3月になり、ちらほらと卒業式を迎えた学校も出てきましたね。長男の高校の卒業式は遅めなのでまだですが、卒業が迫ってくるにつれて、長男のメンタルは不安定になってきています。
先日も書いたかもしれませんが、「高校でなにも成し遂げなかった」虚無感に襲われ、学校に行けなくなっていたんです。
それでも今週からまた、登校できていたんですが。登校したら登校したで、周りの子がしっかり自分の道を進んでいるように見えて、辛くなるそうな。
月・水は調子よく登校しましたが、金曜日は昼頃にまたもや早退。そして、帰宅中にまたもやネガティブラインが押し寄せる。「才能なんてない、つらい」という言葉に始まり、「いつも怒鳴られた」「認めてもらえなかった」と。なんとも抽象的な言葉ばかりなので、「具体的に、どんなことがあったっけ?」と聞いてみたら、かえってきた返事がこれ。
「みんなは夜遅くまで塾に行っているのに、僕は何もしてないって怒られた」
これね、私は間違いなく言ってない。「子供は早く寝る」がポリシーだったので、塾よりも睡眠という考え方だったんです。ただ、もしかしたら、夫は怒った時に、そんなことを言ったかもしれないけどね。ただ、「誰に言われたか」はこの際問題じゃない。「みんなから言われたわけではない」ことが大事と思い、「それ、お母さんに言われた?」と、ピンポイント攻撃で聞いてみました。
そうしたら、すぐさま「言った!」と返ってきてね。「いや、それは絶対違う。お母さんは、塾よりも寝るほうが大事ってずっと言ってきたから、そんなことは言ってないって断言できる」と、きっぱり返しました。
そのせいかどうなのか、「お母さんは言ってないかも」と、少し落ち着いた感じの返事。
少し落ち着いたようなので、「才能にしても、お母さんはあなたには、プログラミングと小説を書く才能があるって言うてるやろ。それを受け取らないのはあなた自身やん。認めて欲しいと言うのに、認めても受け取らない。この状態で、一体お母さんはどうしたらいいの?」と、追加でメッセージを送りました。
そうすると、「少しおかしくなってた。ごめん」というメッセージがきたので、ちょっと落ち着いたかなーと思って私の部屋を出てリビングに行ったところ。
長男と遭遇。
もう帰宅しとったんかい
この時が14時すぎくらい。その日も仕事だったけれど、1時間余裕があったのと、少し落ち着いただろうと思ったから、「少し話そうか」と声をかけて、お茶をいれて食卓の席に着きました。
そうしたら今度は、出てくる出てくる、父親への不満。
まあねー、ひどかったからねー、控えめに言って。
まさに「教育虐待」を地でいく人だったからね〜。
ただ、寄り添いはもう終わったと思っているわたし。先日から、共依存にならないために、一線を引いての対応を心がけているので、今回も最低限の寄り添いのみ。かけた言葉は、「いつまでも過去に囚われて、つらいんじゃないの?昔は確かに辛かった。お母さんも、お父さんを止められなくて本当に申し訳なかったと思う。でも、それを今、あなたが頑張れない理由の全てにするのは、もったいないんじゃないの?」でした。
加えて、「今は、できなかったからって、誰も怒ったりしない。怒鳴ったりしない。努力がしたいなら、すればいい。でも、それを止めているのは、自分やろ?そこからは自分で這い上がらないと、お母さんには何にもできないんよ」と、もう何度目かもわからないけれど、伝えました。
そうしたら、「……わかった。まず、何をしたらいい?」と言い始めたので、その日は少し相談した結果、とりあえずソファで本を読むことに。これで今日のところは一件落着。時間は14時半。よかった、仕事はこれなら余裕だわ、と思った1分後。
「集中できない、助けて」と、長男からのヘルプ。まじかよ
「読んでも完全に理解できない。覚えられない」「だから、読書は全部覚えなくてもいいんだって」「だって、覚えないと怒られる」と、逆戻り。ダメだ、長男の心理ゲームからまだまだ脱出できてない。本当に手強い、この人。
そうこう言ってると、またもや夫の話になったんですけど、その時にちょっといつもと違う表情が見えたんですね。だから、「今言えるとしたら、その時怒っていたお父さんに、言いたいこと言ってごらん」と言ってみました。
そうしたら……、今にも泣きそうな、顔が引きつったような、何かを言いたいけれどこんなこと言っちゃいけないというような、込み上げるものを堪えるような表情になったんです。
あ、これは、なんかが出てくる。
そう確信したので、「なんでもいい。本人いないんだから、言うだけなんだから」と促すと、出てきた言葉は。
「お前さえいなけりゃ」
でした。
ここは止めずに寄り添うところ。そんな直感があったので、「うん、それで?」と促すと、またもや言葉を飲み込みそうな表情をしながら、「いつも怒鳴って……、否定して……」と、ぽつりぽつりと言葉が出てきました。
なんとなくですが、長男の中の蓋が少し開いたような気がしました。
普段は癇癪がある長男。言葉じゃなく、暴力や自傷で表現するから、周りもそれを止めるしかなかった。でも本当は、こんなこと言っちゃいけない、という気持ちが、かえって長男の気持ちに強く蓋をすることになってしまい、結果的に良くない行動に走らせていたもかもしれない。あくまでもわたしの想像なので、間違ってるかもしれないけれど。
ただ意外だったのは、もっとたくさん暴言が出てくると思ったのですが、きつい言葉は最初に発した一言だけ。あとはぴつりぽつりと紡ぎ出しただけで、「他には?」という促しに、「もうない」と言ったのは意外でした。
話すのが苦手な長男なので、言語化できなかっただけかもしれないけれど。
そしてね、この後でこう聞いてみました。「その時の自分にかけたい言葉があったら、言ってあげて」と。
ソファーに座って、うつむいて、うーーーーーんという感じの長男。難しいかな、とは思いました。普段のセッションでも、このやり取りを行うことがあります。でも大人でも難しいんですよね。だから、長男が言葉を発したのは、かなり意外でした。
その時の言葉が、今日のブログのタイトルです。「才能なんてなくてもいいんやで」と。
冒頭にも少し書いていますが、「才能がない」という言葉から、その日の怒涛のネガティブラインは始まりました。そしてこの言葉、長男がいつも引っかかるところなんです。その長男がぽつりと、「才能なんてなくてもいい」と言ったことに、大きな安堵を感じました。
せっかく素敵な言葉が出てきたので、バラフライハグをしながらその言葉を言ってもらいました。自分の両手で、両腕の上側を交差してさする形。自分を抱きしめる形。これは、セルフケアとしてもかなり有用だと言われている方法のひとつです。「才能なんてなくてもいい」の次に出てきた言葉は、「大丈夫」でした。
「才能なんてなくてもいいんやで」「大丈夫、大丈夫」と繰り返しながら、1分間ほどセルフハグ。本当は3分くらいして欲しかったけど、それは仕方なし。
この時点で14時50分。仕事に行く時間も余裕で間に合いました。よかった〜〜〜。
とりあえず金曜日のネガティブ対応も、無事終了
無事乗り切ったわたし、本当によくやってるわ〜と、自分自身にもセルフハグ。笑
3歩進んで10歩くらい下がって、また1歩進むような長男ですが、がんばります。^^;
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