行おうとかすれば、データーベース化をはかり、人件費コストを抑えたりするなどの管理体制をつくらねばならない。その意味で、この業界は真の意味での企業として脱皮できていないのではないのだろうか。違法・不当な弁護士・司法書士はあだ花なのだろう。


現在もこのビジネスをやっている弁護士・司法書士の皆さんは、新人のときに持っていた職業倫理を持ち続けて欲しい。大量処理のビジネスに手を出す場合は、一般企業でおこなわれているビジネスの基本を身につけた上でおこなって欲しい。そうすれば、このような不祥事はおこさなくてすむはずだ。