クリスマスにちなんで、
過去のウタマロ作品を再びお届けいたします。
(*゚ー゚*)
×・*・×・*・×・*・×・*・×・×・*
物語: カナリアの黒い子
ある森の奥に、
鳥の教会がありました。
そしてそこには、
白いカナリアがおりました。
彼女は毎晩祈ります。
すると、ときおり夢を見ました。
夢の翌朝、卵が一つ産まれました。
ヒナはたちはすべて真っ白で、
どの子も透きとおった声で鳴きました。
大きくなるとヒナたちは、聖歌隊に入ります。
なんともそろった合唱でした。
*
ある晩白いカナリアは、祈りの後で考えました。
「私のヒナはどの子も真っ白。
違った子どもは出ないのかしら」
翌朝になるとカナリアは、
大きな卵を産みました。
森のいろんな鳥たちが、
めずらしがって見に来ます。
*
とうとうコノハズクの神父がやって来ました。
「こんな大きな卵はみたことがない」
神父は眉をひそめてつぶやきました。
それでも母のカナリアは、卵を大事に抱きました。
それでも母のカナリアは、卵を大事に抱きました。
日が満ちた時、
殻を破って出てきたその子はなんと真黒なヒナでした。
鳥たちすべてが驚きました。
中でも神父が驚きました。
「不吉なヒナじゃ。
こんなもんを産みおって」
けれどその声、その歌は、兄弟たちとは違います。
神父が再び言いました。
「これは聖なる歌ではない。
この子は異端児。
去るがよい!」
母カナリアはうなだれました。
*
それでも無邪気な黒い子は、とても熱心な歌い手でした。
それでも無邪気な黒い子は、とても熱心な歌い手でした。
そして残念なことですが、皆の前では禁止です。
悲しみに沈む母カナリアは、黒い我が子をそっと連れ、
夜の教会に忍び込みました。
(*^ー^)ノ