先日FBに物語を再投稿したところ、

大きな反響がありました。

 

 

 

ブログ読者の皆様にも

あらためてお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年以降、

急激なアセンションに促され、
たくさんの

「ヒーラー・チャネラー」を名乗る人たちが
雨後の筍のごとく誕生しました。
そしてその大半が消えて行きました。
 

 

 


多くはコンサルの餌食になり、
超:高額セッションを打ち出しすぎて自滅し、

 


 
ヒーリングとは

「クライアントの症状を解消するものだ」
・・・と誤認識して立ち枯れしました。
 

 

 


真の癒し、とは何か。
物語にしております。
未読の方、どうぞ。

 

 

 

 

なお、この物語は2015年に執筆したものですが、

2019年時点での私の考察を

物語ラストに含めました。

 

 

 

 

 

+++++++++

 

 

 

 

【魔法使いと、金の杖】

 

 

 

 


「ここに・・・」
精霊が言いました。



「魔法使いになりうる三人の者がいる。



その者たちに銀の杖を与えよう。
そして、まる三年後の祭りの夜、

最も優れている者に金の杖を与えよう」
 





*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*
 




秋祭りの晩のことです。
かがり火の向こうに精霊が現れました。

 

 

 

 

 

 

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村人たちは畏怖の念を抱いてそれを見つめておりました。
 



  *


 


精霊の白く輝くエネルギーは

静かに三人の男を示しました。





一人目は背の高い男でした。
二人目は太った男でした。
三人目は痩せた小さな男でした。
 

 




三人ともこの村で生まれ育った、

質素な身なりの者でした。


 

 


彼らは大変驚きましたが、
それぞれうやうやしく、
精霊から銀の杖を受け取りました。





 
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やがて風が吹くと、
精霊は大きく揺れて、
そこから消えて去りました。
 
 

かがり火だけが変わらず夜空を照らしておりました。
 
 




◆+◆+◆+◆+◆+◆+◆
 



 
やがて三年後の秋祭りの晩になりました。




森の中でかがり火を囲み、
村人たちが座りました。
 
 
 
 

そして銀の杖を授かった三人は、
立ち上がって精霊を待っていました。



 
 
 
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背の高い男は
王様のおかかえ魔法使いになっていました。





彼はありとあらゆる名声、名誉、羨望、を得ました。

光沢のある絹で織られた衣をまとい、
そこにたくさんの勲章を付け、
剣を下げておりました。





彼の鼻はますます高く見えました。
 



    *




太った男は国の大金持ちの
おかかえ魔法使いになっていました。




彼はありとあらゆる利益、
繁盛、蓄財、をもたらしました。

彼は金糸で織られたマントをまとい、
首にも手首にも指にも宝石をつけていました。





彼が笑うと、太った腹が揺れました。

 




        *




ところが・・・
痩せた小さい男は相変わらずの姿でした。




ズボンの裾に泥がつき、
木綿の野良着のままでした。
その表情は憂鬱でした。
 
 


 
◆◆◆◆◆◆◆






村人たちはやんやと喝采を浴びせました。
もちろんそれは先の二人に対してでした。





誰も小さい男に注目しません。

彼は魔法使いとして成功したように見えないのです。
 



 
◇◇◇◇◇


 
 

時が深夜に近づいた頃、
とうとう精霊が現れて言いました。



「私はここにいる。
あながたのその力を見せよ!」




 
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背の高い男が精霊の前に進み出、
杖をふところから出しました。
 
 
 

 
そして・・・その時でした。
皆の上を一羽のフクロウが音もなく飛んで行ったのです。
 
 
 

 
いえ・・・。
正しくは、飛んで行こうとしただけでした。
 




「ギューーーーーン!!」
 



するどい音が響きました。





「ドサリ!」




フクロウが、かがり火の横に落ちました。
わずかに動いているようですが、
それは瀕死の状態でした。
 





 
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「フフフ・・・」
 
 
 
 

背の高い男は鼻を鳴らして笑いました。
そして杖をふところにしまいます。

村人たちは騒然として彼を見ました。
 

 


精霊は何も言わず、
白いエネルギーの姿のままで
フクロウにそっと近づきました。
 
 
 
 

すると、フクロウは身ぶるいし、
強く地面を蹴って飛び立ちました!
 
 
 


村人は言葉を失って
フクロウが森の影に消えるのを見送りました。
 
 
 


  *
 
 
 
 
 
次に進み出たのは、あの太った男でした。
金銀、エメラルド、ルビー、ダイヤ・・・。
たくさんの宝石が、
かがり火に反射して燦然と輝きを放ちます。
 
 
 

やがて彼はおもむろに杖を出すと・・・。
 




「バーーーーン!」




 
耳をつんざく音がして、
モミの大木がバックリ裂けていたのでした!
 
 
 
 

 村人はのけぞって驚きました。
 
 
 
 
 
 
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「フフン!」太った赤ら顔は得意げに笑い、
ふところに杖をしまいました。

 
 
 
 


すると精霊は何も言わずに、
その裂けたモミに近づきました。
 
 
 
 

そして精霊がその場から離れた時、
木は元通りになっていました。
 
 
 
 


皆がしん・・・と静まりました。
 



       *

 
 
 

かがり火は夜空に高く燃え、
時は真夜中を越えています。
 
 
 
 

森も村人も、息をひそめて精霊を見つめました。
 
 



◇◇◇◇◇
 



 
わずかな夜風が通った後、
精霊の白いエネルギーは
三人目の小さな男の前に立ちました。
 
 
 


「私は知っている」
精霊はおもむろに言いました。
 




「あのフクロウを生きかえらせたのは、
あなたの杖だ。
 
 
 

そしてあの裂けた大木を元に戻したのも、
あなたの杖である!」
 
 
 
 
 
 
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誰もが驚いて彼を見ました。
小さな男はうなだれて、
自分のつま先を見ていました。
 





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物語は後編に続きます。
( ̄Д ̄;;
→魔法使いと、金の杖(後編)