神奈川県藤沢市(旧藤沢遊廓)⑥ | お散歩日記

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路地裏、バラック、長屋、昭和の香りがする飲食街、遊郭赤線跡地、廃墟、古い町並み、山奥・・・・そんな場所を訪れては下手糞な写真を撮っております。

※小鳥の街について十二月二十三日に訂正と追加記事を書きました。



辰巳新地(藤沢新地)の廓内には、通称「小鳥の街」と呼ばれるスナック街が構成されております。








こちらが通称「小鳥の街」、嘗ては下記写真向かって左側にも同様のスナック街が軒を連ねていたそうなのですが、現在はこの一画を残すのみとなりました。




このような街特有のアンニュイな香りを引き立てるネーミングの「小鳥の街」、その由来はどうやら鳥に因んだ店名が並んでいるからだそうですね。遊女を指して彼女らを「籠の中の鳥」に擬えることがあります、この街の歴史を鑑みるとただの偶然とは思えません。



下記は昭和三十七年度版の藤沢市住宅明細地図より。「小鳥の街」の箇所を拡大。おや?屋号を見ると鳥に因んだお店ではありませんね。更にもう一区画あったとされる「小鳥の街」の箇所には、遊廓の名残を匂わす連れ込み旅館と思しきひばり旅館や小町旅館が並んでおります。地図から推測するに「小鳥の街」はそう古い歴史を持つ訳ではなく、昭和四十年代に入ってから構成されたようですね。







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言わずと知れた昭和の学園青春ドラマの代表作、昭和四十六年放映森田健作主演の「おれは男だ!」、この作品には「小鳥の街」が出る回があります。その回は第三十四回「星の広場に集まれ」ですね。下記にご紹介致します。





森田健作演じる小林弘二と、青葉高校の定時制に通うガールフレンドの岡田由紀子演じる永野久美、二人が語らうシーン。

久美「ねぇ、一緒に行ってもらいたいところがあるの。付き合ってくれない?」

弘二「あぁ、いいとも!」





「一緒に行ってもらいたいところ」へ向かって藤沢の街を歩く弘二、そして些か緊張している久美・・・・・





久美は余りこの界隈の地理に詳しくないのだろうか、怪しげな路地裏に迷い込む二人・・・・・・




この辺りだろうか。心なしか安堵の表情をする久美・・・・・・
※「小鳥の街」が登場するシーンはコチラであります





脂粉の香りのする女性と擦れ違う二人・・・・・・・





そろそろ目的の場所に到着する筈だが・・・・・・・
※今は無き小鳥の街の別の一画と思われます





ある店のドアを開ける二人。そこには一人の女が居た。彼女は中川加奈演じる「清水孝江」、久美が昼間に働く工場の元同僚。

孝江「何しに来たの?!ここで働きたいの?」

・・・・・・冷静さを保とうとする孝江。





久美「お母さんから手紙が・・・・・」

孝江「いちいち出したの・・・・おせっかい焼き!」

久美「孝江・・・・・あなたの家じゃあなたがまだ工場で働いていると思っているのよ。だから・・・・・」

孝江「工場へ戻れって言うの?冗談じゃないのよ!余計な出しゃばり止めてよ!」

・・・・・・激昂する孝江。





声を荒げる孝江に気付き、背後から現れたやくざものと思しき男。やくざものの姿を見て青ざめる三人。




孝江「久美!帰ってよ!あんたなんかの来るところじゃないんだから出て行ってよ!!」

孝江の捨て台詞の裏には嘗ての同僚久美を配慮する思惑があるのだろうか・・・・・・

弘二「永井君!行こう!」

店のドアを荒々しく開き外に出る二人・・・・・・




二人が店を出た後、声を押し殺して泣く孝江。その手は母親からの手紙を握り締めていた。








以上「おれは男だ!」に登場した「小鳥の街」のシーンを纏めてみました。 







続く。