1.花入に活けてもらいました。
~ワタシ偏屈堂も生かされて~
華やかに活けられた花々。
先日(11/5:金)の午後、わが作業所の楽庵では、沖縄民謡・三線奏者の小島亜矢さんをお迎えしたLIVEがありまして。
ワタシ偏屈堂は、あいにく別件があって、そのLIVEは拝見していないのですが、メンバー、スタッフさん一同大いに盛り上がったそうです。
それは何より😁。
小島さんをお迎えするにあたり、いつもの”作業所兼事務所”では、LIVEをやるのには殺風景なので、簡単なステージをしつらえたり、作業台や事務机の島ごとに、綺麗なテーブルクロスを掛けたりして、雰囲気づくりをしました。
その”雰囲気づくり”にあたり、テーブルクロスの上に楽庵の畑から採ってきた花を活けて飾ることとなりまして。
楽庵のスタッフの”破天荒姐さん”から、「花を活けるのに、偏屈堂さんの花入れを使っていい」と求められました。
もちろんワタシ偏屈堂としては快く承諾しました。
断る理由はありません😄。
鶴首赤土花瓶「赤龍嵐雲」 2021.1.21 Jinroku Izumiya
尾花(すすき)を活けてもらいました。
この鶴首の花瓶に施した白化粧土の象嵌がループを描いていく様と、尾花が上に向かってから枝垂れる様が、”不思議な連続感”というか”一体として立ち上っていく感じ”があって面白かったなぁ。
”聖なる蛮火”花入れ 2020.11.27 Jinroku Izumiya
この花入れが窯から戻ってきたときに、ワタシ偏屈堂の思い(タイトル・名づけ)と違って、炎じゃなくて、サツマイモ🍠みたいだなぁ(苦笑)と。
目に入るところに保管しているせいか、そんな思いがリフレイン・・・。
でも、実際、花を生けてみると・・・、
意外とイケてる!\(^o^)/。
駄洒落じゃないよ。
自分で言ってりゃ世話ないや😅(苦笑)。
え、わからない⁉。言わせないでよ。恥ずかしいからさ。
赤土に施した白化粧土のラインが、活けた花の”根っこ”みたいになっている。
この花入れも、花との一体感があって面白い。
花を活けてくださった楽庵のスタッフの”破天荒姐さん”が、この花入れの魅力を引き出してくださいました。
常日頃は、夜郎自大⁉なことをブログに書き連ねているワタシ偏屈堂。
でもね、内実は日々降り掛かる出来事について、大抵のことは塩辛目ものであったり、苦いものとして受け容れています。
と書いても信じていただけないとは思いますが(苦笑)。
まぁ、ブログに仕立てるときは、基本的にエンタメ精神も織り込んで、虚実皮膜なものにしちゃうからねぇ。
読んでいただいている方がなごやかな気分でいてもらいたいじゃないですか。
まぁ、その割に文体が”こってり”しているとか、往年の六角家のラーメンみたいに”麵硬め、油多め”だとか、“とにかく重くてクドい”いうことは重々承知していますが、ア・ハ・ハ(苦笑)。
何より、”実”ばっかりだと、ワタシ偏屈堂自体が”気恥ずかしい”。
普段の“素”のワタシ偏屈堂は、根が暗い人ではないけど、「何かに無心に没入していることに、無上に心地良さや、穏やかさ」を感じているので、ついつい人々から離れて“ポツ念”としがち。
写真のように、楽庵のスタッフさんが、拙作に花を活けていだいたり、先日の夏野菜バザーに参加してもらったりと、様々に気にかけて頂いている。
特にこのところ、父・甚平衛の突然の体調悪化による入院が続けてあったこともあり、ワタシ偏屈堂やワタシ偏屈堂のご母堂様が父・甚平衛のプチ介護でバタバタと心忙しくしている様子をとても心配してくださって、楽庵のスタッフさんから、さりげなく励ましていただいている。
昔読んだ、中島敦の「山月記」の主人公のように、元々、“傲慢”で“独善的”なところがあるワタシ偏屈堂。
そんな偏屈堂を、「山月記」の主人公のような人里離れた”孤独な人食い虎”に变化(へんげ)しないよう、救いの糸を垂らしてくださっている。
例えがわかりにくいですかね。
要するにワタシ偏屈堂が、ダースベイダーのようにダークサイドに陥らないように気をつかっていただいているのである。
余計わかりにくくなりましたね。まぁ、雰囲気だけは伝わったかな⁉。
本当に、有難いことである。
でも、面と向かっては言わないけどね。
タモリさんの赤塚不二夫さんへの弔辞で「(タモリを見出し、引き立てた生涯の恩人である赤塚不二夫への)お礼を言うことで、貴方の間に一瞬でも生じる他人行儀な雰囲気が堪らなく嫌だったのです。」と言ってたけど、それと同じ。
日ごろ接する空気で伝わることだから。
今日(11/30)で、ワタシ偏屈堂は”JUST50”になるのですが、これまでいろいろあったけど、つくづくいい人たちに恵まれているなぁと。
小学5・6年生の時の恩師、大学時代からの無二の親友、メンタルヘルスデイケアのスタッフの”ブッタさん”や”破天荒姐さん”やリハビリ仲間、仕事時代の同期や上司、作業所の面々、
そして、ブログ友だちさん、バザーの常連さん・・・。
などなど数はそんなに多くはないけれど、
この人たちがいらっしゃらなければ、ワタシ偏屈堂は多分人ではなく、人里離れた孤独な人食い虎に变化(へんげ)していた
ことでしょう。
ただ感謝、感謝、感謝。
♬光の中に、闇の中に♬
♬誰かが君のドアを叩いている”
(佐野元春 「誰かが君のドアを叩いている」 1992年)
写真上③「土の香りのする」広口花瓶(大)
この花入れに活けていたいただいたのは、ダリア。
このダリアは、楽庵の畑のものではなく、今回の小島亜矢さんのライブのために、リジチョーさんが買ってきたもの。
この花入れは、彫りではなく、不定形に捏ねたピースを張り合わせて(内側から隙間を粘土で埋めて成形しています)、本焼きした後、乳白釉を薄く満遍なく掛けた後、黄瀬戸釉を薄く花入れの口から掛け流したもの。
この野趣に富んだ花入れと、品種改良を重ねた毒々しいまでに華やかなダリアが妙にマッチしていて、ちょっとびっくりしています。
魅力って、セルフプロデュースで放つものもあるのでしょうけど、人々によって”引き出されるもの”のほうが、より広がりと豊かなものになるのですねぇ。
ちょっと感動。
一昨日、素焼きのための窯詰めに、楽庵の畑の一角にある窯まで行ってきました。
楽庵のスタッフさんから摘んできたコスモスやら菊などを活けて飾ってみました。
ワタシ偏屈堂が言うのも何だけど、花と器がイイ感じでマッチしてますねぇ(笑)。
ホント、白化粧土のラインが効いているなぁ。
おっと、”オレ自慢”が過ぎました(苦笑)。
2.今回のお買い上げぇ~
~毎度ありがとうございます!~
瑠璃&辰砂「夏の漣」フリーカップ 2020.Jin6
赤白練りこみ”薄手”フリーカップ 令和参年睦月二十七日 和泉屋
今回の”お買い上げ品”は、上の二つ。
”身内”である、作業所・楽庵の陶芸担当スタッフの”破天荒姐さん”にお買い上げいただきました。
殊に、写真上の”「夏の漣」フリーカップ”を気に入ってくださったらしく、「この風合いで、ワンサイズ大きいものを作ってくれたら、また、アタシ買うからさぁ~」と言われましたので・・・。
3.今回の完成塑型
①完成塑型 (仮)”夏の漣”フリーカップ(2Ł) 20211028 Jinroku Izumiya
②完成塑型 (仮)”夏の漣”フリーカップ(Ł) 20211101 Jinroku Izumiya
というわけで(笑)、上二つは、一応、楽庵の陶芸担当スタッフ・破天荒姐さんからのオーダーを受けて、こさえてみました。
辰砂ベースで、上の方を瑠璃を掛けて仕上げます。
隠し味で、ごく一部に織部も掛けてみたら、よりシブく仕上がるかな。
二つの内、一つ、破天荒姐さんがお気に召していただいたものお譲りしようと思っています。
③完成塑型 (仮)パッチワークなカラフル・マグカップ 20211109 Jinroku Izumiya
このところ、同じようなデザインのものをこさえていたなぁと思いまして、いつもとは感じの違うものをこさえてみました。
様々な色とりどりのピース(破片)が寄せ集まって、マグカップになりましたというイメージというか妄想というか😁(笑)。
もちろん、ワタシ偏屈堂の腕では、ピースを目地ごとに接着するようには作れませんので、彫刻刀で目地を掘ることで、ピースが寄せ集まった感じを出しています⁉・・・出せているのかなぁ😅(苦笑)。
もう少し”寄せ集め感”を出すときに、目地の部分に”丸”や””楕円”の粘土の粒をはめ込んでも良かったかな。
いずれにしても、色とりどりの釉掛けをした時にどんな感じに仕上がるか楽しみです。
④完成塑型 (仮)柳の下にドジョウが3匹⁉ 2021110 Jinroku Izumiya
前回のブログで紹介させていただいた、「ちょっとアールヌーボーな”青三色たらし込み”花入れ」と同様の表面を叩いて仕上げた角型の花入れ。
周囲の評判が良かったので、またもや”調子に乗って”同じタイプの花入れの塑型をこさえました。
この花入れと同じタイプの塑型が今2つあるので、次回の本焼きの時に一つは瑠璃釉、青銅結晶釉、辰砂の”青三色”をたらし込む風に作って、もう一つはシブく藁巻いて緋襷き風に仕上げようかな。
⑤完成塑型 (仮)調子に乗ってこさえてみました”漣文様”花入れ 2021111 Jinroku Izumiya
実際、花を活けてもらうとやっぱりいいなぁということで、調子の乗って”やや大きなサイズ”の花入れをこさえてみました。
楽庵内でイベントごとなどがあって、畑で栽培した花などを活けると、普段とは違う作業所内も華やぎがあるので、もう一個ぐらい、花入れがあってもいいかなと思いまして。
ワタシ偏屈堂の花入れの特徴は、文様と釉薬掛けの妙だと思うので、今回は、櫛で波模様、セブンイレブンの”唐揚げ棒”の串の背の丸い部分を使って、漣模様を彫り込んでみました。
余談ですが、唐揚げ棒の串は、ちゃんと台所洗剤で洗った後、熱湯消毒したものを使っています。
SDGsなワタシ偏屈堂なので、地球環境に配慮して再利用しているわけです(笑)。
この串は使い勝手がいい。鉛筆削りで先を尖らせて使ってもいいし、先端をやすりで削って、若干丸くしても使えますから。
楽庵内の常備の備品を、勝手に改造するわけにはいきませんから(笑)。
閑話休題。
脱線が過ぎましたね。
この花入れをご覧になった楽庵の陶芸担当スタッフ・破天荒姐さん(トーキョー芸大卒)から、
「(ワタシ偏屈堂の文様を入れたものみて)、絵画みたいだね」と、
つづいて「日本画家の・・・、誰だっけ、あっ、東山魁夷じゃなくて・・・、(ネットで「雨」「漣」という絵画を検索なさった後)、福田平八郎の「漣」を思い出したよぉ~」
恐れ入ります💦。
唐揚げ棒の串の背で入れた方の”漣”模様。確かに”雰囲気だけ”似ている・・・。
でも、”福田平八郎 漣”(大阪市近代美術館準備室所蔵「漣」)検索していただければわかりますが、ワタシ偏屈堂はあそこまで精緻なリズムを保って、漣模様を描けない・・・(笑)。
そして、パクってない(ホントだよぉ~)、偶然ですよぉ~(ホントだってば~)。
福田平八郎さんの絵画、「筍」(山種美術館所蔵)や、「雨」(東京国立近代美術館所蔵)などをみたことがありますが・・・。
写実とデザイン性が絶妙に融合していて、そして、あのリズム感・・・。凄いよなぁ・・・。
「漣」もみたことがあったのかなぁ~⁉。
ワタシ偏屈堂は、日本画は大好物だし、これらの福田芸術などに共通する”琳派インスパイア”作品は大好きなので、無意識に”寄せて”しまったのかもしれません。
それにしても、姐さん、福田平八郎とは言い過ぎだよ~。
豚🐽もおだてりゃ木に登るじゃない(笑)
なかなかのサイズでしょ!
⑥完成塑型 父・甚平衛用湯呑茶碗候補 その一
父・甚平衛愛用の湯呑茶碗が、経年劣化もあり、ちょっと口が欠けてきた。
2~3個、湯呑茶碗の候補をこさえてみて、選んでもらうこととしよう。
父・甚平衛はリューマチで指が効かなくなってきているので、できる限り軽くこさえなくてはいけない。
これもいい稽古。
⑦完成塑型 ”紐の痕残し”マグカップ 20211125 Jinroku Izumiya
ワタシ偏屈堂の”定番”の一つ、”紐の痕残し”。
この頃、こさえていたものは、紐の痕の丸みが潰れてしまったものが多かった。
軽くするに薄くするしかなく、また紐と紐をしっかりくっつけようという思いが強すぎて、指先に力が入り込みすぎていたから。
そこで内側からも、一度”紐と紐との間に粘土を詰めて、接着をより強化したあと、紐と隙間に詰めた粘土がなじむまで、しばらく待つ。
その後、内側の粘土をスプーンの腹の部分を押し当てて”引き締め”、搔きベラをあまり上下運動させず、マグカップを掌で”横回転”させながら、搔きベラを横に横に動かして、削っていきました。
搔きベラを”上方向”に動かすと、紐が上下に伸びてしまうので、結果的に”紐の丸み”がなくなってしまうから。
紐の丸みと丸みとの間に”谷”ができるので、釉掛けをした時に陰影で、面白い表情になる。
今から楽しみ。
窯詰めした時に、若干の余裕があったので、木曜日(12/3)まで、何個か追加して窯詰めするので、あと1~2個塑型を作って、追加分をスタッフさんに託すことにしよう。
年末か年明けに”本焼き”になりそうなので、それを楽しみに2021年最後の釉薬掛けに勤しむこととしよう。
4.秋夕景と奥湯河原の紅葉
葉山町の鐙摺港(あぶずりみなと)
鎌倉の腰越海岸から見た江の島
茅ヶ崎・菱沼海岸から見た富士山と伊豆・箱根の大山塊
茅ヶ崎・菱沼海岸から見た伊豆・箱根の大山塊
マーク・ロスコの抽象画みたいで、面白いでしょ。
秋も深まり、空気も冷たくなってきますが、その分空気が澄んでくるので、山や海も鮮やかに、夕焼けも海に映えます。
波の音も穏やかで、心と体に優しい。
これからますます寒くなってきますので、皆様もご自愛のほどを!
奥湯河原温泉郷の町立湯河原美術館の紅葉
奥湯河原の谷戸に囲まれ、温泉郷を流れる千歳川から冷たく湿った風にさらされるので、神奈川では珍しい”瑞々しい紅葉”を見ることができました。
<完>