「人はどうして前世記憶を、
ほぼ全部消されているのでしょうか?」
( ̄Д ̄;;



それに関わるストーリーが降りました。
短い物語スタイルでお届けします。

(*^ー^)ノ





×・*・×・*・×・*・×・*・×・×・



 【白いキャンバス】





ある女性が、

落ち葉散る庭にキャンバスをたてておりました。


イチョウ、モミジ、ケヤキの葉・・・。
彼女の足元で乾いた葉っぱがカサカサします。






空は高く晴れ、空気はひんやりとし、
お日様はご機嫌な午後でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ベレー帽にスモッグ姿のその女性は、
画家の卵でありました。


真っ白なキャンバスの前に立ち、
思いつめた表情でつぶやきました。









「神様・・・私にはわからないのです。
なぜ人間は、毎回、毎回生まれるたびに、
全ての記憶をなくすのですか?






私はその度に自分を忘れ、
自分の望みを忘れ、
自分に必要な手がかりを全て忘れてしまいます。





私には絵を描いていた前世もきっとあるはずなのです。
それも知りたい・・・。





どうか・・・私の持っている記憶を、
この手に再び取り戻させてください!!」









すると神様が彼女のすぐ脇に現れました。


ギリシャ神話風の、

 

 

 

白いドレープのついた、奇妙な服装でありました。

メタボ系のお腹です。
丈の短すぎる衣裳の裾から、
毛むくじゃらの脛が目立ちました。






その上、頭はハゲちゃびんです。
なんともなさけない顔の神様は、

震えながら言いました。





「ここ寒いの~。わし、寒いの苦手!」

( ̄Д ̄;;



そう言ってモジモジ体を揺すります。









けれど真剣な彼女の眼差しに見つめられ、
仕方なしに言いました。





「それはできんこともないけど~。
せっかくのそのキャンバスが・・・」
( ̄Д ̄;






神が指さしたのは、
彼女の目の前にある白いキャンバスでした。





「そのキャンバスに・・・
真新しい美しい絵を描くのじゃろう?」
( ̄Д ̄;
 





すると彼女は思いつめた口調で言いました。



「そうなんです。
でも、私には・・・
”わずかな自分しかないように”思えます。

だから、
私が他生で培ったもの全て・・・
それを取り戻したいのです!」









「うーぬぬ」
( ̄Д ̄;・・・。


神は言いました。



「それじゃ戻してやってもいいが・・・・
後で文句を言わんでくれよ」





「ありがとうございます。
文句などけして言いません」




彼女は瞳を閉じました。





  *
    *
      *
        *
          *






しばしの風が吹いて行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして神様の気配が消えた後、
彼女の胸の奥の奥~の方でごく小さい声がしました。






「いや~。ここはあったかいの~。
わし、ここ大好き♡」



   *



彼女が目を開くと、神様はおらず、
そこにはあの白いキャンバスが、
深く塗りこまれておりました。





色という色で、何度も分厚く塗りこめられ、
それはほとんど黒でした。





            *






「これはどういう事なのかしら?
これじゃあ、新しい絵は描けないわ!」






するとはるか彼方、
彼女の心の奥で神様がブツブツ言いました。






「だからな、言ったじゃろ?
真新しい絵を描くには、真っ白いキャンバスが必要だ。
今までの分、全部出てきたら、新しい絵は無理じゃろう。
 
 
 
 


わし、恨まんでくれな! な!?」
( ̄Д ̄;;





     *





そう言い残して、神様の声は消えました。

彼女はしばし呆然となり、
やがて泣き崩れてしまいました。






「お願いです。神様。
私にもう一度白いキャンバスを与えてください。
このままでは、私はどうすることもできません・・・」






すると再び小ーさな声が答えます。






「そーくると、思っとったわ。
じゃがな・・・一つ問題がある・・・」





「なんでしょう?」
彼女は濡れた瞳で宙を見ました。




「わし、戻し方思い出せない・・・・」
( ̄Д ̄;;




「え!!!?
彼女は絶望的に叫びました。












「いや・・・ちょっと待って、くしゃみが・・・」

「ヘーーーーークション!」



      *




・・・その時でした。
目の前の真っ黒なキャンバスが、
 
 
 
 

元通りになったのでした!

 

 

 

 

 

 

 



 
 
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彼女は息を止めました。
震える指先で、無垢な表面に触ります。





    






そして彼女は、その白紙のキャンバスを・・・
思わず、ギュッと抱きしめました。
涙が一筋こぼれます。。。。





   *





落ち葉散る、秋の午後でした。
カサカサ、葉っぱが鳴りました。

 

 

 

 

 

 

 
 
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それではまた。