営業時間前の橋本湯。
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橋本湯の屋号入り破風屋根瓦。
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暖簾がかかった16時。待ち侘びた瞬間です。ではお邪魔いたしましょう。
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「失礼します!」・・・・・・おや?番台に誰も座っていません。待っている間にも次々とお客が入ってきます。近くの現場で働く仕事帰りの職人さん達でしょうか。男湯も女湯も賑わっています。
「後払いで良いんだよ。先に風呂入んなよ」・・・・一人の紳士が私に声をかけます。しかし初めて入浴するのに、常連さんと同じように振舞う事は私には出来ません。それに橋本湯のご主人から話を伺う都合もあるので、私は暫く待つ事にしました。待つこと十分余り、奥の方から目尻の下がった人の良さそうな老紳士がやってまいりました。この老紳士が橋本湯のご主人、小川さんです。
「遊郭跡地巡りが趣味で・・・・新潟からやって来ました・・・・」、当方の自己紹介を済ませると、「インターネットで見て橋本に来たの?それとも本で読んだの?」とても嬉しそうな表情をしながら私に話しかけてきます。
「ブログに載せる?どうぞどうぞ!どんどん宣伝して下さいな。それから新潟へ戻ったら新潟の人たちにも京都の橋本湯に来てって声かけてな」・・・・・と笑顔で話す小川さん。何故だか当方まで笑顔になってしまいます。
玄関先のタイル。「ウチはインターネットで見たって人が遠方からいらっしゃるんですよ。あなたと同じように昔の遊郭に興味がある人だよね。東京、横浜・・・・、ついこの間来た若い女の子は名古屋の人だったっけな。遊郭のタイルが好きだって子、ウチのタイルをえらく気に入った様子でね、ずっと熱心に写真撮っていたよ」
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「橋本遊郭と共に・・・・九十年余り営業してるかな。多津美旅館さんへは行きなさった?あのステンドグラス見た?綺麗だったでしょ。多津美さんのお客さんもウチの風呂に来るんですよ」
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「女湯だって気にしなさんな。これは遊郭に置いてあった火鉢」・・・・女湯の入口にカメラ片手でお邪魔する私・・・・。
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このベンチも遊郭から贈呈されたもの。見え難いですが、背もたれの部分に辻よし楼と言う屋号が記されています。因みにココは男湯です。
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番台付近には長塚京三、瀬川瑛子など芸能人のサインが飾ってありました。橋本湯は映画やCMで銭湯のシーンのロケ地に使われたことが何度もあるそうです。
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![$お散歩日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121205/13/izumiken79/0b/1c/j/o0400030012316966963.jpg?caw=800)
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「これは写真撮った?これも貴重だよ。是非撮影して!」遊郭時代からの照明ですね。これは当時、表にあったものなのでしょう。
![$お散歩日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121205/13/izumiken79/04/67/j/o0400030012316966575.jpg?caw=800)
![$お散歩日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20121205/13/izumiken79/9c/79/j/o0400030012316966961.jpg?caw=800)
脱衣所やお風呂場も良い雰囲気でした。しかしお客さんが大勢いらっしゃるのでそちらの撮影は叶わず。
「良かったらあなたの住所教えてな。中々この商売休みが取れないけど、絶対に新潟へ遊びに行くから!そしたら新潟案内してな!」・・・・と帰り際に小川さんより。
ええ、私もまた橋本へ行きますよ!ずっとお元気で橋本湯を続けていて下さいね。