1月ももう終わりですね。卒業の学年の子については、そろそろ卒業式に向けて、「出席するのか、しないのか？」が気になってくる時期ではないでしょうか。

近年では、卒業式の後に何人かで少人数の卒業式を開催したり、子ども1人だけで卒業証書を渡したり、あるいは卒業証書を後日持ってきてもらったりなど、いろんな対応ができる学校も増えてきました。

が、その前に。そもそもどうやって決めたらいいのか？それについて書いていきます。

まず結論から言うと、子ども本人と相談して、自分で決めてもらう。いつもそうなのですが、やはり本人の意思が一番大事です。

大切なことは、必ず話をする

子どもが傷つくのが怖い、また落ち込んでしまうのが怖いなどの理由から、直接本人に聞くことを避けていませんか？そして、子どもの心の中を勝手に想像して、ああでもないこうでもないと、ぐるぐる考えていませんか？

基本的に、相手の心のうちを話をせずに知ることは、不可能です。わからないことは、聞く。大切なことは、自分で決める。卒業式に限らず、これは全ての基本だと思っています。

もしかしたら、本人に聞くことで、落ち込んだり塞ぎ込んだりするかもしれません。でも、今までもその状態から回復をしてきたことも、思い出してほしいんです。

長い人生、落ち込むことはこれから先にも出てきます。大事なのは、また立ち上がること。お子さんがどんな状態になっても、また立ち上がることを信じて、きちんと話をして、本人の気持ちを聞いてみてください。

「行きたい」と言われたら

本人がなんらかの形で希望すれば、その内容を明確に尋ねましょう。通常の式典に一緒に参加したいのか、それとも違う方法がいいのか。違う方法にしても、何人かと一緒がいいのか、1人がいいのか。担任の先生だけがいいのか、他の先生がいてもいいのか。

それらの情報をまとめたあとは、保護者の方の出番です。実際に対応してもらえるか、学校の先生との話し合いが必要になってきます。

ただ、残念ながら、すべての希望が通らない場合も、もちろんあります。実際に長男が中学を卒業する時は、卒業式の練習に必ず参加しなければならないというルールがありました。不登校生でも例外ではなく、卒業式に参加したい場合のかなりのハードルになっていたようです。

ただ、ルールも時代とともに変わることもあります。当時の長男は、みんなと一緒の式典へ出席することは希望していなかったので、特別に交渉はしませんでしたが、気持ちを伝え続けることで、いつか変わるかもしれません。

ご自身がやりたい、やろうと思える範囲で、話し合いを行うことをオススメします。

もしお子さんの希望が叶わなかった場合は、そのまま正直に伝えて、どうするかをあたらめて考え直すしかありません。切ないかもしれませんが、この経験もきっと心の筋力を培う経験となるはずです。

希望が通ったら喜びを、そして残念な結果の場合はその時に感じた気持ちを一緒に味わいながら、ぜひお子さんをサポートしていってください。

「出たくない」と言われたら

式典はもちろん、どんな形でも嫌だ、学校に行くことも拒否するお子さんもいらっしゃると思います。その場合、学校の先生も、「せっかくなので」「区切りなので」など、さらに説得をしてこられるかもしれません。

ここで板挟みになってしんどい思いをするかもしれませんが、この場合は是非、挟まれるというよりも、お子さんの心に沿ってあげてください。

良かれと思っている先生方の気持ちは、決してあなたたちを苦しめたいと思っているわけではありません。ただ、その「良かれ」が全く不要な場合、私たちの心は、善意を断るのに本当に大きな抵抗を感じます。

それでも、不必要な「良かれ」を叶えようと、頑張ることははっきり行ってしんどいだけです。

「お気持ちはありがたいのですが」という感謝の言葉を伝えつつ、本人の意思であることをきっぱりと伝えて、頑張って断ってください。わたしがこのような場合によく使うテクニックとしては、「今それをすれば、本人の負担がまだ大きいので、また食事をしなくなったり、部屋にこもったり、自傷行為をしてしまうなど、大変なことになる可能性があるんです」と、誇大広告をしてお伝えしています。

子どもの心身の健康を損なうかも、という盾を使うと、それを突破しようとするのは抵抗があるものです。効果を最大限に発揮するためにも、是非女優になって、辛くて悲しそうな顔をしながら、「またあの時みたいなしんどい状況になることを考えただけで、私が辛くて辛くて・・・・」と訴えてみてください。

それでも通じないような相手は、かなりの強敵です。もうここは、「何を何と言われようと、無理」で、突っぱねる必要があるかもしれません。

「区切り」って何だろう？

そもそも、どうしてこんなに「卒業式」ということにこだわらないといけないのでしょうか。それは、大人たちが過去に勝手に決めた、「人生の区切り」という刷り込みのせいではないでしょうか。

たしかに、一つの学校が終わって杉のステップに進むので、ある程度の区切りではあります。でもそれは、卒業式などの儀式をしなければ訪れないものでも、実感できないものでもありません。

大人が勝手に決めた「区切り」や「式典」という価値観に、問答無用で従うように求めることは、ある種の暴力と同等ではないかなと私は思います。

話し合いの前に、まず子どもの状態を

ただ、今回のブログで大前提としている「子どもの意思を確認する」ことですが、まだまだそんな状況にないお子さんもいらっしゃると思います。その場合は、ドクターストップと同じこと。

自信を持って「ママストップ」で、ママが一番負担なくクリアできる方法で、学校の先生と交渉しても良いと思います。

実際に次男が小学校を卒業する時は、かなり落ち着いていたとはいえ、わたしはほとんど次男の意思を確認していません。問答無用で、「式典には出席しない。卒業証書は後日家に持参していただきますが、次男には会えない」というスタンスで通しました。

念の為に、最終決定の段階で、「卒業式は出なくていいよね？」と、出ない前提の質問を軽いテンションでしましたが、それくらい。子どもの心を守るためには、こういうケースも必要だと思います。

確かに、「落ちても仕方ない、また這い上がってくるのを信じて」と書きましたが、それは、命に関わるほど落ちる可能性がある場合は、当てはまりません。

どんな場合も、マニュアル通りにも行かないもの。自分のやり方や、お子さんの状態、性格に応じて、自分用にカスタマイズする必要があります。

そんなやり方、わからないと言う方は、個別に相談しましょう。いつでも公式ラインにご連絡ください。

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