6/22(月)~6/24(水)
午後だけとはいえ、作業再開になって早やひと月。
作業時間3時間は、瞬く間に過ぎてしまう。
いい集中力が発揮している証だろう。
でも、速いなぁ。
もうちょっと時間があるかなと思ったけど、釉薬掛けと、次の「塑型づくり」を並行してはできないなぁ。
塑型作りの途中で切りあげて、手を洗って粘土を落として、手を乾かすまでの余裕がないもの。
またその逆もしかりで、釉薬掛けを切り上げて、塑型づくりも、切り替え準備に手間暇がかかる。
だから、短期間、釉薬掛けに集中。
本焼きは、他のメンバーさんと、窯入れ作品が「同居」するから。
窯入れは、天候が良ければ、来週金曜日7/3か、再来週月曜日7/6ぐらいかな。
早めに仕上げて、次の本焼きにどの器を窯入れするか吟味しないと。
まだ、既に釉薬を掛けたものが手元に多数残っているからね。
釉掛け初日は、
①撥水材を高台付近に塗ること
②素焼きの素地を整えるためのやすり掛けの粉のお湯洗い
③カップ類2器の乳白釉での下塗り
が精いっぱい。
「お湯洗い」は釉掛け前の関門。
粘土をカタチにする「塑型づくり」
そのとき、無理遣りというか力技でカタチがまとめてしまう時がある。
でも、「素焼き」すると縮むので、無理をした部分に負担がかかる。
その素焼きが戻ってきた段階で、目に見えるクラック(ヒビ)があったり、割れてしまうことがある。
これは、補修をするか、この時点でお釈迦になるかは比較的すぐわかる。
素焼きの段階で、ぱっと見わからないヒビ割れや、割れの原因となるクラックが入っていることがある。
このとき、お湯洗したときには、若干器が水を吸うので、「隠れクラック」から、ヒビが顕れたり、ぱっくり割れてしまうときがある。
お湯をかけると、隠れヒビとその周りがジュっと耳に入るぐらいの音がする。
「ヒビ」がピッと走るか、ボロっというかぱっくり割れる。
この器のように。
この器は、内側に2本幅0.5mm弱のクラックが入っていた。
表から指ではじくと周囲とはことなる「軽い音・高い音」がした。
この「音」の見分け方は、野球の木製バットが見た目折れてなくても、指で叩くか掌底で叩くと周囲と異なる音がするのと一緒。
その感覚で、中がグシャっとしているのか、割れて空洞になっているのか、音で何となくわかる。
今回はクラック周りの下が空洞になっているなと音から判断してクラックをV字の彫刻刀で彫った。するとクラックの深さは1mm強。
クラックの周りとその少し先も、本焼きでのさらなる「縮み」見込んで削る。
結局、周りも脆くなっており、小指の先ぐらいの凹みを削り取った。
削ったあと、その部分を表から指で弾いたら、今度は「中身の詰まった」低い重みのある感触の音がした。焼締まっている音だ。
その凹みには「セラミックペースト」で埋めた。
本焼き前に埋めたところをやすりで成形しよう。
<今回の釉薬掛け>
1. 表面・・・ナマコ瑠璃 中掛け・・・瑠璃 下掛け・・・F織部
「青海波風」長方皿
ホントは、瑠璃とF織部で仕上げる予定だったけど、瑠璃が足りなくなってしまったのだ。
釉薬は、共有しているから、メンバー同士で重なり合うと足りなくなることもある。
そこで、スタッフさんにお願いして試しに購入してもらった「ナマコ瑠璃」も掛けることとした。
「ナマコ瑠璃」は、我々を指導している作陶家の福岡琢也さんも、これまで使ったことはないという。
ちなみに、福岡さんは、「瑠璃一色」はお好みではない(「自分の色にはナイ色だ」とおっしゃられている。尖がった感じの「真っ青」が苦手らしい)。
また、福岡さんは、県立茅ケ崎養護学校でも非常勤教員として、陶芸指導をされていたり、ご自分の陶芸教室での経験から、「若い人は瑠璃が好きだよね」とよく言われる。
ということは、「瑠璃好き」のワタシ偏屈堂は、感性が「若い」⁈
それとも、あと10年ぐらいすると、好みが変わってくるのであろうか。
粉状の「ナマコ釉」を福岡さんはしげしげと診られ、「マンガンなどが混じっているから、焼き上がりは、結晶が掛かって、瑠璃よりは渋く青味がかるのじゃない」とおっしゃられた。
凄くワクワク。
「ナマコ瑠璃」を掛けるときに使った刷毛を、バケツの水の中で洗っていたら・・・、
バケツの水に、釉薬が広がって、黒い灰色の釉が、渋めの青になった。
バケツも青だから、まったくこの通りとはいかないだろうけど、瑠璃よりは抑制のきいた青になりそう。
やぁ、焼き上がりが、愉しみ愉しみ。
<今回の釉薬掛け>
2. 表面・・・F織部 下掛け・・・瑠璃
「青海波風」長方皿
F織部を表にしたもの。
下の瑠璃の濃さがどのような効果をもたらすか。
瑠璃一色だと、鮮やかだけど確かに目がキツイ。
逆のパターン(瑠璃&F織部)はよくやるのだけれど、このパターンでははたしてどうか。
「F織部&瑠璃」は、瑠璃&F織部のような深みがでるのだろうか。
深みは深みでも、また別なのか。
愉しみ愉しみ。
<今回の釉薬掛け>
3. 表面・・・(上掛け)桜色 (下掛け)・・・乳白
内側・・・乳白
(仮)桜色・紅茶マグカップ
この桜色の釉薬も、ワタシ偏屈堂から陶芸担当のスタッフに相談という名の「おねだり」をして、お試しで購入してもらったもの。
淡い桜色のほうが「オトナっぽい」と思ったからだ。
我々を指導している作陶家の福岡琢也さんからは、この桜色の釉薬は、養護学校の生徒さんも使ったことがあるけど、かなり濃い目にかけないと、色味がでてこないよとアドバイスを受けた。
だからどっぷりと刷毛を使って重ね掛けをし、その後仕上げとして釉を含んだ細めの平筆で筆跡を押し付けるようにパシャパシャと重ねる。
イイ感じの発色とグラデーションがでるかなぁ。
下掛けに乳白を使って、鮮やかさもだそうとしているけど、乳白が勝っちゃうかな。
そこはバクチ。
こういうバクチには乗るべきであるのがワタシ偏屈堂。
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ ダァ~っ
猪木か(苦笑)
<今回の釉薬掛け>
3. 桜色一色 4.ナマコ瑠璃一色
あにまる・アロマプレート
テストピースも兼ねて、一色掛け。
単色でどのような色がでるのか愉しみ愉しみ。
<完>